ナンシー・Chang!のおいし~生活

湘南(住まい)&東京(勤務地)で見つけた、あんなこと、こんなこと。

怪談 牡丹灯籠@あうるすぽっと

2008-10-04 18:30:31 | おでかけ

「落語も歌舞伎も自然主義~ッ!」by加納幸和

*花組芝居9ヶ月ぶりの新作は、三遊亭円朝の落語に挑戦!

リアリズム文学の雛形にネオかぶきが挑む?
昨年の20周年ラストの『仮名手本忠臣蔵』で義太夫を取り上げた花組芝居が、9ヶ月の充電期間を経て池袋のあうるすぽっとに登場。



久々の花組芝居、堂々の新作はなんと「世話物」です。
原作は、不世出の噺家で、新たな落語の可能性を開いた功労者と言われている三遊亭円朝が23歳で作り上げた『怪談 牡丹燈籠』。
語り切るのに15日を要したというこの大作を2時間半(休憩あり)で!

私が知っていた牡丹燈籠は落語ではなく大西信行氏が書き下ろした戯曲(お露と新三郎の幽霊話)だったようで、長~い仇討話だということは恥ずかしながら今回初めて知りました。
怪談と仇討話が交互に登場し、様々なシーンを映画のフラッシュバックのようにめまぐるしく挿入するという演出は、今までの加納さんとはひと味違う感じで新鮮でした。

最近好んで使用している大きな立て板セットが今回も大活躍。シンプルで瞬時にして場面転換が可能なスグレモノの舞台装置だと思います。長唄の杵屋邦寿さんにお願いした音楽も良かったですね。

登場人物も多いし、細かなエピソードを複数盛り込んでいるため場面転換が素早いので、少々わかりづらいところもあるかと思いますが、観劇前にプログラムの「配役&相関図」を頭に入れておくといいでしょう。冒頭で飯島平左衛門が黒川孝蔵を斬り殺すシーン、後に黒川孝蔵の息子が平左衛門の家臣になるという件だけは見逃すべからず。
男女、主従、親子、人の因縁というか思いの深さが哀しくも可笑しくもあり、花組芝居らしいエンタテインメントに仕上がっていました。個人的には単純な勧善懲悪モノになっていなかったところがいいと思います。
ご贔屓役者の植本潤ちゃんが不参加だったのはチョト残念だったけれど、待たされた甲斐のある大満足の舞台でした。

しかし、旗揚げ当時の役者さんが揃って早50の大台とは(゜д゜)!
初演からの付き合いである私的には感慨もひとしお(共に年を取ってきたのね~)。芝居は三遊亭円朝に扮した桂慶一クンの語りで始まるのですが、意外にも(ゴメン!)これが上手くてビックリ。しばらく桂クンだって気づかなかったよ(爆)! 思えば若手と思っていた彼や大井靖彦クン、八代進一クン、植本潤ちゃんも、今やすっかり中堅役者となり、みんな見違えるほど芝居も上達したと思う。20周年という節目を迎え、君たちの成長ぶりがおばさんは嬉しいよ
(観劇日 2008/9/6)

※花組芝居に興味がわいた方は、このブログの右サイドバーのブックマークから公式HP「電脳版 花組通信」を是非覗いてみてね

1.事務所・公共施設棟(15階)中心の「ライズアリーナビル」
2.4、5階は豊島区立中央図書館
3.コンパクトで臨場感あふれるブラックボックスの劇場は301席
4.ギャラリースペースも兼ねたホワイエ
5.エントランス左手にはカフェスペースもあります

池袋は東京芸術劇場やサンシャイン劇場などがあり、演劇好きにはなじみの深い街。劇場名の由来は池袋の象徴フクロウ(英語名owl=アウル)に「逢(あ)い集う」という意味を重ねたそうです。
301席と中規模ながら、本来は400席分のスペースがあるゆったりした空間が魅力。上演演目は「商業演劇ではなく、時代を映すようないい作品にスポットを当てたい」というオーナーの思いから、外部貸し出しにも有識者による審査を実施しているそうです。



初あうるすぽっと、東池袋は逗子からは少々遠いけれど、最近は湘南新宿ラインを利用すれば池袋まで乗り換えなしで行けるようになった(ライズアリーナビル、得意先の日立プラントテクノロジーが入っているビルだったのね!)。舞台は観やすいし、ロビーも広く(今回は宣伝イラストを描き下ろして下さった岡田嘉夫氏の原画が展示されていました)、ゆったりとしたカフェスペースがあり、休憩時間も楽しめます。

あうるすぽっと
□豊島区東池袋4-5-2 ライズアリーナビル2F・3F
□03-5391-0751

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