このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
パリの文化に憧れるニューヨーク、グリニッジ・ビレッジの書店員(オードリー・ヘプバーン)がファッション・フォトグラファー(フレッド・アステア)に見出されてモデルになった。彼とやり手の女編集長に伴われパリを訪れた彼女はいつしかアステアと恋に落ちるのだが、二人の間に“共感主義”(サルトルの実存主義のパロディ)の大物教授が割り込んでくる-。
「パリの恋人」(1957年)は、ジョージ・ガーシュインのナンバーを使ったチャーミングなミュージカル。ストーリーは実に他愛ないのだけれど、どのシーンも最高に楽しくて美しくて、何度でも観たくなる。
パリに着いた三人がタクシーでおのおの観光へ出かけるシーンのテンポの良さ。歌い踊りながら凱旋門、フォーブル・サントノレ、マドレーヌ寺院、セーヌ河畔、テルトル広場、サクレ・クール寺院、オテル・リッツなど名所中の名所を次々と訪れ、最後にエッフェル塔のエレベーターの中でばったり顔を合わせる。
アステアのアドバイスを受けながら撮影を重ねるうちにヘプバーンがプロのモデルとして成長して行くシーンも素敵だ。ルーブル美術館の脇に立つカルーゼル凱旋門、オペラ座、コンコルド広場、そしてサモトラケのニケ像。
このシーンの斬新でしゃれた画面処理は、特殊映像コンサルタントとしてクレジットされているリチャード・アヴェドン(「ハーパース・バザール」誌などで活躍していた当時の一流写真家)の貢献によるものだ。