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黛信彦の時事ブログ

渡部恒三氏、世襲制限に異論「憲法違反だ」

2009年06月10日 | 政治・政局
8日発表のNHK世論調査(0906)で、国会議員の世襲を制限することについて尋ねたところ、≪賛成=33%、反対=21%、どちら言えず=41%≫という結果だったという。
世論は、賛成が多いものの、微妙な数字だ。
世襲制限の理由よりも、世襲制限の問題点のほうが説得力があると思うのは小欄だけだろうか?

自民党は、次期総選挙での世襲制限を見送った。
対する民主党は、「3親等以内の親族が同じ選挙区から連続立候補することを党規で禁止し、政治団体代表を継承することも禁じる」という。

こんな民主党にあって、先の代表選を期して、小沢派から岡田派への転向を図った渡部恒三最高顧問が世襲制限に異論を唱えた。
9日付読売新聞は次のように伝えた。
~・~・~ 民主党の渡部恒三最高顧問は8日、CS放送「日経CNBC」の番組で、国会議員の「世襲」制限について、「国民であれば、選挙に立候補し、誰に投票するか決める権利がある。『おやじが代議士をやっているから、お前は代議士をやってはいかん』と決めること自体が憲法違反だ」と異論を唱えた。
 さらに、「吉田茂の孫(麻生首相)と鳩山一郎の孫(鳩山民主党代表)が次の首相を争う時に、世襲が良い悪いと議論していることがおかしな話だ」とも批判した。~・~・~

また、同日付産経新聞、【明日へのフォーカス】高畑昭男 安易な世襲規制は疑問だでも、「ダメな世襲議員の肩を持つつもりはないが、最近の世襲規制論議には疑問を感じる点が多い。」として、次のように主張している。
~・~・~
そうした政治の継承を強制的に排除して、資質も能力もわからないような新規参入候補と「同じ」条件を強いる発想は、論理構造がどこかアファーマティブアクション(少数派保護制度)と似ている。人為的な排除や切り捨てによって「公平な競争」に仕立てるのは一見公平なようだが、以前から地元で信頼を積み重ねてきた既存の人々に対しては逆差別につながるのではないか。
 もっと驚いたのは、民主党幹部らの「本当は世襲自体を禁止したいんです」との本音が聞こえることだ。世襲の在り方に改善すべき点は確かに多い。それでも国会議員を選ぶのは有権者である。当落は有権者の判断に委ねるべきで、「世襲はダメ」と初めから立候補の権利すら認めない感覚には、危険な全体主義のにおいすら感じてならない。
 政治の劣化と人材不足が叫ばれている。それならなおさら、世襲も非世襲もすべて包み込んで、すぐれた人材育成システムを考えるのが政治の本道だと思う。~・~・~

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