浜矩子語録(199) 『ふなっしー』を白ワインでいただく

２４日のＴＢＳ・時事放談は同志社大学大学院教授・浜矩子（浜）と元総務相・増田寛也（増）を招いて、広島の水害、ＧＤＰマイナス６・８％、消費増税１０％、老々介護・高齢世帯の独居急増などの問題が語られた。　司会・御厨貢（御）、アシスタントアナ・岡村仁美（岡）。　以下は番組の浜矩子語録中心の抄録ある。

●夏の思い出

（御）そろそろ夏休みも終わりです。　増田さんこの夏の思い出、何かありますか？

（増）私、夏は特に近所の公園を朝早く歩くんですよね。　その時、まだ木の下の方にいるセミを素手で捕まえて放すんですが、いっぺんにミンミン蝉を（左右の手で）２匹ずつ４匹捕まえたというのが本邦初演でございまして・・

（御）そりゃ、凄いですね。

（増）凄いでしょ、家内に携帯で証拠写真も撮らせましたよ。

（御）浜さんは？

（浜）この夏は、まだ思い出を形成するに至っておりません。　夏の思い出ということで言えば、イギリスに住んでいた頃のロンドンの夏の暑さ。　死ぬ思いで冷蔵庫に頭を突っ込んだり、間断なく喉から冷たい物を流し込んでいないとだめだったというのが思い出です。

●お茶うけ

（岡）さあ今朝は、正に今が旬の果物をご用意いたしました。　こちら千葉県船橋産の『豊水』です。　どうぞお召し上がりください。　実は、千葉県は梨の出荷量で全国ナンバーワンの梨王国です。　その中でもこちらは、船橋人気のご当地キャラクター『ふなっしー』でＰＲを始めたところ問い合わせが殺到、梨農家も驚くほどの大人気となっています。　今年の豊水は大ぶりでとても甘いという事なんですけれども、浜さん梨はお好きですか？

（浜）これはもう、良く冷えた白ワインにもぴったり

（御）出ました！

●広島の土砂災害

（御）今回の災害をどう見るか

（浜）たくさんの方が亡くなって、１千人にも影響が及ぶという。　いま、被災された皆さんがどんな思いをもってお過ごしでいらっしゃるか、本当に胸痛い気持ちです。

こういう問題があると、避難指示が遅れるとか、どこかに必ず人災的な面が出てしまう。こういうところが無くなって欲しいな、と思います。

また今後、避難生活が長引くということになれば、勘所を得た支援が行われるように祈っております。

●ＧＤＰ年率６・８％減

（御）ＧＤＰ大幅減で驚きが拡がりましたが、どう見る。

（浜）ある意味では驚くに値しません。　当然こうなるでしょう、と。　ちゃんと経済の状況を直視せずに変なシナリオを書くとこういう結果になるという事がはっきりと示されました。　消費税上げの反動ということでは説明がつきません。

消費が伸びないのは、賃金が実質では落ち込んでいる結果です。　輸出が落ち込んでいるのは円安を追求するという事をやった結果、輸出が伸びずに輸入が増えてしまい成長の足を引っ張っているということです。

今日的経済の動きが如何に分かっていなかったか、というのが現政権において露呈していて、やはりこれは浦島太郎の経済学と言わざるを得ません。

円安にすれば輸出が伸びるだろうという時代錯誤的発想と、まるで逆に輸出には関係なく輸入が増えて輸入物価も上がり、賃金が上がっていない人びとの生活を圧迫している、ということですから、これは犯罪的誤算、彼らの誤算が犯罪的な結果を生んでいるのですから反省をしてもらいたいと思います。

ＧＤＰが前年比ではプラスというお話でしたが、１～６月期で均すと、去年の後半との関係では実はマイナスなのです。　ですから、勢いは物凄いペースで落ち込んできていて、あとは公共投資で支えるしかないわけで、成長を煽るはずがった政策が完全に成長の勢いを削いだという状況になっています。

●どうする「消費税１０％」

（御）景気への影響は？

（浜）相当大きな衝撃になるでしょう。　低所得層の生活が猛烈に圧迫されている現状で消費増税ということですから、死に至る増税ということになってしまいかねない階層が存在するわけで、そこに目を向けたなら上げられない。　上げなければ財政が持たないという、動きのとれないところに追い込まれている。

こういう場合、人の痛みを忘れてはいけないと思います。　租税政策によって人びとの生活が圧迫されてしまう。　こんなのは政策の役割として本末転倒もいいところなので、そこに感受性をもって欲しいですね。