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黛信彦の時事ブログ

浜矩子語録(40)恐慌の原因は、DE・カップリング

2009年02月19日 | 浜矩子語録
碧南市は、紫色の生花で浜矩子を迎えた↑↑

(危機に立つ世界経済 どうなる日本-02)
以下は2月18日、碧南商工会議所主催の新春経済講演会で、演題『危機に立つ世界経済 どうなる日本』を講演した、妖艶なエコノミスト・浜矩子の語録第二編である。
本編は、医学的エコノミスト・浜矩子を演出している。

~・~・~ (恐慌は「天の恵み」)とはいえ、痛みを伴うわけですから、どういった救済措置を施してゆくか、地球経済津々浦々で為政者たち、政策立案者たちが頭を悩ませていることは当然のことです。
しかしながら、彼らに対しても警告を発するべき面があると思います。

経済活動の自己浄化作用を、余りにも当面の痛みを解消することにこだわるが故に、変な形でとめてしまうことをすると、かえって地球経済の健康は損なわれてゆくということもあるのです。
緊急避難処置的にやむを得ず世界各国で施されている金融機関への公的資金の注入でございますとか融資保証であるとか、商業手形を買い取るとかいろいろなことをやっております。アメリカのビッグスリーに手を差し伸べるとか、これはまさに緊急避難対応としては致し方ないことかも知れません。

しかしながらそれを余りにもずっとやり過ぎる、余りにも徹底して、云わば生命維持装置的なものをいっぱい、あれもこれもという形でグローバル経済に装着してしまうと、かえって地球経済の自己浄化作用を弱める、健康体を取り戻すプロセスを奪われることになりかねません。
今、やむを得ず施されている生命維持対策をいつどういう様に外してゆくか、緊急避難対策の出口対応をきちんとして欲しいものだ、と考えています。
今各国政府は、自分はこれをやった、我々はあれをやったと、言ってみれば生命維持装置の花形競争になっていますが、こういうことだけに集中していていいのか?というところも感じています。

というわけで、恐慌現象というものが、我々を均衡点に向かって、非常に過激に手荒く、均衡点に引っ張り戻そうとしているわけですが、では、なぜ我々は恐慌現象に見舞われているのか?
恐慌をもってしなければ是正できないような歪み、行き過ぎ、膨張のし過ぎがどういうところから出てきたのか?
ここをはっきり見極めておきませんとませんと、これからどうなって行くのか?ということも見えてこない訳ですし、これからどうすべきか?ということも把握することができないのです。

恐慌とは何ぞや?ということを確認した上で、我々は恐慌がなぜ起こらなければならいような状況に立ち入ってしまったか?次はこの辺を考えるところに進んでゆきたいと思います。
最大のキー・ワードは、『DE・カップリング』です

私が申し上げようとしているDE・カップリングは巷で流行ってきた意味のDE・カップリングではないのですが、流行り言葉の意味のDE・カップリングと言う言葉で人々が何を言ってきたかといえば?端的に言えば、
「アメリカがくしゃみをしても地球経済は風邪を引かないよ」即ち「地球経済はアメリカ経済とカップル解消したの」というニュアンスで使われ、結構流行っています。
いみじくも、こういう意味合いのDE・カップリングという言葉を流行らせたのがアメリカの投資銀行たちでした。

要するに「アメリカ経済の調子がおかしくなっても、地球経済のなかには中国がいる、ロシアがいる。こういう新興経済の成長力で地球経済はしっかり支えられているのであるから、アメリカがちょっと調子を崩したからといって皆さん、投資はやめないようにいたしましょう。どんどん資産運用をやってくださいね」というプロモーションのための言葉として、アメリカには投資銀行というものが事実上なくなってしまう、恐慌のプロセスで完全に葬り去られたわけですが、その彼らがまだまだ偉そうにパフォーマンスしていた頃にこのDE・カップリングという言葉を流行らせたわけです。

しかしながら、私が申し上げたいDE・カップリングはそれではございません。~・~・~ 以下、次編

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