
妖艶なエコノミスト・浜矩子は5日、TV朝日・報道ステーションに出演、キャスター・古館伊知郎氏の質問に答えて次のように解説した。
以下は、その浜矩子語録の第一部である。(A~は古館伊知郎、Q~は浜矩子)
●通常、事故で犬を死亡させた場合に補償は最高でも20万円だという。
しかし、5年前に盲導犬がトラックにはねられて死んだ事故で、犬を訓練した団体が訓練費用などの支払いを求めていた裁判で、名古屋地方裁判所が運転手や運送会社に対して290万円の支払いを命じたことについて、
A~・~ 盲導犬の「命の価値」を認めた判決について、どんなご感想を?
Q~・~ ・・・・・状況ですよね。そういう中で、その流れをせき止めるような判決が出たということはホッとする感じがいたしますね。
(・・・・・部分からの視聴だったので、浜矩子語録から空白を埋めるとすれば「新型デフレは、人々が安物買いをする、それに対応しようとする企業たちは人の値段つまり「給料を買い叩く」、という格好で、ここにひとつの悪循環が生まれるわけです。モノが安いから人の値段を安くしなければならない。人の値段が安いから高いもモノは買えない、というので、モノと人の値段が追いかけっこをしながら、下へ下へと動いて行ってしまう。人の値段が買いたたかれるような・・・・・」と挿入したい)
●中国では、8%成長の陰で、上海を中心に不動産バブルが問題となっている。全人代でも温家宝首相が懸念を表明した。
A~・~ 日本経済を考えるとき、この現況はどうでしょう?
Q~・~ 相当危ないですよね。中国は成長の一輪車操業みたいな感じですよね。
自転車操業という言い方がありますけれども、中国の場合は成長しか頼るものはない。
普通、経済は成長と競争と分配という3つの要素が正三角形のように組み合わさるのが理想ですが、中国の場合には競争と分配が全然うまくいってなくて、成長だけに頼っています。だから、成長の一輪車と言うのですが、その一輪車を必死で回して行かないと倒れてしまう。他に支えるものがないわけですから。
しかもそれを必死でやらないと倒れてしまうのですが、それをやり過ぎるとバブルになってしまう。
成長という一輪車に乗って、なおかつ綱渡りをしているような姿ですね。
そして、この綱から落ちるとバブルの崩壊、第二のドバイ、巨大なドバイになる可能性があるわけです。
そういう中国に日本は、かなりの程度おんぶに抱っこの状況なわけですよ。
一輪車に乗って綱渡りしている人に抱かれている日本ですから、こんな怖い状況ってないじゃないですか。
ですから、相当冷静に、きちんと中国経済の先行きを見て行かないといけないですよね。
A~・~ 冷静に中国を見る手立ては?
Q~・~ そこが難しいのですが、今の日本の中国を見る目というのは、政治も経営も、憧れと恐怖のいずれかでしか見られない状態ですね。
「目に星」みたいな感じで見ているか、「怖くて、怖くてたまらない」。
憧れか恐怖か、或いは憧れと恐怖がない混ぜになった心理状態は一番冷静さを欠く心理状態じゃないですか。
ですから、そういうかたちではない、本当に落ち着いて見る。憧れと恐怖の間にある黄金点から中国を見る。
これはもう、心掛けるしかないですね。
「憧れもだめ、恐怖もダメ」と自らに言い聞かせながら綱渡りを見ることが求められると思います。
A~・~ 国も企業も?
Q~・~ まったく同じだと思います。
両方とも、中国ということになると、何故か冷静さを失う部分がものすごくあると思います。
ですから、危なっかしい綱渡りを見ていて「どっちの方に落ちそうかな」と、ある意味では「落ちるに決まっている」という発想で見ていて、「どの辺で落ちるか?どっち側に落ちるか?」と、色んなシナリオを書いておいて、それに従って上手に逃げる、逃げ方を身につけておくことではないでしょうか。
A~・~ 急激な成長をしていると必ずはじけると?
