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ベーカーテクノサービス

ベーカリー開業Ⅶ

2009-09-14 06:37:51 | Weblog
 ベーカリー開業で誰もが最大の関心事は店舗作りで、その中身の商品とサービスは蔑ろにされているように感じています。

 ベーカリー商品は生地配合が決めて、命ですが、その商品設計を間違えば美味しいパンと成る生地にはなりません。最近は材料の知識が無いまま商品設計、試作を行い商品化しているのではと感じます。使う機材のよっても生地の物理性は変わり、風味を損なう場合があります。
 その良い例が宅配ピザです。宅配ピザの多くは、アメリカンスタイルのピザで、イタリアのピザに比べると生地は厚く重たく、不味い。トッピングの種類と量が異常に多く、チーズも胸焼けする油ぎったチーズ様の物がトッピングされている。ロスやニューヨークでもこんな化け物のようなピザはお目にかかれません。ハワイに居たときも直ぐ近くにドミノピザがありましたが、生地もチーズも少し美味しかった記憶があります。最近の乳製品の高騰で輸入チーズに増粘多糖類と油脂を加えたチーズモドキが多く出回り、しつこいピザが増えました。
 ピザという伝統的な食べ物を改良なのか改悪なのか、完全に別物に変えてしまう日本人。パンも例外でなく、商品名は本物風の名前でも風味が全く別物で、美味しければまだ我慢できるがこれが旨くなければ腹が立ちます。本物を理解しろといっても簡単に本場の本物を試食することは無理ですので、本物を実際に学べる学校を設立したいと考えています。
 フランスパン、クロワッサン、パイ、パンドカンパーニュ他大型のパンまで、それから、食事・料理、ワイン、チーズまで、フランス食文化の一端を学べる学校、卒業後直ぐ活躍できる人材を育てることを目標にしています。
 外国ブランドのパン屋が沢山ありますが、全てが美味しい訳ではありません。原材料の高い日本では、良い材料を使用することは大変難しいことは確かです。しかし、パイ・クロワッサンはもう少しどうにかなりませんか。マーガリンのパイ・クロワッサンは美味しくありませんから。

 どうも本物でなく誤魔化し、偽物商品で商売しているベーカリーが多すぎます。良くこんな物お客様に売れますね、代金を頂けますね、面の皮が厚いのでしょうかと思えるベーカリーかなりあります。1星フレンチレストランでもなぜ星付なのか理解できないレストランもありますので、仕方ないですか。このレストラン場所は良いのですが、店内が狭く、隣の席の会話が良く聞こえて落ち着きません。料理は荒々しく品とか丁寧さが無く、肩が凝らないといえます。味はちょっと高級な焼き鳥屋といったところで、どちらを選びますかと訪ねられれば、迷わず焼き鳥屋を選びます。

 日本の食、全体的なレベルは下がっていますね。作り手も消費者も。
カップ麺やコンビニ弁当で満足していては、下がるのは当たり前でしょうが。格差社会を生んだ政治が悪い、その張本人からは反省の弁すらありません。

 食の原点は温かくて美味しい物は温かく、冷やして美味しい物は冷やして提供する。マックが支持される理由はそこにあります。余り時間がかからず、どこの店でも同じ味が保障され、マヨネーズ、チーズ、ケチャップで肉の硬さとぼろぼろは誤魔化し、大変良く出来た店舗運営システムであると思います。

 個人ベーカリーは商品を誤魔化さず、本物を、温かくて美味しい物は温かく、冷やして美味しい物は冷やして常に提供する、これだけで売れます。しかし、多くの店で、全て逆をしています。

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