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黛信彦の時事ブログ

田母神氏、堂々と退職金手にせよ!

2008年11月28日 | 政治・政局
防衛相は、田母神俊雄元空将への退職金の支払い手続きに入ったが、一方で自主返納を求めているが、愚かなことだ。当然、田母神氏は応じてはいけない。
自主返納を求めるようなら懲戒とすべきだった。
それができないところに、政府、あるいは野党内部にも実存する≪「村山談話」を都合よく引用しているものの、完全なる大戦総括ではない≫という意識が表れているのである。
その意識は、田母神氏国会召致(招致と召致の2通りの記述があるが、この場合には召致が相応しい?)における与野党・メディアの歯切れの悪さに通じている。
田母神氏に7000万円支払いへ=退職金、自主返納には応ぜず-防衛省(時事通信) - goo ニュース

ところで、田母神氏のインタビュー記事(末尾に全文転載)を28日付産経新聞が伝えているが、そのなかで先の国会召致などについて、次のようなやり取りがある。
~・~Q~11月11日の参議院外交防衛委員会で参考人招致されたが
 「国会で私の意見を正々堂々と述べようと思っていました。しかし、民主党の北沢俊美委員長は私が話す前から発言を制限した。だったら何のために私を呼んだのか。私から発言を引き出して政府や防衛相を攻撃する格好だった。言論の自由を掲げる立法府とメディアがそろって異なる意見を封じ込めようとした。立法府とメディアの自殺行為ではなかったでしょうか」
~・~Q~各党の対応をどう見たか
~・~A~「野党は政府を攻撃したいだけで、『日本の国益がどれだけ損なわれようと知ったことはない』といった風でした。国益が党利党略の犠牲になるのはいかがなものでしょうか。民主党の鳩山幹事長は、私や懸賞論文を主催したアパグループの元谷外志雄代表との会食を中座したように言っていますが、まったくのウソですね。鳩山さんと相当の時間、楽しく懇談させていただきました。自民党も『左』に寄ってしまいました。左をなだめようと左に少し寄ると次の出発点はそこになる。これを繰り返していると日本に保守政党がなくなってしまう」

