ミューズの声聞こゆ

なごみと素敵を探して
In search of lovable

このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。

大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。 また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。

ぽらんのひと

2024年10月07日 | なごやか

「私が管理者を務めるなめとこデイサービスは日曜日と祝日が定休日です。その日は日曜でしたが、運営指導を来月に控えていることもあり、無人の事業所へ午前中短時間出て、ファイル類の整理を行なっていました。

すこしして、防犯のため鍵をかけていた玄関サッシがガチャガチャ幾度か音を立て、チャイムが鳴りました。恐る恐るモニターを覗くと、顔の半分が映っていたのは、いつもいらしている女性利用者様でした。

徒歩で1時間ほど離れた自宅から、(明日の入浴支度等、別に住まわれている娘さんが準備していた)重たい荷物を3つ抱え、トンネルをくぐって、長い坂道をここまでいらしたのです。

「今日は集りの日ですよね」と素敵な笑顔を私に向ける。

お疲れでしょう?と急ぎ中へお通しして、冷たいお茶を飲んでいただきました。

娘さんに連絡したところ、ご多忙のようでしたので、私がお送りすることにしました。

 重い認知症でも、私たちぽらんの場所だけはご記憶の中にあるのでしょうか(普段は事業所の車での送迎です)。

本当に愛おしく、ありがたい思いで胸がつまりました。」

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名刺交換会

2024年09月13日 | なごやか

「組合員の皆様におかれましては、ご多用の中ご来臨賜りましたこと、心より感謝申し上げます。

本日は、昨年度に続いての名刺交換会開催ということで、限られた時間ではありますが、皆様がたにとって実り多い交流のひとときになればと考えています。

昨年は新型コロナウイルス感染症が第5類に移行するなど、政府の感染症対策は確実に出口へと向かっていますが、われわれ介護福祉に携わる者にとってはまだまだ気が抜けない毎日が続いています。

一方で、コロナ前とコロナ後では濃淡・強弱こそあれ、すべての場面で社会が変化しており、われわれのサービス提供に関しても、たとえば人員配置や提供体制、あるいは利用状況など、大きく様変わりしています。

思うに、東日本大震災で水面下から顔を出した人口減と働き手不足が、このコロナ禍によってさらに加速され顕著になっている。

この地続きの難問を、これからどのように解決するのか、皆様がたの英知をお借りしながら、少しでも答えに近づけたら、と願っています。今年度も本組合をどうぞよろしくお願いします。」

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ソフトクリーム

2024年08月05日 | なごやか

 

 夏バテだ。

例年通りこの時期はもう、そうめんとざるそば以外食べられなくなっている。

あとはソフトクリーム。

このように猛暑だと溶け出すスピードに負けず急ぎ食べなければならないのがややつらいが。

年代のせいか、ソフトクリームは日世のマスコット人形が立っていると、素通りできない。

驚いたことに、あのマスコットは昭和30年代から存在していたのに、ニックンとセイチャン、5歳でともにアメリカ人、という(公募で)名前とキャラづけされたのは21世紀になってからだそう。なんて悠長な会社だ。

その割に、「ソフトクリーム」というネーミングは創業者が考え、日本中に爆発的に広がり、定着している。

僕はけせもい市亀島にあるウエルカムターミナルで土日のどちらかに食べることにしている。

ただ食いしん坊だからというわけではなく、亀島への観光客の入り込みを、ニックンとセイチャンの隣に置かれたテーブル席からにさりげなく観察するためだ。

なにせ、昨年度事業譲受した亀島ぽらんは、島内最大の事業所なのだそうで、僕はその雇用を守ったということになる。

こう書くと、表彰までは要らないけれど、あえて火中の栗を拾って偉かったね、とソフトクリーム1年分くらいの副賞があってもいいんじゃないかな、と思えてくる。

まあ、それはともかく、島の人口動静や人流に注意を払うことは経営者として必要な姿勢だ。

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令和6年度圏域介護職員合同入職式

2024年07月26日 | なごやか

 みなさん、こんにちは。ただいまご紹介にあずかりました、K市・M町介護人材確保協議会会長の井浦です。

入職おめでとうございます。ようこそ介護福祉の世界へ。

この会は、合同入職式という名目ではありますが、みなさんの入職を祝うのはもちろんのこと、ここにいるすべての方々が、この世界に希望と勇気を持って飛び込んできてくれたみなさんを歓迎するとともに、心からの感謝の念を伝える場だと私は考えています。

