ミューズの声聞こゆ

なごみと素敵を探して
In search of lovable

このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。

大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。 また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。

替え玉

2023年11月27日 | 日記

「あまり大きな声では言えないけれど、僕は食べっぷりの良い女性に惹かれてきた。自分自身は体の割に小食なのにね。

目の前にいる僕に遠慮もよけいな気づかいもせず、大きくあいた口に次々美味しいものを運ばれると、気を許してくれているのかな、と思ってしまう。まあ、透明人間扱いなのだろうけど。

 大学生のころ、女友達に誘われて新しくオープンした博多ラーメンの店に行った。渋る僕に、大丈夫、無理だったら私が二つ食べるから、と彼女は言った。

席について注文すると、まもなくどんぶりが運ばれてきた。

チャ―シューが食べられないのね、はいはい、私が食べて進ぜます、と箸で持って行く。恥ずかしくて僕は思わずあたりを見回したが、繁盛中の店内では誰も見ていない。

ねえ、井浦くん、私、替え玉って食べてみたいんだよね。

当時の東京には替え玉なんて言葉もなくて、物珍しかったのだ。

もちろん、いいよ、待ってるから。

お椀に入った替え玉はすぐに運ばれてきたのだが、あろうことか、店員さんはてっきり大男の僕が食べるのだろうと、そのままどぼんと僕のどんぶりに入れて去って行ってしまった。

ああ、ゴメン、と言いかけると、彼女は平気平気、と笑いながら、どんぶりをカチンと正面から合わせて箸で替え玉を一気にすくい上げ、何事もなかったかのようにまた食べ出した。

帰り道、僕はほとんど無言だった。どうやら替え玉と一緒にハートまで箸でつまんで持って行かれたようだった。」

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介護職員と高校生とのミーティング

2023年11月24日 | なごやか

「みなさん、こんにちは。

 まずはじめに、本日3年ぶりに『介護職員と高校生による介護ミーティング』を開催することができましたのは、校長先生はじめ、教職員のみなさまのご理解とご支援のたまものだと心より感謝いたします。ありがとうございます。また、生徒のみなさんも、このようにたくさん集まっていただき、本当にありがとう。

 われわれの、けせもい圏域介護人材確保協議会と長い名前の会は、県、けせもい市、南三陸町、ハローワーク、それに福法組の5者で構成されています。私はその最後の福法組という、市内の介護サービス事業者のほとんどが加盟する組合の長を務めている、NPO法人なごやか理事長の井浦と申します。

 さて、そちらにみなさんのお兄さん、お姉さんの年代の若い介護・看護職員さんたちが座っていますが、このあと、少人数のグループに分かれて、この方々が、みなさんの日ごろの疑問や、進路に関する質問について、どんなことでも的確に答えてくれます。ぜひ、この機会を逃さずに、さまざまな質問をぶつけ、将来の設計や判断に役立ててください。

 この、若い介護・看護職員たちは、なにも特別な人間ではありません。お休みになれば、ドライブしたり、音楽を聴いたり、釣りをしたりと、ごく普通の青年たちです。でも、彼らがたった一つだけ違うのは、相手のことを思いやれるひと、ほかのひとのために働けるひと、だということです。そうですよね?(笑)

 みなさんも、今はわからないかもしれないけれど、年齢を重ねる中で、目の前にいる相手、家族、それから大切なひと、職場、会社、だんだんには自分たちが住んでいる街、市、県、そして社会のことを考えることができるようになれば、世の中は今より少しだけ良くなるのではないかと思います。

長くなりましたが、このあともどうぞよろしくお願いします。」

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ブランド

2023年11月20日 | 日記

 

 少し前の朝日新聞に掲載された、デザイナー・川久保玲と彼女が1973年に設立したコムデギャルソンについて、40年超、ブランドを愛用しているという建築家・妹島和世が語った愛あるインタビュー記事はとても面白かった。

長いが引用する。

「コムデギャルソンとの出合いは大学生時代。これまでと全然違うタイプの洋服が出てきた、というのが第一印象でした。卒業後に就職した伊東豊雄建築設計事務所の近くにギャルソンの店舗ができて、メンズだったのですが昼休みに時々気晴らしに行っていました。

 最初に買ったのは26、27歳の頃だと思います。黒い丸首のすとーんとしたワンピースで、今でも持っています。憧れの存在で、昔は1年に1回買えるかどうか。もちろん若いからお給料も少なかったし、すごく大切に丁寧に、どうしても欲しいものを選んでいましたね。今はほとんど毎シーズン買っていると思いますが、その頃よりちょっと真剣さが足りないと時々反省しています。

