ミューズの声聞こゆ

なごみと素敵を探して
In search of lovable

このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。

大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。 また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。

シスターズ・オー・シスターズ

2018年02月27日 | Fab4

 お気に入りだった曲をこうして訳しているうちに、そういえばあんな作品もあったな、と思い出すことも多い。今回は少し変わったものを紹介しようと思う。

 「シスターズ・オー・シスターズ」はジョン・レノン&ヨーコ・オノ/プラスティック・オノ・バンド名義の二枚組アルバム「ニューヨークのジョンとヨーコ」(1972年)に収録されているヨーコの作品。

二流のバックバンドとレコーディングしたこともあってもっさり感は否めないものの、不思議とそれが味わいに思えてくる、オールディーズ風のチャーミングな曲だ。

歌詞の内容はストレートに女性解放、ウーマンリヴを取り上げていて、今も昔も、ひとによって好き嫌いが分れるところかもしれない。

 

 (ヴァース)

 私たちは緑豊かな土地を失った

 私たちは澄んだ空気を失った

 私たちは真の知恵を失った

 そして今や私たちは絶望の中に生きている

 

 オー、シスターズ、オー、シスターズ

 今すぐ立ち上がりましょう

 遅すぎるなんてことはないの

 スタートからスタートしましょう

 

 ああ、知恵、ああ、知恵よ

 それは私たちが求めるもの

 そして、ねえ、親愛なる女性たち

 私たちは求めることを学ばなければならないの

 

 知恵、ああ、知恵よ

 それは私たちが求めるもの

 それは今私たちに大切なこと

 ああ、知恵、ああ、知恵よ

 それは私たちが求めるもの

 それは今私たちに大切なこと

 

 オー、シスターズ、オー、シスターズ

 すぐに目を覚ましましょう

 遅すぎるなんてことはないの

 心から叫びましょう

 

 ああ、自由、ああ、自由よ

 私たちがそのために戦っているもの

 そして、ねえ、親愛なる女性たち

 私たちは戦うことを学ばなければならないの

 

 自由、ああ、自由よ

 それは私たちが求めるもの

 それは今私たちに大切なこと

 ああ、自由、ああ、自由よ

 それは私たちが求めるもの

 それは今私たちに大切なこと

 

 オー、シスターズ、オー、シスターズ

 もう二度と諦めないことにしましょう

 遅すぎるなんてことはないの

 新しい世界を築きましょう

 

 ああ、新しい世界、ああ、新しい世界よ

 私たちに大切なもの

 そして、ねえ、親愛なる女性たち

 私たちは生きることを学ばなければならないの

 

 新しい世界、ああ、新しい世界よ

 私たちに大切なもの

 それは今私たちが築くために学ばなければならないもの

 ああ、新しい世界、ああ、新しい世界よ

 私たちに大切なもの

 それは今私たちが築くために学ばなければならないもの

  

TV番組でのアコースティックバージョン

 

We lost our green land

We lost our clean air

We lost our true wisdom

And we live in despair

 

 O sisters, O sisters

 Let's stand up right now

 It's never too late

 To start from the start

 

 O wisdom, O wisdom

 That's what we ask for

 And yes, my dear sisters

 We must learn to ask

 

 Wisdom, O wisdom

 That's what we ask for

 That's what we live for now

 Wisdom, O wisdom

 That's what we ask for

 That's what we live for now

 

 O sisters, O sisters

 Let's wake up right on

 It's never too late

 To shout from our hearts

 

 O freedom, O freedom

 That's what we fight for

 And yes, my dear sisters

 We must learn to fight

 

 Freedom, O freedom

 That's what we ask for

 That's what we live for now

 O Freedom, O freedom

 That's what we ask for

 That's what we live for now

 

O sisters, O sisters

 Let's give up no more

 It's never too late

 To build a new world

 

 O new world, O new world

 That's what we live for

 And yes, my dear sisters

 We must learn to live

 New world, O new world

 That's what we live for

 That's what we must now learn to build

 

 O new world, O new world

 That's what we live for

 That's what we must now learn to build

 New world, O new world

 That's what we live for

 That's what we must now learn to build

 

 

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Will you still love me tomorrow

2018年02月23日 | favorite songs

 

 ジェリー・ゴフィンとキャロル・キングの若いカップル。

ともにニューヨークのユダヤ系中級家庭で育った20歳と17歳の二人が出会って恋に落ちた。

詞はいいのだが曲がイマイチ、と仲間内で評価されていたゴフィンと、作曲の才能は認めるものの、きみの容姿で人気歌手は無理、とレコード会社に忠告されたキングはソングライター・チームを組んで既成歌手に曲を提供する道を選んだ。

 彼らの作品はシュレルズに書いた「ウィル・ユー・スティル・ラヴ・ミー・トゥモロー」(1961年)を皮切りに、ボビー・ヴィーの「さよならベイビー」、スティーブ・ローレンスの「ゴー・アウェイ・リトル・ガール」など全米第1位クラスの特大ヒツトを連発。なかでもリトル・エヴァの「ロコモーション」(62年)は、12年後の1974年にグランド・ファンク・レイルロードがカバーして再び全米1位を獲得した上、89年にはカイリー・ミノーグのシングルがビルボード2位まで駆け上がるという、偉大な記録を作った。

 

 「ウィル・ユー・スティル・ラヴ・ミー・トゥモロー」は、この愛が一夜限りのものなのだろうかと不安に思う若い女性の心情を、きれいに韻を踏みながら見事に活写している。

Is this a lasting treasure
Or just a moment's pleasure?
この愛は永遠に続く宝物(トレジャー)なの?                                                                                                                                 それとも、ほんのいっときの歓び(プレジャー)?