以下は、【田母神前空幕長インタビュー】「自国を悪く言う外国人将校に会ったことはありません」(産経新聞)の全文転載

 ~・~・~先の大戦を日本の侵略とする見方に疑問を示す論文を公表し、更迭された航空自衛隊の田母神俊雄・前幕僚長は27日までに産経新聞のインタビューに応じ、心境を語った。(野口裕之)
 --論文騒動から約1カ月経過したが
 「このような大騒ぎになって解任される事態になるとはまったく予想していませんでした。判断力がなかったといわれればそうかもしれません。しかし、弁明の機会も与えられぬまま『辞表を書け』と言われたときに考えたのです。文民統制だからクビを切られるのは構わないが、辞表を書くのは自分が間違ったことをしたと認めることになると。辞表を書かねば懲戒処分にかけたい、といわれたので『結構です。ぜひやってください』と言いました」
 --懸賞論文を書くきっかけと時期は
 「懸賞論文の存在は知っていましたが、書く気になったのは自衛隊の支援者に薦められたからです。職務に関するものではないので、通知義務はないと理解し、渡米した8月15日より前に書いて送りました。官房長との雑談で投稿を話したのは15日より前でしたが、通知しようとしたのではありません。論文で言いたかったのは、米露英仏などが侵略国家といわれないのに、なぜ日本だけがいわれるのか。よその国が侵略国家でないなら、日本も侵略国家でないということが言いたかったのです」
--論文執筆で「村山談話」は念頭にあったか
 「村山談話に強い違和感を覚えていましたが、在任中は講演でも批判をしたことはありません。論文でも村山談話には触れていません。直接的な批判でなければ、談話と異なる見解を表明しても構わないと思っていました。もし村山談話に沿わない意見を言うことができないならば、言論弾圧の道具といえるのではないでしょうか。談話があるために、自由にものを言えない雰囲気があり、外交文書にも引用されている。日本は自ら手足を縛って、外交をする前に負けている。退官した今は、こんなものはぜひなくしてもらいたいと確信を持って言います。再検討の動きすら政治にないのはおかしなことです」
 --更迭への思いは
 「変なのは『日本は、侵略国家ではない。よその国に比べてよい国だった』と言ったら、『日本は政府見解で悪い国となっている』との理由でクビにされたことです。裏を返せば『日本はろくな国でなかった』と考えている人を、航空幕僚長にせよということではないか。外国の将校は、まず自国を弁護する。自分の国を悪く言う外国人将校に会ったことはありません」
 --航空自衛隊のトップは、どこまで発言が許されると思うか
 「空自トップですからある程度、『表現の自由』に制限があるのはやむを得ないでしょう。しかし、憲法では『思想・信条の自由』が保障されているわけで、政府見解から逸脱することを一切言ってはいけない、というのは民主主義社会ではないと思います」
--11月11日の参議院外交防衛委員会で参考人招致されたが
 「国会で私の意見を正々堂々と述べようと思っていました。しかし、民主党の北沢俊美委員長は私が話す前から発言を制限した。だったら何のために私を呼んだのか。私から発言を引き出して政府や防衛相を攻撃する格好だった。言論の自由を掲げる立法府とメディアがそろって異なる意見を封じ込めようとした。立法府とメディアの自殺行為ではなかったでしょうか」
 --各党の対応をどう見たか
 「野党は政府を攻撃したいだけで、『日本の国益がどれだけ損なわれようと知ったことはない』といった風でした。国益が党利党略の犠牲になるのはいかがなものでしょうか。民主党の鳩山由紀夫幹事長は、私や懸賞論文を主催したアパグループの元谷外志雄代表との会食を中座したように言っていますが、まったくのウソですね。鳩山さんと相当の時間、楽しく懇談させていただきました。自民党も『左』に寄ってしまいました。左をなだめようと左に少し寄ると次の出発点はそこになる。これを繰り返していると日本に保守政党がなくなってしまう」
 --「左」の陣営を勢いづかせたとの批判もある 
 「55年体制の時代から、左をなだめるために発言を控え、ちょっと彼らの言い分を飲む、というやりかたでやってきたが、日本は良い方向にはきてない。私の論文が左を勢いづかせたという人は、今までと同じように対応しなさいといっているに等しい」
--「文民統制崩壊か」という議論が国会やメディアでも盛んだったが
 「ほとんどは、文民統制の意味を理解していないものでした。文民統制の根幹は、外交問題などが生じたときに、軍を使って解決するかどうか、その決定権を政治が握っているということです。民主主義国家では戦闘機や戦車、護衛艦、隊員の数は、政治のコントロールを受けて決まります。そのモノとカネと人を使って最強の軍隊をつくるのはミリタリーの専門分野だと思います。防衛省には内部部局(内局=背広組)がありますが、日本ほど、文民統制が細部まで徹底している軍隊はないでしょう」
「この国のために命をかけることが正しいんだという気持ちがないと軍は動けない」 
 --監察などによって自衛官の言動に対する監視が強まっている
 「私の一件をきっかけに、防衛省の内局が自衛官の歴史観や思想信条について政府見解に合致しているかをチェックするのだとしたら、それは軍隊を精神的に解体することです。自衛隊の士気を下げ、きっと中国や北朝鮮は大歓迎していることでしょう。軍隊は、自分の命がかかればかかるほど、使命感がなければ動けなくなる。使命感とは、自分たちがやっていることが正義なんだ、という気持ちです。この国のために命をかけることが正しいんだという気持ちがないと軍は動けない。その根本には愛国心があると思います。この国は残虐でろくな国じゃなかった、お前たちは力を持ったらすぐ悪人になるんだ、と言われたんでは使命感は生まれようがない」
--田母神氏の発言をとらえて、すぐ「戦前は軍が暴走した…」となる
 「そういう人たちはよっぽど日本人、つまり、自分自身が信用できない人なのではないでしょうか。あるいは、文民統制に自信がないのかもしれません。政治が少しの異論も許さない言語空間に閉ざされていれば、国は弱くなります。徹底的に非核3原則を堅持すべきだという意見もあっていい。だけど民主主義だったら核武装すべきだという意見もあっていい。核兵器を持たない国は、核兵器を持った国の意思に最終的には従属させられることになりかねない」
 --核問題では、北朝鮮に振り回されている
 「北朝鮮が核兵器を持ちたがる理由は、1発でも米国に届く核ミサイルを持てば、北朝鮮を武力で制圧するのは、絶対できなくなるからです。そういった核兵器についての基本が、日本では議論されたことがない。核兵器を持つ意思を示すだけで、核抑止力はぐんと向上します。逆に、はじめから持たないといっただけで、核抑止力は格段に低下するといったことが政治の場で理解されていない」
 --日米同盟も変質しない保障はない 
 「航空自衛隊も少しずつ自立の方向に進むべきでしょう。自前で空軍としての能力を整え、日米が互いに足らない分を協力して補うとことが望ましい。これまでの米国は鉾、日本は盾という考え方は直した方がいい。米国の若者の血は流すが、日本は後ろにいますでは、日米同盟はもたない」

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