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コンゴ(民)カタンガ州、モイズ・カツンビ知事が辞任

2015-10-01 07:30:19 | アフリカ情勢
モイズ・カツンビ。コンゴ民主共和国で最も豊かな州、カタンガの州知事。アフリカ政治において、あまりに存在感の大きい大物政治家。優れた手腕と合理的政策は、カタンガ州のみならず、広く国民からも人気を集めてきた。そういうことで、このブログでも繰り返し紹介してきた。


カタンガ州知事、モイス・カツンビが語るコンゴの今~遅読みNotre Afrique
第一話
第二話
第三話

>コンゴ民主共和国・動く政局
前編~地方分権化のイミ
後編~二人のライバル

マニアックな選挙の話~コンゴ民主共和国選挙史
前編
後編


そのカツンビ知事がこのほど、ツイッターにおいて、正式にカタンガ州知事を辞任し、与党PPRDを離脱する意思を明らかにした、と報じられている。

RDC: Moïse Katumbi claque la porte au PPRD, le parti de Kabila(RFI)



ジョセフ・カビラ大統領と同じカタンガ出身で、与党PPRD。2006年の民主化プロセス後においては蜜月な時期もあったが、カツンビの手腕と人気はカビラ大統領陣営にとっての脅威となっていく。カツンビの人気にあやかりつつも、無力化する政策が採られていく。

そのひとつが地方再分割化法。以前の11州性を26州に再分割。各州の歳入を一旦中央政府が徴収し、各州に再配賦するというもの。実質的なカタンガ州の地盤沈下とカツンビの無力化の意図が垣間見られた。

カツンビ知事は、財政も、行政も、民主主義の基盤も危ういコンゴにおいて、いまこの地方分権化法案を進めるべきなのか疑問を呈した。

さらにカツンビ知事は憲法が禁止する大統領の三選立候補に向けての動向に強く疑問を呈してきた。度重なり延期されてきた地方選挙。自ら、州知事の憲法上の任期もすでに満了し、知事で居続けることにも正当性(Légitimité)がないと繰り返し述べてきた。今回の正式な辞任表明は、有権者と国際社会に対する強いメッセージであり、大統領陣営への強烈なプレッシャーであることは間違いない。


注目されるのが、カツンビのこの先の去就。もっと言えば、大統領選挙に立候補するのか、という点だ。もし与党勢力、特に西部での票を結集できれば、彼の当選は現実味を帯びてくる。当然、現職陣営にとっては最大の脅威となる。彼自身は、現段階では「今後よく考えたい(réfléchir)」として立場を明らかにしていない。しかし与党PPRDからの離脱はひとつのシグナルだ。去就に注目が集まる。


アフリカの国で起こりがちな典型的なパターンでいえば、今後彼の立候補を阻むあらゆる手段が採られることになるだろう。汚職の嫌疑、不当逮捕。海外外遊からの再入国禁止措置。被選挙資格の剥奪、憲法裁判所の不当裁定など。

今後、コンゴではどうか。選挙に勝つンビ?いや、ダジャレを言っている場合ではない。アフリカの大統領選挙ラッシュにおいて、最注目の選挙まで、予定通りであればあと約1年となった。

(つづく)


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