~ならしのの風に乗って~

二人三脚で綴る夫婦の気ままな日記

高橋克彦さんの「広重殺人事件」

2015-04-20 07:22:22 | 小説・本
私(おじさん)の読書日記です。
今日は、「写楽殺人事件」(こちら)、「北斎殺人事件」(こちら)に続く、高橋克彦さんの”浮世絵三部作”の最後の歴史ミステリー、「広重殺人事件」です。

私は、この「広重殺人事件」を最初に読んだとき、大ショックの連続でした。
ファンだった冴子が、読み始めてすぐに死んで(自殺して)しまったのです。
”ええェー”です。
そのショックを引きずりながらも、きっと津田が謎を解いて、いくらかでも無念を晴らしてくれるのかなと思って読んでいたら・・・
今度は、話半ばで津田まで死んで(自殺して)しまったのです。
しかも、二人が飛び降りた場所が、山形の山寺(立石寺)で、私が学生の頃何回か訪ねたことのある場所だったので、余計にです。
もう完全にノックアウトです。
話は面白いのに、その二重のショックが最後まで尾を引いてしまいました。

広重殺人事件 (講談社文庫)
さて、この”浮世絵三部作”の最後に登場する浮世絵師は、題名にもあるように歌川広重です。


ストーリーは・・・
津田が、歌川広重が山形天童を訪れていたことを証明する絵日記を発見したという発表から、広重が実際に天童を訪れていて、そして最後、広重は徳川幕府に暗殺されたのではないかという推理に発展していきます。

この推理の論証もすごいです。
これはもう間違いないと納得してしまいます。

二人の死に絡んだ広重の謎は、「北斎殺人事件」で登場した塔馬双太郎が解決します。
そして、二人の死(というより津田の死なのですが)の理由も・・・
なんとも哀しい結末です。

そのような展開なので、私が高橋克彦さんの”浮世絵三部作”を読み始めるのに、いつも覚悟が必要になるのです。

でも、この”浮世絵三部作”はどれも大傑作で、一旦覚悟を決めて読み始めると、もう面白くて一気に読んでしまいます。
いいですよ!
高橋克彦さんの”浮世絵三部作”は、浮世絵の世界だけでなく、当時の政治や経済などの状況を踏まえた推理で、本当に説得力があります。
お奨めの歴史ミステリーです
 


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