Pains パリの味

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ベーカーテクノサービス

インストアーベーカリーⅡ

2009-09-14 06:57:30 | Weblog
 大手メーカーのFCとして、冷凍生地だけで営業しているインストアーベーカリーがありますが、こちらも厳しい状況には違いありません。冷凍生地の品質は良くなりました。ただ、山崎パンの製造する冷凍生地はほぼ満足できる品質ですが、その他のメーカーは研究不足であることと、ニーズにあった新商品が出てこない。それでは、販売現場のFC店舗は競争力を失い益々厳しい状況に立たされるのではないですか。高いロイヤリティーを支払い、縛られ自由が利かず、材料も高めで、他の問屋から安い材料を仕入れることも出来ず、生き残れません。 

 いっその事FCから脱退してミキサーを導入し、自家配で生地を仕込み、冷凍生地併用で店舗運営を行うと商品力が増大し、売上を上げることは可能です。冷凍生地はどこのメーカーも製造ラインが空いている状況ですから、かなり安く仕入れることも出来ます。韓国製の冷凍生地もあります。
 7月韓国メーカーの工場を視察する機会を頂き、技術力は日本と変わらぬレベルと感じました。日本の機材と技術を導入し、衛生管理も行き届き安全な高品質な冷凍生地が生産されていました。韓国のFC店は全て冷凍生地で運営されているとの事で、実際店舗も数店見てきましたが、商品の品質は日本と変わらず、好みは別としてなかなか美味しいものでした。ただ、店舗デザイン、什器デザイン、照明が30年以上前の日本のベーカリーそのままで、この点が改善されれば日本への進出も可能ではないでしょうか。

 個人ベーカリー、インストアーベーカリー共にパンの専門店ですから、スーパーの棚にある商品よりも高い品質と信頼がなければ商売になりません。しかし、インストアーベーカリーの商品がスーパーの棚に並べられたパンより品質が良いと必ずしも言えません。お客様は専門店であるインストアーベーカリーに棚には無い商品、高品質な味の良い商品、パリパリの美味しいフランスパン、焼き立てのパン、揚げたてのドーナツ・カレーパンを求めています。しかし、その要望に応えていないのが実情ではないでしょうか。

 また、FCベーカリー本部もマーケティングが出来ていないでしょう。高いロイヤリティーを奪い、安い材料を自由に仕入れることも出来ず、競争力のある新商品を開発するでもなく、高い冷凍生地と材料を押し付けるやり口はそろそろ改める必要がありそうです。一部で訴訟にも発展していますよね。

 ベーカリー用冷凍生地、原材料など自由に仕入れること可能です。いつまでもFCで縛られている必要などありません。店名を変え、店舗のイメージカラーを替えるだけでお客様は増えます。と同時に商品構成を変えてしまえば、リニューアル効果で売上は倍増です。その時ミキサーを導入し、美味しい食パン、フランスパンを焼き始める。ミキサーが有ればフルーツケーキなど低コストで製造できます。

ベーカリー開業Ⅶ

2009-09-14 06:37:51 | Weblog
 ベーカリー開業で誰もが最大の関心事は店舗作りで、その中身の商品とサービスは蔑ろにされているように感じています。

 ベーカリー商品は生地配合が決めて、命ですが、その商品設計を間違えば美味しいパンと成る生地にはなりません。最近は材料の知識が無いまま商品設計、試作を行い商品化しているのではと感じます。使う機材のよっても生地の物理性は変わり、風味を損なう場合があります。
 その良い例が宅配ピザです。宅配ピザの多くは、アメリカンスタイルのピザで、イタリアのピザに比べると生地は厚く重たく、不味い。トッピングの種類と量が異常に多く、チーズも胸焼けする油ぎったチーズ様の物がトッピングされている。ロスやニューヨークでもこんな化け物のようなピザはお目にかかれません。ハワイに居たときも直ぐ近くにドミノピザがありましたが、生地もチーズも少し美味しかった記憶があります。最近の乳製品の高騰で輸入チーズに増粘多糖類と油脂を加えたチーズモドキが多く出回り、しつこいピザが増えました。
 ピザという伝統的な食べ物を改良なのか改悪なのか、完全に別物に変えてしまう日本人。パンも例外でなく、商品名は本物風の名前でも風味が全く別物で、美味しければまだ我慢できるがこれが旨くなければ腹が立ちます。本物を理解しろといっても簡単に本場の本物を試食することは無理ですので、本物を実際に学べる学校を設立したいと考えています。
 フランスパン、クロワッサン、パイ、パンドカンパーニュ他大型のパンまで、それから、食事・料理、ワイン、チーズまで、フランス食文化の一端を学べる学校、卒業後直ぐ活躍できる人材を育てることを目標にしています。
 外国ブランドのパン屋が沢山ありますが、全てが美味しい訳ではありません。原材料の高い日本では、良い材料を使用することは大変難しいことは確かです。しかし、パイ・クロワッサンはもう少しどうにかなりませんか。マーガリンのパイ・クロワッサンは美味しくありませんから。

 どうも本物でなく誤魔化し、偽物商品で商売しているベーカリーが多すぎます。良くこんな物お客様に売れますね、代金を頂けますね、面の皮が厚いのでしょうかと思えるベーカリーかなりあります。1星フレンチレストランでもなぜ星付なのか理解できないレストランもありますので、仕方ないですか。このレストラン場所は良いのですが、店内が狭く、隣の席の会話が良く聞こえて落ち着きません。料理は荒々しく品とか丁寧さが無く、肩が凝らないといえます。味はちょっと高級な焼き鳥屋といったところで、どちらを選びますかと訪ねられれば、迷わず焼き鳥屋を選びます。

 日本の食、全体的なレベルは下がっていますね。作り手も消費者も。
カップ麺やコンビニ弁当で満足していては、下がるのは当たり前でしょうが。格差社会を生んだ政治が悪い、その張本人からは反省の弁すらありません。

 食の原点は温かくて美味しい物は温かく、冷やして美味しい物は冷やして提供する。マックが支持される理由はそこにあります。余り時間がかからず、どこの店でも同じ味が保障され、マヨネーズ、チーズ、ケチャップで肉の硬さとぼろぼろは誤魔化し、大変良く出来た店舗運営システムであると思います。

 個人ベーカリーは商品を誤魔化さず、本物を、温かくて美味しい物は温かく、冷やして美味しい物は冷やして常に提供する、これだけで売れます。しかし、多くの店で、全て逆をしています。