政府が20日に公表した「いわゆる従軍慰安婦問題に関する河野談話(以下、談話)」作成過程等の検証結果について、各紙の社説は21日付で、朝日が「疑義をはさむのはやめるべき」、産経は「破棄、撤回を含め見直せ」、読売も「談話の見直しは、いずれ避けられない」、日経は全く異なる観点から「新たな論争を生みそうだが、あえて提言したい。もう打ち止めにしよう、と」と書き、22日付になった毎日が「論争に終止符を。 韓国側にも配慮求める」と書いて5大紙の論評が出そろった。
従軍慰安婦問題や河野談話に関する内容でこれほど冷静な毎日新聞を読んだ記憶がない。 「韓国側にも配慮を求めたい。 過剰な表現で一方的な批判をするのは控えてほしい。 こうした言動への日本国民の不快感が、談話見直しへの一定の支持につながっているからだ」と、韓国側にしっかりと冷静に注文をつけたのだ。
その、毎日が言う日本人の不快感の度合いが相応の一線を越えれば、日本政府は河野談話の見直しという軟な対応ではなく、撤回や破棄という道を選ばざるを得ず、その一線はあまり遠いところにあるわけではない。
以下、毎日の社説タイトルと抄録であり、他の4紙の社説内容は前編に記録している。
■毎日:河野談話の検証 これで論争に終止符を
政府は、慰安婦問題で旧日本軍の関与を認めた1993年の河野洋平官房長官談話について、作成過程を検証した報告書を公表した。談話の焦点である「強制性」の認識を巡って、日韓両政府が緊密な文言調整をしていたことが明らかになった。
検証結果からは、日本が「強制連行は確認できない」という立場を維持したまま、韓国の意見を踏まえて強制性の表現を工夫する様子が伝わってくる。朝鮮半島での慰安婦募集の際の強制性については「甘言、強圧等、総じて本人たちの意思に反して行われた」との表現で決着した。
また、日本が民間の寄付金をもとに補償した「アジア女性基金」の経緯も検証し、韓国政府が一時は基金を評価したことを明らかにした。
菅義偉官房長官が談話継承を改めて強調し、米国務省のサキ報道官は「米国は河野談話を見直さないとした菅長官の声明に留意している」とその姿勢を支持した。
韓国側にも配慮を求めたい。過剰な表現で一方的な批判をするのは控えてほしい。こうした言動への日本国民の不快感が、談話見直しへの一定の支持につながっているからだ。
過去を冷静に見つめ、未来に生かす発想を互いに今一度思い起こそう。検証をその契機にしたい。
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