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雨に思えば・・・~アフリカの雨事情(2)

2013-06-27 07:30:34 | アフリカ紀行
雨に思えば、第二話。アフリカと雨について引き続き考えてみたい。前回は赤道低圧帯と熱帯雨林について述べた。

さてこの雨ゾーン。地球は地軸がずれている。そして太陽の周りを公転する。すなわち、太陽の入射角の高い地域が季節によって北上し、南下する。このため、普段雲のない地域にも、雲の帯が通過し、季節の通り雨を降らせていく。この地域が亜熱帯、サバンナ気候で、雨期と乾期がはっきりした地域ということになる。

赤道周縁、南北の緯度が10度前後までの地域は、雲の帯が二回通過するため、雨期が年間二回訪れる。アビジャン(コートジボワール)やコトヌ(ベナン)、ヤウンデ(カメルーン)などがそうだ。降水量は年間1500~2000ミリにも達する。山岳地帯を抱えるギニアでは、4000ミリを記録し、、西アフリカの水瓶と言われる。母なる川、ニジェール川をはじめ、6つの国際河川の源流を持つ。

(コートジボワール・アビジャンのぐずついた空)


もう少し北へ上がると、雨期が年一度のゾーン、亜乾燥帯、ステップ気候である。例えば今私がいるダカール。雨期は6月から9月の3ヶ月間。この期間は蒸し暑く、短い時間で激しく雨が降るスコールがやってくる。他方、乾期には実に9ヶ月近く、一滴も雨が降らない。ちょうど第一話で述べたコンゴとまるで逆である。

このようにみていくと、ここまでアフリカには基本的には四季がない。雨期と乾期、四季ならぬ、二季、ということになる。

そしてさらに北上すると、この雲すらも届かない地域となる。雨もめったに降らない乾燥帯、砂漠気候。境目は降水量200mm前後、南北の回帰線が理論上の分水嶺だ。そしてこの砂漠の地下深くにかつての植物相が眠り、これが石油となって産出される。中東の産油地帯、南北スーダン、チャドなどが北緯15度戦前後に位置する。

この「砂漠地帯」、西アフリカでは文字通りの砂漠ももちろんあるが、土漠、岩石砂漠も広域に広がっている。

しかし。この砂漠にも雨が降る。しかも半端ない雨が。短時間に降る。

あれは2005年の6月。モーリタニアの砂漠の奥、首都ヌアクショットから600キロの街に向かっていた最中だった。白昼が突然闇につつまれ、真夜中のようになると、雷鳴と稲光の閃光。突然バケツをひっくり返した、という表現では甘すぎるほどの雨に襲われる。あたり一面は湖と化し、クルマはみるみる水にかこまれる。あっという間にボンネットの高さまで達してしまった。

少し雲が明るくなると、周りの状況が見えてきた。あたり一面、濁流が暴れている。やり過ごすしかない。

すると、南方向に見える岩石の丘から、ズーン、ズーンと不気味な音。しばらく眺めていると、岩石の壁からドカーンという音とともに、鉄砲水が滝となって噴出した。現実はインディージョーンズの世界よりも激しく、恐ろしいものであった。

(モーリタニア、砂漠の嵐。真っ黒な雲に覆われ・・・)


(滝のような中を進んでいく・・・)


(そして地響きとともに岩崖から突然の鉄砲水。大スペクタクル笑←わらえなかった。。。)


この気候分布、何も中西部アフリカに限ったことではない。南部アフリカにもほぼ同じことがいえ、例えばナミビアにはネゲブ砂漠が出現する。東アフリカは必ずしもこの摂理通りではないが、これは標高が関係する。いずれにせよ、アフリカの気候も自然の摂理で生まれ、その上で人間の営みが生きずいてきたのだ。

(つづく)

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雨に思えば 第一話
アフリカ人のお人柄と気候


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