
↑構造計算の結果一覧表。判定結果欄にOKがズラズラと並んでいますが・・・。
ミニストック-02の設計が大詰めを迎えていて、現在図面化作業を行っています。
とにかく格好良くしたいとばかり考えていますが、ネイティブディメンションズの格好良さとはその建物に対してどれだけの意味を持っているかが物差しです。
その物差しには大前提としてコストと安全性と快適性があります。
住宅の建設費は構造材費用が大きな割合を占めていますから、如何に構造材料が安くなるような梁の組み方にするか、耐力壁の位置と量を適切にするかにかかっています。
その構造の組み方を意匠デザインに取り入れるのが、私の設計の大きな特徴でもあります。
「合理的な構造計画の中に、ダイナミックな梁組みをデザインとして取り入れる」
木造住宅やってるんなら、構造を意匠に取り入れるべきと私は考えています。
だから、デザインが変わるたびに構造計算が同時進行でコロコロと変えられていきます。
でも、そこには細心の注意が必要。
構造計算には構造計算ソフトを使用しますが、とっても便利なだけあってサクサクと計算が進んでいきます。
ところが、あまりにもサクサクすぎて、どうして計算がクリアしたのかを設計者がきちんと確認・理解しなければいけません。
木造は、「小さいけど複雑」が特徴です。
なんとなく計算書の表紙にOKが並んだから大丈夫では大きな落とし穴が待っています。
剛性の低減がかかりすぎていないか。
勾配天井を採用する場合、壁のせん断剛性は適切な高さに直したか。
ねじれ補正係数の割増がないか。
柱や横架材継手の引っ張り力が大きすぎてないか。
などなど。
今回の計算書は約400ページありますが、表紙の判定結果だけでなく、そもそも計算の過程に問題がないかのチェックも隅々まで行います。
その計算過程とデザインがちゃんと整合しているかを意匠設計者が確認してこそ、構造計算と言えると思います。
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