~ならしのの風に乗って~

二人三脚で綴る夫婦の気ままな日記

冲方丁(うぶかた とう)さんの「天地明察」が面白い!

2014-12-15 07:27:17 | 小説・本
私(おじさん)の読書日記です。

最近、新しい本を読みたくなった時に図書館の本を借りることが多くなりました。

前回の上橋菜穂子さんの「鹿の王」も、医学的な話が絡んで、なかなか面白かったです。(こちら)

それでまた、学術的?な小説を読みたくなり、以前から気になっていた冲方丁(うぶかた とう)さんの「天地明察」を家内に借りて来てもらいました。
そうしたら何と、2冊借りられたからと言って、同じ本を自分用として借りてきました!


さて、「天地明察(てんちめいさつ)」は、冲方丁さんの時代小説です。
江戸時代の天文暦学者(役目としては江戸城に勤める囲碁棋士ですが)である渋川春海(はるみ、しゅんかい)が、様々な困難や妨害に遭いながら、初めて日本独自の暦作りに挑む生涯を描いています。

私は、暦といえば、西暦と和暦があり、西暦はグレゴリオ暦が使われていると言うくらいしか知りません。
和暦、日本の暦についてはほとんど知りません。
ですから、渋川春海という人物の名前も知りませんでした。

天地明察
あらすじとしては、

”第4代将軍・徳川家綱の時代に、江戸城に勤める囲碁棋士の安井算哲(渋川春海)が、その算術と神道の才を見込まれ、会津藩主・保科正之から日本全国の北極出地調査への出立を命じられます。

そして、全国を巡り帰還した春海に新たに命じられたのは、何百年と使われ続けていながら、当時2日のずれが生じている宣明暦を廃し、新しい暦を制定せよという改暦事業でした。

様々な困難や妨害に遭いながらも、和算の創始者・関孝和など多くの人との交流・協力を受けながら、日本独自の暦を作り上げ、制定までに漕ぎつける”

というものです。

今でも理数系だと思っている私は、この小説を本当に楽しく読むことが出来ました。

また、誤答を出したり、失敗した時の落ち込み様はかなり酷く描かれていますが、自分もそうだなあと共感を持ちながら読み進めました。

保科正之や徳川光圀ら歴史上有名な有力者と交流できたのは、囲碁に秀でていたためでしょうが、
そういった人々に信頼されたのは、彼の豊かな見識と誠実な性格だったためだと思います。

日本初の事を成就させるのは、一人の努力と忍耐だけではやはり不可能です。


物語は、大数学者で和算の創設者”関孝和”の名前だけでなく実際に登場する辺りから佳境に入り、一気に読ませます。
関孝和との交流も、実際はどうだったか分かりませんが、素敵に描かれています。

そして、3度目の上表時、有力者たちへの事前の根回しも功を奏し、大和暦は朝廷により採用されました。


少し遅れて読み終えた家内も、やっぱり”根回し”が大事ねと感想を言っていました。
”根回し”も、春海が”信頼”されていたからこそです。
本当によかった、よかった・・・です。

本の最後も何かほのぼのとした素敵な終わり方で、感動を一段と盛り上げます。
涙がにじんできました。


冲方丁さんの「天地明察」、本当によかったです!
 



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