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ガンビア川を渡るファラフェニ橋が完工~ガンビアとセネガルの蜜月関係が生んだ絆

2019-01-23 16:50:43 | アフリカ情勢
ンボテブログ『ぶら★アフ』でもしばしば話題にしてきた、魅惑の国ガンビア。西アフリカ、セネガル共和国に囲まれる中、ガンビア川に沿って、盲腸のように伸びる国。ガンビア川はこの小さな国を二つに分かつのみならず、セネガルをも南北に分断してきた。



そのガンビア川には両岸を結ぶ橋がなかった。この川を渡ろうとするものは首都バンジュルに近い河口付近化、あるいは中流のファラフェ二、または上流などのフェリーサービスを使用するしかなかった。交通はしばしば停滞し、渡河に4-5時間、ひどいときには丸一日を待たされる。

セネガルから見れば、国土はガンビア国家と、ガンビア川によって、南北に隔たれてきた、ともいえる。セネガル南部の「カザマンス地方」は、ガンビア川とギニアビサウの森林で隔絶され、独自のコンテクストを歩んできた。80年代から、カザマンス分離・独立勢力との紛争が継続している。首都ダカールとカザマンス地方の間の「国内移動」には、このガンビアを横切って、ガンビア川を渡ることが必要である。

両岸を結ぶ橋は、50年前から計画され、長く望まれてきた。

その長年の夢であるガンビア川を渡る橋、中流域に架かる橋の建設計画は、5年前からようやく開始された。そしてついに「ファラフェニ橋」が、完工。先日1月21日、セネガルのマッキ―・サル大統領、ガンビアのアダマ・バロウ大統領臨席のもと、完工式を迎えた。

(フランス国際ラジオ放送(RFI)ウェブサイトより)



全長約1キロ、全幅12メートル、双方向2車線の橋。総工費75百万ユーロはアフリカ開発銀行が資金を手当てした。この橋により、セネガルの首都ダカールとカザマンスの中心都市ジゲンショールは8時間で結ばれる。実際の供用は普通車は22日から開始され、大型車は夏までに通行が可能となる。


仲がよさそうで難しかったガンビアとセネガルの両国。特にガンビアがヤヒヤ・ジャメ大統領による独裁下に置かれていた際には、ジャメ政権がカザマンス分離・独立運動(MFDC)を支援していたとして、両国の緊張が高まった。ガンビアはしばしばガンビア川を通過するセネガルの「国内移動」を遮断。あるいは高額課税した。セネガルの南北交通は、15時間も20時間もかけて、はるか東、内陸のタンバクンダ、ケドゥグゥを経由して移動せざるをえなかった。

ガンビアがまたセネガルとの国境通過封鎖。でも解けました~ガンビアという国(8)

この橋の建設が進まなかった本質的な問題として、「いったい誰の橋か」、「誰が金を払って建設すべき橋なのか」、「ガンビアはセネガルのために財政を痛めてこの橋を整備しなければならないのか」といった問題が長く問題となってきた。インフラはできればよいというものではない。しばしば隣接国の難しい問題を惹起する。

二つのコンゴを結ぶ橋
第二話 つながりたいのは一つのコンゴ
第三話 バ・コンゴ問題と内陸国化


ガンビア、セネガルの両国関係を決定的に改善したのは、2016年末から2017年初頭のガンビア、ジャメ政権崩壊である。セネガルはバロウ新大統領を徹底的に庇護し、就任までの一部始終を徹底的に支援した。ガンビアに対する影響力を最大限に強め、南北交通の確保とともに、カザマンス問題の解決に大きな不透明要素を払しょくすることに成功した。バロウ大統領はサル大統領に大きな、大きな借りがある。すでに建設が始まっていたファラフェニ橋、しかし実現に向け計画は加速化した。


ファラフェ二橋…一見してガンビア川を結ぶ、ガンビア国内の橋。しかし実際には、両国を固く結ぶ、あまりに歴史的な橋なのである。

(おわり)

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