 2010年にプリツカー賞の受賞が発表された翌朝、事務所に行くと真っ白なバラの小さなつぼみが集まった大きな花束が届いていました。川久保さんが贈ってくださったんです。感激しました。一生で一番きれいなお花だったと今でも思っています。

 その後、授賞式に出席するための服を表参道のお店に探しに行きました。お店の方に相談して、川久保さんからもアドバイスをいただいて、その時にコムデギャルソンから発表されていた黒いドレスを着ることができました。ボリュームのあるギャルソンらしいフォルムの素晴らしいドレスで、とても嬉しかった。」

「川久保さんは半世紀、ファッション界の先頭を突き進んでこられた。今よりもずっと女性が活動することは難しかった時代だった。川久保さんを見て励まされた女性は多いと思う。以前、『いい物は高いという価値観も残って欲しい』と新聞でおっしゃっていました。ファストファッションが台頭してきた頃で、異常に安い値段というのはどこかの工程で誰かが泣いているかもしれない、と。きちっと表明された。

 かつて、駐日イタリア大使に、「あなたは、色々社会に言う機会に恵まれているのだから、言わなきゃダメだ」と言われたことがあります。川久保さんのように年下の世代を勇気づけられる存在でありたいし、建築物として残していきたい。

建築の道に進んで40年以上。私のそばにはいつもコムデギャルソンがあります。」

 物事を成し遂げた高名な女性が好きなブランドについて生き生きと語る。

ブランドのヒストリーとそのひとのライフストーリーがリンクした時、ひとは最強だ。

ファストファッションもいいけれど、こういった高揚感を得ることは決してできない。

 僕も、進学で上京する1年前に日本上陸したブルックス・ブラザーズの青山本店の前を、ウキウキした気分で歩いたものだ。初めて購入したのは、妹島女史と同じように、就職してサラリーをいただくようになってから。

それから長い長い年月が流れて、気がつくと毎日なにかしらのアイテムを身に着けている。

スーツ、コート、ネクタイ、ポケットチーフ、シャツ、ポロシャツ、、かえって、一色にならないよう気をつけているくらいで、買い続けること、丁寧に着ることの結末って、こういうことなのだな、と思う。

「オレは『ブルックス・ブラザーズのシャツを着た男』(メアリー・マッカーシーの短編小説のタイトル)だからさ」と堂々と妄言を吐けることも。

 

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活動車

2023年11月17日 | 珠玉

 また新しい活動車がぽらんにやってきました。

すでに潮風薫る亀島内を疾走中です。

 

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「I Got my Mojo Workin'」

2023年11月13日 | ブルース

 1960年、ニューポート・ジャズ・フェスティバルのステージに登場したマディ・ウォーターズは「アイ・ガット・マイ・モジョ・ワーキン」、「フーチー・クーチー・マン」など、大音響に猥雑でユーモラスな歌詞を載せたエレクトリック・ブルースを披露して、観客の白人インテリたちの度肝を抜いた。

 

 

I Got my Mojo Workin'

 

オレのモジョが効いてきた

でもお前にだけは効かない

オレのモジョが効いてきた

でもお前にだけは効かない

お前をひどく愛したくて

でもどうすればいいかわからないんだ

 

オレはルイジアナに行って

モジョを手に入れてきた

オレはルイジアナに行って

モジョを手に入れてきた

何マイルも向こうから

女たちが寄ってくるぞ

 

モジョが効いてきた

モジョが効いてきた

モジョが効いてきた

モジョが効いてきた

オレのモジョが効いてきた

でもお前にだけは効かないんだ

 

ジプシー女が

オレに火をくれた

ジプシー女が

オレに火をくれた

オレはそいつ全部を

氷で冷やして持ってきた

 

モジョが効いてきた

モジョが効いてきた

モジョが効いてきた

モジョが効いてきた

オレのモジョが効いてきた

でもお前にだけは効かないんだ 

 

 「アイ・ガット・マイ・モジョ・ワーキン」はマディの代表曲となり、数えきれないほどのカバーが生まれたが、僕のお気に入りは、ザ・ディスカバリーズというイギリス、ダービシャーの若いロカビリーバンドのものだ。ウッドベースとギターは姉弟だそうで、他にも面白いカバーをたくさん歌っている。

 

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