今年度はいつになくたくさんの新卒職員が入職している。
そこに中途採用の職員、さらには産休が明けて戻ってきた職員たちが加わって、どの事業所も一様に賑やかな春を迎えている。
会社を経営していて嬉しいのは、産休の職員が退職することなく、普通に戻ってきてくれることだ。
それから、お預かりしている若い職員たちの、人生の節目にはからずも立ち会うこと。
数年前、こんなことがあった。
成人を迎えた職員へは赤のし袋を手渡すことにしているのだが、ある職員へそれを差し出したところ、私は成人式には出ないので、と後ずさりされた。
僕は言った、式に出なくたって、成人だもの、めでたいことじゃない。かく言う理事長(僕)もね、成人式には出なかった。スーツも買わなかった。きみの気持ちはわかる。30歳になった時、よくなっていればいいさ、この会社にいてね。
彼女はにっこり笑った。
言ったからにはそれを叶える責任が僕にはある。
ちょっと楽しい責任だが。
日産車をまとめてリースしている関係で定期的に来訪する営業マンを、シーマも絶版ということで、いよいよ僕が乗りたい日産車はなくなったねえ、と皮肉っていると、彼は頭をかきながら、5月にこんな車が出るんです、とカバンから一枚の紙を取り出した。
「弊社初の軽自動車のEV車です。」
あー、僕はもうこの年だからガソリン車で逃げ切るよ。静電気ですら嫌なのに(笑)
「名前がサクラと言います。」
へええ!
急に大きな声を出されて驚きながらも、彼は説明を続けた。
「先日実車を見たのですが、和風でいいカンジでした。
トレイを引き出すと底に桜の模様が入っていたりして。」
いいね!じゃあ、その車、二年後にきみに予約しておくよ(息子の車は彼から買い求めている)。
今大学生の娘は名前に桜の字が入っていてね、僕が命名したんだけど、そんな関係で、彼女には桜の模様がついた品物を見つけたら、できるだけ購入するようにって常々言ってある。でもまさか車とは。驚いたなあ。ゴーン会長がいなくなったからこそ、実現したネーミングだね。
お気に入りの桜並木がある。
本市から北へ50キロ以上行ったところなのだが、同じころに咲き始め、気のせいか見頃が短く、あっという間に散ってしまう。
去年行った時はすでにすっかり散っており、昨日はもはや葉桜だった。
新年度になって各種実績報告や決算にかかる事務処理が重なる時期だけに、タイミングを合わせるのは本当に難しい。
もうだいぶ前だが、仕事が終わったあと気が向いて、そこから少し奥に入った日帰り温泉へ行った帰りのこと、ライトアップされていたその桜並木は、まるで純白の綿菓子か泡雪でできた巨大なアーチのようだった。
大きな古木が道の両側に並ぶ中、新しい苗木もぽつりぽつりと植えられている。
地域の名所を保存する動きがあるのだろう、とても大切なことだ。
1980年、竹内まりやに提供した「不思議なピーチパイ」が大ヒットしていた加藤和彦が次に手掛けたのが、女優岡崎友紀の企画アルバム「ドゥ・ユー・リメンバー・ミー」だった。
正確に言うと加藤が担当したのはそのA面で、スマッシュヒットしたタイトル曲などのオリジナルへ、前年にオリビア・ハッセーに提供した曲や「アイドルを探せ」(シルビー・バルタン)、「アズ・ティアーズ・ゴー・バイ」(マリアンヌ・フェイスフル)のカバーでかさ増し?している。もちろん、やっつけ仕事ではなく、楽曲もアレンジもトノバンらしい、洒落て洗練されたものばかりで、もっと多くのひとに聴いてもらいたいものだと時々思う。
1989年に桐島かれんをボーカルに迎えて期間限定で再結成したサディステック・ミカ・バンドはおもにかれんの歌唱力で賛否両論あったけれど、こちらも企画としては非常に優れていたと今でも考えている。
桐島かれん、サイコーに自由
新年度が始まったと思ったら、あっという間に4月も中旬で、今年の3分の1が過ぎようとしている。
残り8か月で何をするか、目標を持たないと、すぐにお盆、年末がやってくる、いやホントに。
まずは、昨年度取り組んだ補助金によるグループホーム等への家族面会室設置と、一昨年度に行なった簡易陰圧装置と非常用自家発電設備の導入を、未実施の事業所へ推し進める。すでに事前のエントリーは昨年度末に済ませている。
また昨年度は、ここ数年来、国が推奨してきた介護サービス事業所のICT化について、当法人の各事業所でも介護記録アプリを本格的に導入し、大幅なペーパーレス化を実現した。こちらについても、今年度は未実施のデイサービス事業所等で取り組むつもりだ。
それから、引き続いてのブランディング。
選ばれる企業となるためにブランド力を向上させることは、この介護・福祉の業種でも必要だ。ただしそれが上滑りしないよう、刷新したホームページには若い人たちが少しでも興味を持てるような実のあるコンテンツを盛り込んで行きたい。
個人的に興味があるアップサイクリングは、なかなか実現できていない。
それどころか、昨年度後半は上に記した以外にも、とにかく多くの補助金にかかる工事をおこなったのだが、その中で大量のごみを排出してしまった。これは大きな反省点だ。
もう一つは、己の持つフォースを磨き、高めたい。そのためには、常に割り箸をきれいに割り、茶わんやコップを音を立てずにテーブルに置いて、足るを知り、謙虚に、丁寧に生きなければと考えている。