この曲はキングがテープに吹き込んだメロディにゴフィンが15分で歌詞をつけたというエピソードが残っているが、本当だとしたら、神がかり的だ。

シュレルズ(1961年)

 

時代が変わり、ゴフィンと離婚した後、シンガーソングライターとして再デビューを果たしたキングによる弾き語り(1971年)

 

 

 ブライアン・フェリーの、テレビ番組での企画ライブ(1993年)

 

Will you still love me tomorrow

Tonight you're mine completely
You give your love so sweetly
Tonight the light of love is in your eyes
But will you love me tomorrow?
Is this a lasting treasure
Or just a moment's pleasure?
Can I believe the magic of your sighs?
Will you still love me tomorrow?
Tonight with words unspoken
You say that I'm the only one
But will my heart be broken
When the night meets the morning sun?
I'd like to know that your love
Is love I can be sure of
So tell me now, and I won't ask again
Will you still love me tomorrow?
So tell me now, and I won't ask again
Will you still love me tomorrow?
Will you still love me tomorrow?
Will you still love me tomorrow?

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逆立ち③

2018年02月22日 | 珠玉

 NPO法人なごやかの理事長が、やまねこデイサービスの事務室へ首をひねりながら入ってきた。

どうかなさったのですか、と私は声を掛けた。

「駐車場に見慣れない8004番の新車が停まっていて、こんないい車買ったかなあ、と思ってね。

Tさん、もしかして、きみ、二台乗ってきたの?」

理事長は希望ナンバーで取得した8004番の活動車を大量に集めているのだが、事務職員のTさんはまったく偶然に面接会場へ8004番の自車で乗りつけて即採用になったというエピソードの持ち主だった。

「私です」と事業所の開設以来勤務している先輩事務職のCさんがおずおずと手を上げた。

理事長の顔が輝いた。

「そうか、きみか。-そうか、ありがとう。きみの逆立ちには脱帽だ。Cさん、エア握手だ!」

理事長はCさんの50センチほど手前で右腕を大きく振った。

よほど気分がよかったに違いない、その右腕を左胸に置き、「君が代」を歌いながら部屋を出て行った。

でも、いったい理事長は何の用だったのだろう?

 

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星の王子さま

2018年02月20日 | 日記

「きみが星空を見あげると、そのどれかひとつにぼくが住んでるから、そのどれかひとつでぼくが笑ってるから、きみには星という星が、

ぜんぶ笑ってるみたいになるっていうこと。きみには、笑う星々をあげるんだ!」

                                                       「星の王子さま」河野万里子訳、新潮社刊

 王子さまは笑う星々を「僕」に贈ってくれた。

「僕」は空を見上げれば、いつでも王子さまを思い出すことができる。
キツネが小麦を見ると王子さまを思い出すように。

 

今年もみんなありがとう。

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マクベス

2018年02月19日 | シェイクスピア

 私は生前の父が眠っているところを見たことがなかった。

私が朝起きた時にはもうすでに事務所でデスクワークに取り掛かっている。

深夜、勉強を終えて部屋から出て行くと、たいていの場合、書斎で古い映画を観ているか、事務所に明かりが灯っているかのどちらかだった。

一度直接尋ねたことがある、パパは眠くないのかと。

いや、眠いよ、と父は苦笑いしながら答えた。

「若いころに仕事でひどくくやしい思いをしてね、その時どこかが、あるいはなにかが壊れたのだろう、それ以来眠れなくなったのだよ。『マクベスは眠りを殺した!』かな。」

好きなシェイクスピアの台詞を引用しておどけてみせ、それ以上の詳しい内容は話してくれなかったけれど、そういえば時々言っていたことがあった。

「男の性根はよほどのことがないと直らない。たとえば、穴を掘り自分で土をかけて埋まってしまいたいと思うくらい恥ずかしい目に遭ったり、腹の中が燃えるくらいくやしい思いをしないと。」

そんな思いをしたのだろうか。

 ある日、夕食の準備が整ったので父を呼びに居間へ行ってみると、額に手を置いてソファに長々と横になっていた。

私はふざけて声を掛けた。

「マクベスさん、夕食ですよ。」

父はむっくり起き上がると唐突に口を開いた。

「『もはや眠るな、マクベスは眠りを殺した』と叫ぶ声を聞いた気がする

 無垢の眠り、
 気苦労のもつれた糸をほぐして編むのが眠り
 眠りは、日々の生活のなかの死、

 労働の痛みを癒す入浴、

 傷ついた心の軟膏(なんこう)、

 自然から賜ったご馳走、

 人生の饗宴の主たる栄養源だ。」

つかえずに台詞を言えて気をよくしたのだろう、最後にニッと笑った。

いつも働きづめで、こんなに疲れているのに、私のような小娘の冗談にもしっかりつき合うなんて。

切なくなって顔を引きつらせていると、父は心配そうに、面白くなかった?と私の目をのぞき込んだ。

 

オーソン・ウエルズ版「マクベス」(1948年)より

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