ミューズの声聞こゆ

なごみと素敵を探して
In search of lovable

このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。

大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。 また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。

2015年08月31日 | なごみ

 私の胸には穴が開いていて、どれだけ愛情をもらっても、寂しくて仕方ないのよ。

そう繰り返し話す友達がいた。

その時は正直言ってよくわからず、複雑な生い立ちのせいなのかな、と思っていた。

 なごみの復旧復興も、形だけはまもなく終わる。

落ち着いたら、後回しにしてきた、自分の体に開いた穴を埋める努力を少しずつして行こう。

そうすれば、この頭痛も、めまいも、悪寒も耳鳴りも、いつか治まってくれるだろうか。

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素敵なツインズ

2015年08月20日 | なごみ

  ショッピングモールのベンチに座っていたところ、向こうからO主任が歩いてきた。
 何となくホームでの雰囲気と違うけれど、やはり女性は仕事とプライベートは別だからな、と思っていたら、そのまま通り過ぎて行った。
 よく似た別人だったのだろうか、と首をかしげていると、その少しあとからもう一人、O主任が現れた。
 当惑した表情に気づいたのか、そしてこういった状況がいつものことで慣れているのか、すみません、妹なんです、と前置きなしで照れくさそうに話してくれた。
 
  学生の頃、お茶の水を歩いていると、新聞社の小旗を手渡された。
 もう少しでマラソン大会の先頭集団が通るので、応援してください、と。
 間もなく白バイに先導され、テレビの中継車を後ろに従えて、トップランナーがやってきた。
 お、日本人選手だ、頑張れ、頑張れ、と声を掛け、さあ、次は?と眺めていたら、今通り過ぎたばかりの選手とそっくりなランナーが走ってきた。
 宗兄弟だった。

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つむじ風②

2015年08月10日 | 日記

 下北沢から三軒茶屋へと通じる一本道の茶沢通りを、A、B、Cの三人はぶらぶらと歩いていた。

深夜、さすがにもう人通りも絶えて、両側の住宅街は静まり返っていた。

大学生のAとBは終電がなくなったので、Cのアパートに泊めてもらうことになっていた。

そんなことが、これまでも何度かあった。

家に着くと少しだけ音楽の話をして、AとBは居間で、女あるじのCは別室で、それぞれ寝た。

 翌朝、簡単な朝食をごちそうになった後、Aはどうしても出席しなくちゃいけない講義があるので、と早々に退出した。

M大生のBは、オレはまだいいや、とじゅうたんの上にごろりと横になった。

 それからしばらくして、Aがあるコンサート会場へ行くと、BとCが来ていた。

それもよくあることで、その逆もあったのだが、その日は明らかに様子が違った。

Bの目の中には得意の色が動いていた。

AはCの顔を見ることができなかった。

 あの朝のことを、とAは言う。

何年も繰り返し考えた。

でも、ある時気がついたんだ。

自分が逆の立場だったとしても、いつも通りだったろうなって。

長い間、それが分からなくてひどく苦しんだけれど。

 

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