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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

持続可能なまちづくりに向けて

2012-03-02 19:16:18 | 建築雑談

先日の記事の親玉ですね。

持続可能なまちづくり研究会が開催されたとの事で資料を読みました。

世間的には、元々あった高齢化社会に向けての取り組みやエネルギー問題などは、知っているけど、どう取り組めば?的なぼんやりしたものだったと思います。

それが昨年の震災で世間も本腰を入れたというか、関心が高まってきたので、国としては一気に盛り上げたい空気満々ですね。(まぁその勢いが凄すぎて、先日私は少し引いてしまったわけですが)

ほんと時間がありません。

当面の目標は2050年までの社会を見据えてのもの。その頃何が起きているかと言うと、私の年代でもある団塊ジュニア世代が隠居していることです。(年金問題考えると、とても隠居なんてできないですが)

「kokkousyo120302.pdf」をダウンロード

国交省HPより

様々な課題や事例が挙げられていますが、感想を一言で言えば「大都市圏は体力あるなぁ」です。

大都市圏の整備事業はすさまじい勢いを感じますが、地方都市圏の整備事業は、完成するのが2050年を過ぎているんじゃないかと思うペース。

団塊ジュニアがいなくなる2060年頃には、また別の問題が出てくるはずなんだけど、地方大丈夫か?としか思えない。そもそも問題は地方の方が多く抱えているのに。

でも、課題同士が噛み合っていないんですよね。

持続可能な社会を作り出すには、一つの例として、耐震性・耐火性の劣る建物は解体かリノベーションをして、優良な建物をストックすることが民生事業の大きな柱に挙げられていますが、歴史的な建造物である為に解体できないという問題や、今や日本の空き家率は10軒に1軒以上の割合になっています。その中には所有者もよく分からない状況の建物もあり、解体できない事例もあります。

かと言って所有がはっきりしている空き家も、たとえ耐震性・防火性が十分だとしても建物そのものに魅力がなく買い手・借り手がつかない様な物件もあるわけです。要は、魅力ある建物に限って、安全性が不足していて、安全な建物に限って、魅力がないという大きなギャップ。

私個人が、戦前の建物にとても魅力を感じる思考の持ち主なので、なんか、戦後の高度成長期が日本の発展のリズムを狂わした気もするんですが、高度成長期が悪いんじゃなくて、戦争が悪いんですよね。

まだまだ、たくさん課題があって、言いたいことは沢山あるんですが、そればっかり書くとこのブログがかなりネガティブな暗いものになるので、もうやめます。

課題が無数にあるわけですが、私たちが出来る事は、今の法律に合わせた住宅を設計するのではなく、2050年を見据えた住宅の設計をしなければいけないこと。

そうしないとイタチごっこになってしまいます。


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