いや、Blogに投稿してる場合ではないのだが、先日購入したこの本について書いておきたい。
それはナチ娯楽映画の世界という本である。著者は瀬川祐司氏。ドイツ文学専門の明治大学教授。
珍しい戦前のドイツ映画の本である。それもナチス政権時代につくられたおびただしい娯楽映画についての本である。三冊目の長編小説のために資料を調べているときまったく偶然にみつけて、あわてて購入した。
以前からナチ娯楽映画に興味があったのだ。それは、アルゼンチンの作家、マヌエル・ブイグの傑作蜘蛛女のキスをだいぶ前に読み、ひどく感動したからだ。まるで千夜一夜物語のように語られる絢爛たる娯楽映画のあらすじ。語っているのは同性愛の男。聞いているのはテロリストの男。場所は刑務所の中。猟奇的なシチュエーションに見えるが、とびきり上質な純愛の小説だった。わたしはラストに思わず涙した。
その娯楽映画というのが、くだんのナチス政権時代に盛んにつくられた映画群なのだ。親ナチス政権時代があったアルゼンチンらしい趣向である。
この本は、そんなナチ娯楽映画をじっさいに750本以上観たという著者の労作である。
すこしでも興味のあるかたはぜひこの本を手にとっていただきたい。一般にナチス政権時代には、プロパガンダ映画ばかり作られていたと思われているが、その「常識」は覆されるだろう。
筆者の「娯楽は政治的なのだ」という主張には共感をおぼえる。
すぐれた映画の本を読むと、映画が観たくなる。
それはナチ娯楽映画の世界という本である。著者は瀬川祐司氏。ドイツ文学専門の明治大学教授。
珍しい戦前のドイツ映画の本である。それもナチス政権時代につくられたおびただしい娯楽映画についての本である。三冊目の長編小説のために資料を調べているときまったく偶然にみつけて、あわてて購入した。
以前からナチ娯楽映画に興味があったのだ。それは、アルゼンチンの作家、マヌエル・ブイグの傑作蜘蛛女のキスをだいぶ前に読み、ひどく感動したからだ。まるで千夜一夜物語のように語られる絢爛たる娯楽映画のあらすじ。語っているのは同性愛の男。聞いているのはテロリストの男。場所は刑務所の中。猟奇的なシチュエーションに見えるが、とびきり上質な純愛の小説だった。わたしはラストに思わず涙した。
その娯楽映画というのが、くだんのナチス政権時代に盛んにつくられた映画群なのだ。親ナチス政権時代があったアルゼンチンらしい趣向である。
この本は、そんなナチ娯楽映画をじっさいに750本以上観たという著者の労作である。
すこしでも興味のあるかたはぜひこの本を手にとっていただきたい。一般にナチス政権時代には、プロパガンダ映画ばかり作られていたと思われているが、その「常識」は覆されるだろう。
筆者の「娯楽は政治的なのだ」という主張には共感をおぼえる。
すぐれた映画の本を読むと、映画が観たくなる。