夏目漱石の作品を読んだ。「彼岸過迄」です。これは夏目漱石の後期3部作の第1作であるのこと。この小説の構成は6編の短編小説から成っているが、完全に独立したものではなくて主人公の田川敬太郎を軸にした6編が長編小説になっている。ちょうど源氏物語の帖のようなものです。
読んだ感想としては主人公の田川敬太郎、友人の須永、その叔父松本が親の財産で暮らしてそこそこの生活をしていることを羨ましく感じた。だからこそ色々と悩める余裕の生活が送れるのだと思っております。小説としては大学を出たばかりの若者たちの一種の青春小説なのかもしれないが主題があやふやであるが新聞に連載されただけあって読者をうまく引っ張って、続編がありそうに期待を持たせてさらっと終わっている。また、夏目漱石のお得意の漢文等からの引用も少なかったたので、読みやすかったです。
夏目漱石の小説として軽く読めるのですでに代表作品を読んだ読者がほっとひと息に読む小説として適していると思います。、、
尚、「彼岸過迄」という題名は、元日から始めて彼岸過ぎまで書くつもりだったので名づけたと序文で作者が述べている。
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