■妖艶なエコノミスト・浜矩子が毎日新聞に月一回で連載している『危機の真相』欄、9月17日の寄稿はユーロや通貨を離れ、『ポピュリズムに抗するには』と題した国内問題であった。 以下その抄録である。 次回寄稿は10月21日。
~・~ 「ポピュリスト」という言い方をする時、多くの人々は、そこに「人気取り政治家」とか「大衆迎合主義者」というニュアンスを込めている。 厳密にいえば、本来、この言葉にそのような含意はないようだ。
その上で、「人気取り政治」の意味での「ポピュリズム」という言葉がはやるのか考えてみたい。 思えば、それは、人々すなわちそれこそ大衆が、今の政治状況に何ともいえないうさん臭さを感じているからだろう。
「人気者」と「人気取り屋」とはどう違うか。 人気者はおのずと人々を引き寄せる。 人気取り屋は、甘言で人々を引き寄せる。 大衆がこの両者を厳密に識別している限り、民主主義は安泰だ。 だが、この境界線があいまいになって来ると世の中怖くなっていく。
ポピュリズムとは、すなわち民意に従うことである。 こんな言い方をする人もいる。 厳密な誠意を持ってそういうなら、その通りかも知れない。 だが、民意を一定の方向に誘導したり、扇動しようとしながら、「民意に従う」というのであれば、それはあまり工夫のない詭弁に過ぎない。
「大衆迎合」という言葉も、どうもひっかかる。 この言い方は、基本的に大衆を下等視している。
得体の知れないポピュリストたちが跋扈するようになればなるほど、我々は知的覚醒度の高い大衆でなければならない。 それがグローバル時代を生きる市民達の姿ではないかと思う。
与野党双方、党首の座を巡って不毛な争いをしている場合か。 人気取り屋に人気を奪われてどうする。 ~・~
■さて、浜矩子が言う「人気取り屋」の新党、直近では苦しんでいるようだ。 20日発行の日刊ゲンダイには次のようにある。
●第一に世論調査の支持率が低い。
・政党支持率
朝日:民主(16%)自民(15%)維新(3%)
読売:民主(15%)自民(21%)維新(2%)
・次期衆院選比例投票先
朝日:民主(15%)自民(23%)維新(5%)
読売:民主(14%)自民(31%)維新(16%)
●ブレーンが集団離反
維新の政策は、古賀重明(経産省)・原英史(同)・高橋洋一(財務省)の脱藩官僚3氏が知恵袋だが、もともと「みんなの党」のブレーンだったこともあり、3名がみんなの党の19日の勉強会に参加していて、集団離脱すると見られている。
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