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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

熱損失と「ministock」-新潟の狭小住宅、自然素材、高気密高断熱、高耐震-

2011-04-13 16:32:46 | ministock-狭小住宅・小さい家-

そもそも狭小住宅「ミニストック」は、これからの高気密高断熱住宅のあり方について考えていたのが最初のきっかけです。

ネイティブディメンションズでは、高気密高断熱住宅を標準仕様としています。例えば熱損失係数については1.9w/㎡kとしています。

しかし、2008年に中東情勢の不安定からガソリン価格が上昇し、限りある化石燃料に頼り続けている現状は、将来においても続いているとは思えず、さらなる省エネ化が必要と考え始めていました。今回の地震による原発不安からさらなる省エネ化は加速したようにも思えます。

ちなみに私の自転車生活が始まったのもこの年。まずは自分の生活から省エネ化を初めてみました。

現状、当事務所の高気密高断熱工事は坪あたり3~4万円程度です(大きさで変動します)。

そこからさらに断熱化を進めてみるのも一つの手ですが、私の師匠でもあるAさんの事務所ですでに実践されていますし、若干あまのじゃくな私は、別のやり方での省エネを考えてみたくなりました。これは断熱化を批判する考え方ではありません。時代の流れを考えると「さらなる断熱化」はいずれ世間一般の流れになると思います。その流れに乗り遅れるつもりは微塵もありませんが、私が先にやっておきたかった事は、ローコストの高気密高断熱住宅を設計し、全ての世代、所得層に提供できる様にする事でした。

それが狭小住宅です。

建物の表面積と換気量を減らせば、熱損失を減らす事ができます。お金を掛けずに私の設計力に力を入れれば、今より省エネ化が可能になります。

結果、ミニストックの熱損失係数は2.06w/㎡kにする事ができました。

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いや、増えてますけど。

確かに単位面積当たりの熱損失は増えているのですが、それでも問題ない様に面積を減らしたんです。

それが狭小化と断熱化を組み合わせた省エネ住宅の考え方です。

単位面積当たりの熱損失は2.06w/㎡kですが、ミニストックは吹き抜けを含めて59.62㎡です。

つまり2.06*59.62=122.77w/k

温度差あたりの熱損失は122.77w/kです。

ちょっと専門的な数字が並んでいますが、例えば熱損失係数1.00w/㎡kの性能を持つ40坪の住宅の温度差あたりの熱損失は132.23w/kです。

超断熱化住宅とほぼ同等の性能です。

単位面積当たりの熱損失が違うので全くの同等とは言い切れませんが、ほぼ同等までは言える位になったと思います。

ちなみに熱損失係数にこだわる場合、ミニストックは隠されたもう一つの特徴があります。

これはまた後日。


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