ミューズの声聞こゆ

なごみと素敵を探して
In search of lovable

このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。

大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。 また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。

「インテリア」

2019年11月30日 | 日記

この3人

 1978年の公開当時、評論家たちがベルイマンの影響を指摘してややこしくしたために今なお敬遠されがちな作品だが、僕はとても好きだ。
なかでも興味深いのは、配役の妙。
E・G・マーシャル(父親役)をはさんだ二人の女性がほとんど同等のキャリアを持った大女優で、しかも日本ではほとんど語られることがない点も同じであること。
 また二人の婿殿も魅力的。
特に、リチャード・ジョーダン(長女の夫役)は何かを持っていそうで何も持っていない俳優。まさに適役である。

(次女の夫役はサム・ウォーターストン、「華麗なるギャツビー」でニック・キャラウエイを演じた俳優だ。)

 

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フェルトペン

2019年11月29日 | なごやか

 私が管理者を務めるやまねこデイサービスは地域密着型サービス事業所でもあるので、年二回、運営推進会議の開催が義務付けられている。

第二回目の今日はNPO法人なごやか理事長も出席して、いつも通りの穏やかなムードで会議が進んでいたのだが、途中から理事長の様子が少しおかしくなった。

気もそぞろというか、なにかほかに気になることがある様子だった。

私が会議を短時間で打ち切り、失礼のない程度に急ぎ委員のみなさんをお帰しすると、さっそく理事長はフェルトペンはないか、と尋ねた。

それを受け取るや、理事長は壁に掛けた大判のコルクボードに掲示された、行事の様子を撮った写真にペン先を置いた。

「ちょっとこれね、まずいよね、、地肌が見えていて、、。」

先月の芋煮会で理事長が利用者様がたと一緒にサンマを食べている場面だったが、確かに身をほぐすことに集中してうつむき加減になっているため、はからずも頭頂が強調された構図になってしまっている。

顔を赤らめてぬりえ作業を続ける理事長を見て見ぬふりしながら、私は近年、物分かりがよくなり過ぎて仙人のようだと感じていた彼にもまだそういう部分があったのかと、少しほっとしていた。

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手帳

2019年11月28日 | 日記

 仕事上でお世話になっているTさんが、自分の部下は100円ショップで購入した手帳をいつも机の上に置きっぱなしにしている、と嘆いている。

100円のものでは無理もないですねえ、と僕。

「バブルの頃のように、むやみに高いものを持てとは言いませんが、Tさんの会社はいいお客様も多いでしょうから、そういった方々に軽く見られないためにも、それなりのものを身に着けることは必要ですよね。顧客との話のタネもなりますから。例えば、この写真。なにかと話題のハリー・ハリス駐韓アメリカ大使が今年の10月29日にカン・ギョンファ外交部長官のもとを訪ねた時のものだそうですが、手に持っているのは黒のモレスキンのハードカバーです。いつも素敵なスーツを着ているハリス大使は日系人初の海軍大将で、横須賀生まれ。日本人の母親から義務と義理を教えられた、と会見で語っています。」

 

 

昨年4月、約3年間の太平洋軍司令官としての功績により旭日大綬章を受章している。宮城県気仙沼市出身の小野寺五典防衛大臣(当時)が勲章を伝達した。

 

 

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のし袋

2019年11月27日 | 珠玉

 このエピソードの真偽については、私がNPO法人なごやかに入職する前のものなので判らないが、何人かの職員から畏怖の表情とともに聞かされていた。

勤続年数の長かった職員の披露宴になごやか理事長が招かれた時のこと、新婦側の受付の前に立った彼はモーニングの胸元からB5判はあろうかという特大サイズののし袋を引っ張り出し、あっけにとられている係を尻目に涼しい顔で記帳を終えた。

同行した事務長も脇にいて驚き、その意図を尋ねた。

「披露宴ともなれば、もう月並みな声掛けしかできないけれど、そんな状況で、心からの感謝の気持ちを伝えるすべはないものかと考えた末に、あののし袋に行き着いた。別にふざけているわけじゃないよ。相手もきっとわかってくれるだろう。」

ところが、この心入れにはさらに続きがあった。

披露宴のあとしばらくして、当の新婦がお礼にと理事長を訪ねた際、彼女は理事長のご祝儀と同額を入れたのし袋を差し出し、お世話になった法人への寄付を申し出たのだそう。

初めてこのエピソードを聞いた時、私は背中から首筋にかけて鳥肌が立った。

この二人の心入れとは、まるで剣豪同士が真剣で切り結ぶ勝負のようなものではないか。

 先日、私は思い切って理事長に事の真偽を尋ねてみた。

「そうだったかなあ。」

理事長ははぐらかしたが、その目の中には負け試合の清々しさと喜びの色が、確かに浮かんでいた。

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「カメレオンマン」

2019年11月26日 | 日記

 1920年代のアメリカ。ユダヤ人のゼリグ(ウディ・アレン)は周りの環境に順応して身体つきも精神も変えてしまう、カメレオンのような超能力の持ち主だった。彼はさまざまな有名人と一緒にいるところを目撃される。ルー・ゲーリック、ベーブ・ルース、クーリッジとフーバー両大統頃、スコット・フィッツジェラルド、新聞王のハースト、ユージン・オニール、さらにはローマ法王、ヒトラー。彼の調査と治療にあたったユードラ・フレッチャー医師(ミア・ファーロー)と、ゼリグは恋に落ちるのだが-。

 「カメレオンマン」(1983年)は古い白黒の記録映像を素材とした、偽のドキュメンタリー映画。着想のヒントは、「市民ケーン」冒頭の偽ニュース(ドキュメンタリー)フィルムだろう。

大マジメなトーンの中で、小ネタのギャグを連発してくる、当時のウッディ・アレンらしい作品だ。実在の映像に合成で主人公が紛れ込むという手法は、のちに「フォレスト・ガンプ」で使われている。

また先日放送されたNHKスペシャル「東京ブラックホール」シリーズも同様である。

劇中、クーリッジ(左)とフーバー(右)の両大統領に挟まれて(合成)

 

NHKスペシャル「東京ブラックホール」より

 

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