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黛信彦の時事ブログ

5大紙社説に見る 党首討論第2R、理念VS各論

2009年06月18日 | 政治・政局
17日、麻生首相と民主党の鳩山代表が、2度目の党首討論に臨んだ。
5大紙は、揃って社説で評論した。

また、特集記事を組んだが、
毎日が鳩山圧勝と伝えた。
朝日は解散を主張したが、日経は「両党ともマニフェストができていない」ことを批判した。
読売はタイトルを「理念VS各論」とし、鳩山氏の空論は「算数ができない証明だ」とも取れる論説になった。
産経は、対北朝鮮を主眼とした安全保障面での合意に賛意を送った。

以下、18日付社説から抜粋。
■朝日新聞(社説)麻生VS.鳩山―論戦の場を早く総選挙へ
論戦がかみ合ってきたテーマもあった。
首相の消費増税方針に対しては「それでは選挙が戦えない」という反発が与党内にある。本当に選挙公約に掲げられるのか、疑問が残る。

一方で、節約だけで10兆円もの財源を生み出せるという鳩山氏の主張に、どれだけの人が説得力を感じるだろう。
本格的な討論の続きは選挙戦で。そして一日も早く、有権者の判断で決着をつけることだ。

■産経新聞【主張】党首討論 船舶検査合意の具体化を
北朝鮮に出入りする船舶の貨物検査(臨検)を行う特別措置法を、今国会で成立させることが必要だとの点で基本合意した。
国益に直結する外交・安全保障政策が具体的に取り上げられ、二大政党のトップが新法制定の必要性を確認したことは評価できるだろう。

鳩山氏は、社会保障費の伸びを毎年2200億円抑制してきた政府の方針が、医師不足などの問題を招いたと指摘した。これに対し首相は、社会保障の安定財源として消費税引き上げを含む抜本的な税制改革が必要だと反論し、消費税論議を封印しようとする民主党の姿勢を批判した。
鳩山氏は無駄遣いをなくすことが先決だとして「4年間、消費税増税の話はしない」と明言した。社会保障の将来像について、安定財源の議論抜きで語るのは責任ある姿勢とはいえない。
増税論議を回避したとしても、有権者に真の安心を与えることにはつながるまい
新法制定と同様に、党派を超えた論議に向き合ってはどうか。

■日本経済新聞(社説)党首討論で論点掘り下げよ
鳩山氏は「政権を獲得した時には西川社長には辞めてもらうしかない」と言い切った。
ただ社長退任を迫る理由は「かんぽの宿」の売却を巡り「不祥事に極めて近い状況だ」とするだけで、説得力を欠いた。首相は「民営化された会社に対する政府の介入は最小限にとどめるのが当然だ」と反論し、双方とも郵政民営化に関する基本論争には踏み込まなかった。

相手が嫌がるテーマを追及するのはディベートの基本だとしても、自らの政策があいまいなままでは論争は深まらない。両党ともマニフェスト(政権公約)作りは遅れており、政権交代の可能性をはらむ衆院選に向け、有権者に十分な判断材料が提供されているとは言い難い。

前進があったとすれば、2回目の核実験を強行した北朝鮮への制裁に関するやり取りだ。

■毎日新聞(社説)党首討論 「対決前夜」の気迫を欠く
争点が浮かんだ点は前進だが、物足りない。どこか拍子抜けする討論だった。

鳩山代表は討論で、北朝鮮に対する国連制裁決議を受け政府が検討する特別措置法案について、早期に党として結論を出す考えを示した。ならば同時に、法案処理後に民意を問う決意と覚悟があるかを首相にただし、衆院解散を迫るべきだった。

一方で首相は民主党の政策をあげつらうだけでなく、自らの政権の優位性を有権者に訴える意識が不十分だ。小沢一郎前代表の過去の発言を批判し続けるだけでは限界がある。対決前夜にふさわしい真剣勝負の討論を次回、双方に期待する。

■読売新聞(社説)党首討論 首相の「郵政」弁明は苦しい
西川社長の再任問題では、鳩山代表が首相の一連の対応について「判断ができない。ぶれる。間違える」と酷評した。
「判断ができない」は、かんぽの宿の売却問題など不祥事が続発しても事態を放置したこと、「ぶれる」は、首相が社長交代を前提に後継候補のリストを鳩山前総務相に渡していたことを指すのだろう。「間違える」は、前総務相だけを更迭したことだ。
鳩山代表は、「民主党が政権を取れば社長を交代させる」と断言し、首相に社長更迭を迫った。
これに対する首相の弁明は、いかにも苦しいものだった。

一方、財源を巡る議論は首相がリードした。
医療の充実を掲げる鳩山代表に「財源の話がなければ無責任だ」と切り返し、「消費税の論議は避けて通れない」と強調した。
鳩山代表は、4年間は消費税は上げないと明言した。その代わりに、予算の無駄遣いを徹底的に排除し、民主党の政策を実現するための20兆円は、一般・特別会計を合わせた210兆円から捻出すると説明したが、説得力のあるものとは言えなかった。
210兆円のうち、国債費など削減が困難な費目は計180兆円に上る。残り30兆円から20兆円を出すとの主張は非現実的、と首相が批判したのは当然だろう。

麻生首相、反転へ機会生かせず=再対決、鳩山氏に主導権-党首討論(時事通信) - goo ニュース

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