妖艶なエコノミスト・浜矩子は前総務大臣・片山善博と共に、23日放送のTBS・時事放談に招かれた。 司会は御厨貴、TBSアナ・岡村仁美がアシスタント。 以下は番組の浜矩子語録だが、片山氏の話も興味深かったので抄録を記録させていただいたため二部構成にし、本編はその前篇である。
■深酒の秋
(御厨) 浜さんは、どんな秋でしょう?
(浜) 私自身は、やっぱり深酒の秋! (昨年9月27日出演では「飲酒運動の秋」、と)
(御厨)あっ、やっぱり
(浜)政治家の皆さんはボロボロの秋ということではないでしょうか?
■秋の味覚、松茸づくし・・
(岡村) 昨日は秋分の日、そこで今朝は秋の味覚の王様「松茸」をご用意いたしました。 スタジオ中に焼き松茸と土瓶蒸しの良い香りが漂っていますが。 浜さんは、松茸はお好きですか?
(浜) はぁい!! 深酒に、超 相性抜群で!
■尖閣問題で中国の反日デモ
(御厨) デモがあっという間に拡がりました。 どうご覧に?
(浜) あっと言う間にという言葉があまりにも相応し過ぎることが情けないです。 日本と中国と、我々はグローバル時代を共有しながら生きている訳ですが、そういう時代を感じさせない。 それこそ、50年前に戻ってしまった雰囲気が醸し出されていることに危機感を感じますし、然るべき危機管理を持つべきです。
(片山) 「東京都が買って石原さんが色んなことをするよりは、国が買った方が、日中の間は今までの状態をずっと続けられます」と(中国に)説明しているのだと思いますが、中国は理解できない。 中国にとって自治体は政府の出先機関であって、一般国民は勿論、高官でも理解できる人は少ない。 (習近平・次期国家主席予定者が)「茶番」と言ったのも、そういう認識の違いから出てきたものだと思います。
(御厨) しかも、このデモは政府の禁止令で一気に収まった、どうしてでしょう?
(浜) 本当には収まっていない、ということで、政府の方針が変わればまた一気に表面化するということかも知れません。 片山さんがおっしゃるような認識の乖離、そのギャップを埋めることが外交の役割であって、日本側も中国がそう考えているということが分かっていたはずで、あまりにも(日本政府は)言語能力が不足しているというか、人を説得して納得してもらう気概・気構え・粘りがない中で、一足飛びでこういう状態になってしまうことが非常に心配です。
(片山) 民主党の悪い面が出ている。 とりあえず決めて後は「ご説明する」と、消費税もそうでした。 再稼働もそうでした。
(御厨) 国際情勢に強い浜さん、中国は何でここまでこだわるのか?
(浜) 中国に限らず、こういうところでこだわりを示さない事はあり得ないのです。どういうこだわり方をするか、そのこだわり方で何をアピールするのか。 大量に来ている訳ではないけれども迫って来ています。 (公船、漁船の)数にもメッセージがあるかも知れません。 聞いて理解する、見てシグナルを理解する、それが外交の勘所ですね。 人のいうことを正確に理解することは難しいことですが、それが(政府には)出来ていないということがはっきり見えてきました。
(片山) 大変失礼な言い方ですが、それが野田さんの弱点で、色んな意見を糾合して、まあまあ皆が納得できるという政治の要諦のところがヘタで、「決めました!」、そして後は「説明だけします」というやり方の人ですから弊害が出てきます。 政府が尖閣国有化を表明する前に石原さんが「買う」と言って、そのためには上陸して調査をしなければならない、それを「させない」と決めましたが、これは中国ではかなり評価されている訳です。 それであれば、都が買ってそれを国が抑制していくほうが問題解決には良かったんです。
(御厨)中国との経済的影響あるいはこれからの付き合い方で大事なことは?
(浜) 経済の問題を然るべく受け止めるという点では、中国はある意味これから、日本が辿ってきた道をこれから辿って行くことになる。 しかも、日本よりかなり速いペースで子供からいきなり大人になるプロセスです。 これを支え、助言してあげること、このことは日本として大いにできることで、パートナーシップを築き上げるべき時に、こんなことで小競り合っている場合か? というところです。
以下次編。
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