自虐史観と呼ばれるものが、いつごろから蔓延ったのか、よくわからない。戦後の思想がどのように形成され、どのようにGHQにコントロールされていたのか、またそのGHQの中の民生局とG2の確執、共産党員の釈放と、後のレッドパージ。GHQに引き立ててもらった政治家の出世、戦争犯罪者の烙印を押された旧軍人のGHQ内部での隠れた重用、公職追放された者と、思想界の中央に躍り出たもの、そこから冷たく無視されたもの、無理やりの防衛破棄・平和憲法と、さらにそれを宙返りさせた戦わない軍隊・自衛隊。冷戦の手先と化した?戦後の教育指導要領と日教組。戦後60数年、言論界も思想界もその登場人物たちも流転を繰り返した。学生たちの60年安保、70年安保は何だったのか。あの燃えるようなエネルギーとひっくり返りそうだった社会。しかし、実際はびくともしなかった社会、とみるのは実は表面的観察に過ぎなくはないか。
よくわからないのだ。わかるのは、圧倒的な支持を受けた戦後民主主義。その旗を振ったものは誰だったのか、それは時代が仕組んだ罠にはまった「民主主義」でも何でもない、単純無垢な若さの暴走ではなかったか?
美術界における抽象表現主義の興隆はCIAが仕組んだものだと最近発覚した。60年代Artistたちのペットのような存在であった覚せい剤・LSDはMKULTRAの残留品や、各地の見えにくい戦争の略奪物が商品化されたもので、その蔓延はそれらが市場を求めた結果であると、近年開示されたCIA研究は語っている。
Tel Quel Japon過去記事:Herbert Norman:
ある人物がどのような思想を持っているかは
このHerbert Normanをどう見るかによって、
ここに登場するHerbert Normanを追悼する
日本人たちをどう評価するかによって判断できる。
教科書的にはこのあたりが一貫した思想的「正論」と
なっていると言えるのではないだろうか。
従って戦後日本人はどう変質したかは、
変質させた彼らに問うのが最短の道だと言えるだろう。
なんと呼べばいいのだろう。この写真の人物たちのサークル。
平和問題談話会と戦後知識人:
先のサークルとずばり重なるのがこちらの知識人たち。
少しリンクを拾ってみよう。
忘れられつつある思想家―清水幾太郎論の系譜―
深秋会:清水幾太郎先生と武者小路公秀先生が
散歩されている写真がある。
武者小路公秀:
「米国流」脱し、自主的な進路を:
笠信太郎 :
中野好夫:
中野好夫:悪人礼賛:
南原繁:
進歩的文化人:
バートランド・ラッセルのポータルサイト:
丸山真男:
「である」ことと「する」こと 丸山真男:
丸山真男の「であることとすること」を徹底批判する:
丸山眞男という人:
丸山眞男「超国家主義の論理と心理」書評:
実はNormanと丸山真男の関係を思い出して
この頁を書いてみたが、やはり私の興味はここにはない。
「変質させた彼らに」、と書いてはみたが、昭和の学生たちを
魅了したのはむしろ戦勝国の思想家や文学者達だった。
学生たちは、通過しなければならない試験の中の
教材として特殊な袋の中に入った丸や三角や四角のように
彼らに出会ったにすぎない。
そう思うのは私の特殊な事情に起因するだけかもしれないが。
エリート・コースのレールにのった人生があった人たち、
学問の世界で「彼ら」の弟子になった人たち、
その思想を継承しまた弟子を育てた人たち
にとってはどうなんだろう。
彼らは親戚のように身近で
外せない濃厚な影響を与える思想家だったのだろうか。
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