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黛信彦の時事ブログ

5大紙社説にみる、鳩山総務相更迭

2009年06月13日 | 5大紙社説
14日付の5大紙社説は、日本郵政の社長人事問題で鳩山邦夫総務相が辞任したことを解説したが、5紙揃って事実上の更迭を評価しながらも、論説は2極化された。
朝日・毎日は、政局を色濃く書き、産経・日経・読売は、日本郵政の民営化促進と経営の憂慮を書いた。

興味深いのは、朝日新聞社説だ。
朝日新聞は今年1月、6面トップで、「かんぽの宿」売却に関連して次々と疑問が出てきたという記事を掲載した。
しかし、反転して1月18日の社説では「筋通らぬ総務省の横やり」との見出しで、
~・~・~ 理由が不透明で納得できないのは、鳩山(総務相)氏の『待った』のほうではないのか。西川社長が説明は、しごくもっともに思える。明治時代の払い下げならいざしらず、競争入札を経た結果に対し、さしたる根拠も示さず許認可権を振り回すのでは、不当な政治介入だと批判されても抗弁できまい。~・~・~
これだけのことを書いた朝日、今回の社説は「文字数」の割に歯切れが悪い。

■朝日新聞(社説)総務相辞任―剣が峰に立った麻生政権
民営化が始まってまだ1年8カ月。色濃く残る官業体質を改革するには西川社長に頑張ってもらうしかない。首相がそう判断したとすれば理解できる。

国民の願いは、信頼できる、実行力のある首相であり、政権だ。内外を覆う危機の中で、いたずらな政権延命は願い下げにしたい。

■産経新聞【主張】鳩山氏更迭 これで決着とは胸張れぬ
再任する内閣の方針を受け入れない閣僚を更迭したのは当然だが、西川氏も社長再任が固まったとはいえ「かんぽの宿」をめぐる責任が帳消しになったわではない。

麻生首相は、後に軌道修正したものの、国会で「民営化に賛成ではなかった」と答弁した経緯もある。首相には、西川氏続投の理由を含め、民営化の基本認識を改めて明確にするよう求めたい。

重要なのは日本郵政を民間会社として独り立ちさせ、いかにサービス向上につなげるかだ。民営化を成し遂げるためには、政府も経営陣も足場をしっかり固めなければならない。

■日本経済新聞社説(社説)鳩山氏更迭を民営化再加速につなげよ
郵政民営化路線を後退させないために、私たちは西川氏の続投で、首相が早期に事態を収拾するよう求めてきた。もっと早く決断すべきだったが、鳩山氏の罷免も辞さぬ姿勢で収拾に動いた首相の判断は是とする。鳩山氏の更迭を契機に、民営化路線を再加速させる必要がある。

西川氏の使命は業務改革の貫徹だ。官業時代からたまった組織のウミを取り除き、日本郵政を民間企業として真に独り立ちさせなければならない。意思決定の透明度を高め、外部から疑念を持たれないようにすることも不可欠だ。

■毎日新聞(社説)鳩山総務相更迭 政権の迷走は極まった
は05年の郵政選挙は一体何だったのか、今後、民営化をどう進めるのか、自民党全体としてきちんと総括し整理してこなかったツケが回ってきたともいえよう。

今回の件に関しては鳩山氏の主張に分があると考える国民は少なくないだろう。だが、鳩山氏も支持率低迷にあえぐ麻生首相に見切りをつけたのか、テレビカメラの前で持論は唱えるが、内閣や党を説得する努力に欠けていた面は否めない。

■読売新聞(社説)鳩山総務相更迭 日本郵政は体制を一新せよ
(麻生首相は)総務省の業務改善命令に対する回答などをみて、西川社長再任の是非を最終判断する考えを示した。当然だろう。

しかし、不祥事に対する説明不足や経営責任を問う鳩山氏の主張には、肯ける部分が少なくない。鳩山氏の指摘に共感する人は多いのではないか。
総務省は4月に日本郵政に業務改善命令を出した際、16項目にわたる疑問を突きつけている。
だが、日本郵政はこれらの指摘に、いまだ正式な回答や十分な説明をしていない。
今回、事態がここまでこじれたのは、首相が指導力を発揮せず、土壇場まで鳩山氏と西川社長の対立を放置したためだ。首相は、西川社長の責任問題について、自ら明確な判断を示す必要がある。

鳩山総務相更迭 郵政社長は続投 首相、窮余の盟友切り (産経新聞) - goo ニュース

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