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一転!バグボ元大統領、継続拘留へ〜コートジボワール危機と国際刑事裁判所(4)

2019-01-19 17:10:27 | アフリカ情勢
シリーズ「コートジボワール危機と国際刑事裁判所」、きのうでいったん終了、と思ってたところ、事態がさらに一転。

コートジボワール危機と国際刑事裁判所
第一話 コトの顛末

15日(火)に国際刑事裁判所(CPI)が命じた、コートジボワールのローラン・バグボ元大統領、シャルル・ブレ・グデ青年相の即時解放。その後の上告、釈放に対する意見申し立て、引き受け条件交渉などで怪しい雰囲気が漂ってきたな、と思ってたら、18日(金)、上訴審は一転した判断を示した。当面の仮拘留。両氏は、少なくとも次回弁論が開かれる2月1日までの間、仮拘留が継続することとなった。

(17日の当地紙一面。玉虫色の裁定に各紙は異なる報道ぶり)


検察側からすれば、釈放後、継続する上訴審で新たに逮捕を擁するような事態を避けたかったのではないかとの見方がある。一方、極めて政治的な決定では、という声、あるいは国際刑事裁判所として、今回の裁判は後に引けないのでは、との声も。

コートジボワール危機と国際刑事裁判所
第三話 国際社会は正義か?


昨夜、コートジボワールに詳しい識者と、この件について話をする機会があった。同国の政局に与える影響に話題が及んだ。

勝者の裁き。このことがコートジボワールの「国民和解」の大きな阻害要因となっている。バグボ釈放は、国民和解の大前提だろう。

しかし皮肉なことに、バグボ釈放で同氏がアビジャンに帰還ことは、政局をさらに混乱させる結果を生むリスクがある。これまで分裂していた旧政権側のコートジボワール人民戦線(FPI)。バグボ待望の空気の中、同氏帰還となれば、彼が自ら2020年の大統領選挙に立候補することになるだろう。

他方、政権連立与党連合を離脱したコートジボワール民主党(PDCI)。今次選挙で独自候補擁立することは党是となっている。兼ねてから議論になっている!候補者を誰にするかという問題。バグボ出馬の構えがあれば、当然党首、アンリ・コナン・ベディエ元大統領の立候補というシナリオが否定できない。

バグボが立候補するとなれば、現政権与党、ワタラ大統領のウフェ主義者連合(PHDP)からは、・・・これまでまことしやかに噂されてきた、ワタラ大統領の三選立候補の可能性がぐっと浮上してくるのではないか。

ワタラ大統領から離別の姿勢を明確にした、軍への影響力を保持するギヨーム・ソロ国民議会議長。彼の立候補も相当の確度を持って議論されはじめている。


バグボ、ベディエ、ワタラ+ソロ。
第ニ話で述べたタイムマシーンとはこれいかに。危機以前の政局に酷似した状況に逆戻りする趨勢だ。

しかしコートジボワールの人々は、もう戦争を望んでいない。政治にはこりごりだ。そんな声があらゆるレベルから聞こえてくる。過去の愚行が繰り返されることはよもやあってはならない。


バグボ釈放は、コートジボワールの政局にとって、あまりに重みがあり、またタイムリーにすぎるタイミング。さしあたりは2月1日の弁論に注目が注がれる。

(つづく)

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