Q~・~ そうです。特に、急激に加えて、まともに働いている競争機能、まともに人に富が分配されていくという三本の足があれば、三脚も足が三本なければ倒れてしまう様に、あとの二本の支えがないところが中国の怖いところで、彼らもそれらを充分わかっていて、二本の足を強化することをそれなりに努力しているのだと思いますが、とても間に合う状況ではない。
一本足経済の中国をどう突き放して見て行くか、という事ですね。
(続きは、次編『土星は私のもの』)
浜矩子語録目次Ⅲへ
以下は、その浜矩子語録の第一部である。(A~は古館伊知郎、Q~は浜矩子)
●通常、事故で犬を死亡させた場合に補償は最高でも20万円だという。
しかし、5年前に盲導犬がトラックにはねられて死んだ事故で、犬を訓練した団体が訓練費用などの支払いを求めていた裁判で、名古屋地方裁判所が運転手や運送会社に対して290万円の支払いを命じたことについて、
A~・~ 盲導犬の「命の価値」を認めた判決について、どんなご感想を?
Q~・~ ・・・・・状況ですよね。そういう中で、その流れをせき止めるような判決が出たということはホッとする感じがいたしますね。
(・・・・・部分からの視聴だったので、浜矩子語録から空白を埋めるとすれば「新型デフレは、人々が安物買いをする、それに対応しようとする企業たちは人の値段つまり「給料を買い叩く」、という格好で、ここにひとつの悪循環が生まれるわけです。モノが安いから人の値段を安くしなければならない。人の値段が安いから高いもモノは買えない、というので、モノと人の値段が追いかけっこをしながら、下へ下へと動いて行ってしまう。人の値段が買いたたかれるような・・・・・」と挿入したい)
●中国では、8%成長の陰で、上海を中心に不動産バブルが問題となっている。全人代でも温家宝首相が懸念を表明した。
A~・~ 日本経済を考えるとき、この現況はどうでしょう?
Q~・~ 相当危ないですよね。中国は成長の一輪車操業みたいな感じですよね。
自転車操業という言い方がありますけれども、中国の場合は成長しか頼るものはない。
普通、経済は成長と競争と分配という3つの要素が正三角形のように組み合わさるのが理想ですが、中国の場合には競争と分配が全然うまくいってなくて、成長だけに頼っています。だから、成長の一輪車と言うのですが、その一輪車を必死で回して行かないと倒れてしまう。他に支えるものがないわけですから。
しかもそれを必死でやらないと倒れてしまうのですが、それをやり過ぎるとバブルになってしまう。
成長という一輪車に乗って、なおかつ綱渡りをしているような姿ですね。
そして、この綱から落ちるとバブルの崩壊、第二のドバイ、巨大なドバイになる可能性があるわけです。
そういう中国に日本は、かなりの程度おんぶに抱っこの状況なわけですよ。
一輪車に乗って綱渡りしている人に抱かれている日本ですから、こんな怖い状況ってないじゃないですか。
ですから、相当冷静に、きちんと中国経済の先行きを見て行かないといけないですよね。
A~・~ 冷静に中国を見る手立ては?
Q~・~ そこが難しいのですが、今の日本の中国を見る目というのは、政治も経営も、憧れと恐怖のいずれかでしか見られない状態ですね。
「目に星」みたいな感じで見ているか、「怖くて、怖くてたまらない」。
憧れか恐怖か、或いは憧れと恐怖がない混ぜになった心理状態は一番冷静さを欠く心理状態じゃないですか。
ですから、そういうかたちではない、本当に落ち着いて見る。憧れと恐怖の間にある黄金点から中国を見る。
これはもう、心掛けるしかないですね。
「憧れもだめ、恐怖もダメ」と自らに言い聞かせながら綱渡りを見ることが求められると思います。
A~・~ 国も企業も?
Q~・~ まったく同じだと思います。
両方とも、中国ということになると、何故か冷静さを失う部分がものすごくあると思います。
ですから、危なっかしい綱渡りを見ていて「どっちの方に落ちそうかな」と、ある意味では「落ちるに決まっている」という発想で見ていて、「どの辺で落ちるか?どっち側に落ちるか?」と、色んなシナリオを書いておいて、それに従って上手に逃げる、逃げ方を身につけておくことではないでしょうか。
A~・~ 急激な成長をしていると必ずはじけると?
Q~・~ そうです。特に、急激に加えて、まともに働いている競争機能、まともに人に富が分配されていくという三本の足があれば、三脚も足が三本なければ倒れてしまう様に、あとの二本の支えがないところが中国の怖いところで、彼らもそれらを充分わかっていて、二本の足を強化することをそれなりに努力しているのだと思いますが、とても間に合う状況ではない。
一本足経済の中国をどう突き放して見て行くか、という事ですね。
(続きは、次編『土星は私のもの』)
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