三連休の最終日、高知県立美術館に行った。
芸術作品を鑑賞するためではない。ホールで行われる「怪獣映画特集」を観にいったのだ。
午前の部が「空の大怪獣ラドン」「大怪獣バラン」、午後の部が「フランケンシュタイン対地底怪獣」「サンダ対ガイラ」という、「渋い」プログラムである。
大の怪獣映画好き少年だったぼくは、「バラン」以外の映画を全部劇場で観ていたし、テレビでも何度か観ていたんだけど、特撮フリークの息子に誘われて、「久しぶりに大スクリーンで観ようか」という気になったのだ。
とくに「フランケンシュタイン対地底怪獣」「サンダ対ガイラ」は、あまりテレビ放映されない(※)。よく考えると前者は四十五年ぶりかもしれない。迷わず午後の部を選んだ。
※前者は原爆投下から十五年目の広島が舞台で、いろいろと当時の社会事情や放送禁止用語が連発される。後者は悪い人造人間のガイラがむしゃむしゃ人間を食っちゃうシーンがある。それもかじった上に服をペッと吐き出すという。ま、放送されないわな(笑)
高速道路から高知県立美術館へ。お濠に囲まれた土蔵を思わせる趣のある建物。マルク・シャガールのコレクションで有名らしいけど、今日はそれどころではない。
で、立派なホールに座って、最初の「フランケンシュタイン対地底怪獣」を鑑賞。
小学生のとき以来である。ちょっとワクワクした。
・・・で、ラスト、ぼくは腰を抜かさんばかりに驚いていた。
「四十五年前に観た映画と結末が違う!」
思わず叫びそうになった。
自慢じゃないけど映画や小説に関しては記憶力のいいほうだ。「フランケンシュタイン対地底怪獣」は子どもごころにとても怖くてよく憶えていた。ネタバレになるが、四十五年前に観た結末は、地底怪獣バラゴンを持ち上げたフランケンシュタインが、地面に空いた大きな穴に吸い込まれるように落ちるというものだった。
しかし、今日観た映画の結末は、違ったのだ。
フランケンシュタインは地底怪獣の首の骨を折って殺す。
次の瞬間、登場人物(若き日の高島忠夫さん)がべつの方向を指さす。
「蛸だ!」
はあ?
数十メートルもありそうな巨大な蛸が唐突に画面に現れる。いっとくがここは海中でも海岸でも無い。山の中である。
フランケンシュタインはその巨大蛸と格闘!
なかなか決着は付かない。
やがて二体は近くにあった湖に転落。
ぶくぶくぶくぶく。泡。どっちも浮かびあがってこない。
はあ?
唖然とするぼくの目の前に「終」の文字が。
はあ?
息子に聴き、ウィキペディアで調べると、どういうわけなのか、日本で劇場公開後、蛸との格闘シーンが急遽追加されたらしい。わざわざ俳優さんを集めて台詞も取り直したとか。で、ビデオ版には「蛸エンド」が納められていたので、逆に劇場公開版が珍しいのだとか。
なるほど。
・・・わけわからん。
しかし、山の中に唐突に大蛸が登場して格闘を始めるというシュールなシーンは、いいようによってはおもしろい。
総じていえるのは怪獣映画に過度の期待をしてはいかん、ということだな。
両方の映画に出演している水野久美さんの美しさに免じて、さらっと流そう。
フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)【期間限定プライス版】 [DVD] | |
高島忠夫,ニック・アダムス,水野久美 | |
東宝 |
フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ【期間限定プライス版】 [DVD] | |
ラス・タンブリン,佐原健二,水野久美,田崎 潤 | |
東宝 |
いいですよねー。高知県立美術館は建物の雰囲気もいいし、とても気に入りました。
また特撮関係の特集があれば足を運んでみようと思います。
特撮好きだった私がビックリしたのは
美術館で特撮映画の鑑賞会やフィギュア
のイベントが頻繁に行われていた事。
おかげで楽しむ事が出来ました。
一番の思い出は、チェコの偉大な
アニメーターであるカレル・ゼマンの
作品が上映された事です。
こんなマニアックな作品が見れるとは
と大変感動しました。
今でも高知の特撮好きを楽しませて
くれてるみたいですね。
レストランも良かったし思い出深い
美術館です。