本当にありがとう。

私からは、社会人としての第一歩を踏み出したみなさんへのエールとして、特にこの場でお話ししたいことがいくつかあります。

 まず、利用者様・ご家族様の信頼にこたえることが大切です。私たちのサービスを利用いただけるのは、相手の信頼があってこそです。誠実に仕事に励み、利用者様・ご家族様に対してストレスフリーなサービスを提供して行きましょう。

 次に、仲間からの信頼です。組織の中で働く以上、上司、部下、仲間からの信頼を得ることも、同じように大切です。

そのためには、「相手の立場になって考える」ことです。この仕事は、すべて、人との関わり合いの中から産み出されます。自分の考えを理解してもらうために、相手が何を感じ、何を求めているのか、先回りして対応出来るほどに相手を理解する。そのためには、日頃から公私ともに密なコミュニケーションを心掛け、柔軟な思考能力を磨くことが大切ですし、相手を尊重し、常に「相手の立場になって考える」ことが重要です。

 そして最後に、心身共に健康であることが大事です。自分自身の健康に向き合い、学生時代とは違う次元での自己管理を実践してください。

 それぞれの会社はみなさんの成長と成功を全力で支援します。みなさんが、仕事を通じて経験を積み、教養を深め、人格を磨いてこのM県、K市、M町の未来を担う、立派な社会人となることをわれわれは期待してやみません。本日は誠におめでとうございます。

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OG

2024年06月21日 | なごやか

 当て職の肩書の関係で、弘前市で開催される学会へ出席することになった。

半年ほど前にあちらにいる法人職員OGから近況報告のメールをいただいていたのを思い出し、弘前名物と言われるレトロなカフェのどれかへ案内してくれないかと依頼したところ、少し間があってあまり気乗りしないような雰囲気の、それでも承知したとの返信があった。

どうもしくじったかな、と思っていたのだが、その理由は当日明らかになった。

 指定されたお店の入り口までたどり着いたその時、見覚えのある軽自動車が駐車スペースに停まり、当のOGが下りてきた。

それが、右足を引きずっており、マスクを着けた小さな顔の左側がはれ上がっている。

お久しぶりです、こんなありさまですみません、と頭を下げた彼女は大儀そうに店内に入り、席に着いた。

驚きを隠せないでいた僕は思わず尋ねてしまった。

ねえ、きみ、それまさかDVじゃないよね?

メニュー表から顔を上げた彼女はやっと笑顔を見せた。

「相手もいないのに?」

弘前に戻って間もなく感じ始めていた体の違和感が日に日に大きくなり、受診したところ、リューマチの症状によく似た血液の病気と判明したという。

あごは顎関節症が進んでひびが入ったそう。

そういうわけで、こちらで見つけた仕事も辞めざるをえず、両親と子供たちと、ひっそり暮らしています。情けなくて、と彼女は大粒の涙をこぼした。

照る日もあれば曇る日もある、土砂降りの日だって。でも、全体的に晴れの日が多ければオーケーなので、そうなるよう心がけて行こうよ。大丈夫だから。

「理事長の大丈夫だから、を久しぶりにいただきました。何の根拠もないのに、相変わらずほっとします。」

マスクの上のまなざしがいくぶん和らいだ。

ちょっと顔を直してきます。

ゆっくり慎重に立ちあがると彼女は化粧室へ消えて行った。

僕は財布に入っていた札を全部取り出し、二つ折りにして手早くイスの上の彼女のバッグへ深く押し込んだ。化粧ポーチを戻しても気づかれないように。

カウンターの中の店員と目が合ってしまったので、照れ隠しに言った。

「こちらの支払いはカード使えますよね?」

「もちろんです。」

 店のドアを開け、車のドアを開けてOGを帰路につかせた僕は大きく背伸びした。

旅費も尽きたし、さあ、けせもい市に帰るか、学会なんぞサボって。

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