Pains パリの味

パン屋、ベーカリー作りを応援します。

ベーカーテクノサービス

夏のパン消費

2015-04-29 13:48:59 | Weblog
 
牡丹、昭和記念公園にて

桜が終わり、今はこの牡丹やしゃくなげの時期ですが、これから藤が見ごろを迎えます。この時期になると真夏のパン需要の減少が頭を悩ませます。真夏には、某大手の食パンなど3日続くと鼻に臭いがついて、食べられなくなります。(パンの香りでなく、臭いです)小麦粉の香りがしないパンでは食欲が減退するからです。


ネモフィラ


リテールベーカリーで、発酵時間1時間半程度の真のストレート法の食パンを販売していれば、大きな落ち込みは無いはずです。それは小麦の香りがあり、トーストすればその香りが素直に立ち、食欲の減退を招くことが少ないからです。しかし真夏は食欲は落ちますので、レーズンブレッド、クランベリー入りの食パンなどを提案してみては如何でしょうか。その他、イングリッシュマフィン、クロワッサン、デニッシュやフルーツ入りのミッシュブロートの朝食もなかなかいけます。当然いい加減な商品では駄目ですが。発酵バターのほのかな香りが立つようなクロワッサンであれば申し分ありません。


オーブン内のラウンド型食パン(クランベリーとサツマイモダイス)

パンの大きさ、形、焼き方を変えるだけでも、夏の需要は開拓できます。

商品設計

2015-04-20 17:46:11 | Weblog

多摩川支流の日原川

本当に美味しいパン。食パンでは焼成後1週間ほど経っても、トーストすることで焼き立てと同等の風味を味わえるパン。勿論添加物は使用せず。1時間半発酵のストレート法では夏季は厳しいが、長時間発酵のストレート法、及び天然酵母=市販ではなく、ルバン、発酵種と言われる自家製の本物使用であれば、2週間カビの発現が無く、トーストで味わうことが可能であった。このテストだけで直ちに2週間の賞味期限を付けられる訳ではないが、いい加減な短時間発酵のパンと老化が遅く長く美味しさを保持できるよう考えられたパンとの違いが大きいことは明らかであると言いたい。

お客様から長く評価されるには、外見、上辺を繕うだけでなく、中身、本質の追求が不可欠。製法を変えるだけで、パンの性格は変えられ、それがお客様からの評価に繋がる。


多摩川支流、浅川上流、夕暮れの八重桜、


 
今が盛りと咲き誇るチューリップ

勝ち残るための商品開発

2015-04-13 08:46:51 | Weblog

名称はバレリーナ?

最近チューリップを観賞する機会がありました。形も色も様々で、花壇を埋めていました。春、桜が終わるとチューリップ、ツツジ、ポピー、あやめ、アジサイなど花の多い季節になります。花屋の店頭も多種多様の花でいっぱいです。

切花としてまた球根としての販売額は年々増えているチューリップですが、品種改良が大きく貢献していることは間違いありません。以前は農業試験場での品種改良が主でしたが、今では大手企業による品質改良、品種改良が主流に成りつつあります。これで人の目を楽しませ、購買意欲をそそり、種、球根販売のほか末端の花屋さんまで活気が出る好循環が生まれます。

 
色も形も豊富になりました。

一方パン屋はというと、出尽くした感が在ります。ほぼ世界中の有名な製品は生産されています。材料から見ても使えそうな材料、好まれる材料は試してきた、そんなところです。

しかし、人の好み、嗜好の変化はこれからも在ります。日本人の好む食感に合わせて食パンは湯種を使うものが定着しました。これは大手が機械を使って大量生産するために考案したもので、これが最良の方法であるとはいい難い。湯種の食パンは先ず香りが乏しい。トーストしても良い香りとは思えないし、カビの発現は早い。そのため添加物添加が必要である。一部のメーカーはその点を改良した熟成湯種を使用しているが。

リテールベーカリーでは湯種食パンを作る必要は無い。

これは本当にお客様が求める、本当に美味しい食パンは、その様な次善の策を用いたものでないからである。パン本来の風味を備え、尚且つ柔らかく、トーストしたときの香りが朝の食欲の無い、時間の無いときにも美味しいと感じるパンをお客様は求めている。それには単純にストレート法の食パンが一番であり、それ以外の方法は無い。

冷蔵庫、リターダー、冷凍庫、ドゥーコンを使いこなすことで、前日生地を仕込み、分割・丸目を行い、一晩これらの機材で低温発酵させ、翌朝成型・型詰め、ホイロ、焼成と工程を組めば、早朝出勤も無く、開店時には焼きたての食パンが店頭に並びます。

パン屋が成り立つためには、生地の発酵管理をどの様に行うか、それだけです。お客様が求める時間帯に焼きたて商品をどれだけ用意できるか。それも何処よりも美味しい商品で。


居並ぶ競合店に勝つためには、何処よりも美味しい商品を、お客様の求めに応じて用意すること以外ありません。そのための配合、製法、サービスを提案しています。

ペジーブル柏店では、何処にも無いベーカリーを作りたいとのオーナーの意向で、競合が多く居並ぶ柏、松戸の土地で、特別な生地を用意しました。食パン、菓子パン、惣菜パン、サンドイッチ用ヴィエノア、デニッシュ、クロワッサンこれらは他店には無いであろう配合と製法を採用しています。

リテールベーカリーが勝ち残るには、次善の策では無理があります。各店に合った策を考える必要が在ります。


 

観桜会

2015-04-02 18:19:08 | Weblog

高架下の染井吉野

 
寒風に耐える早咲きの桜               小さな山の頂にある早咲きの桜


 
月明かりでの撮影

この数日桜ばかり追いかけてきたが、来週には葉桜に。シャッタースピードと絞り、ISO、其の場面でどうすれば良いか、感を研ぎ澄ますために撮影の毎日でした。やっと摑み始めたその感。

パンも同じで、仕込み水温、生地温度、パン時時期と其の強さ、分割時期、この塩梅でパンの食感や風味が決まり、老化の速さまで左右される。

マニュアルを渡しても、上手く作れる人間とそうでない人間に分かれる。マニュアルは一定のレベルの商品を作るには有効であるが、それ以上の商品を作るには、感とセンスの良さが問われる。何しろ自身の鍛錬。3号店が開店する某ベーカリー、どうかな?


 
赤を抜いてみました。