シンガー『ナターシャ』のブログ

関西・東京・名古屋・広島、そして台湾もグローバルに歌うシンガーソングライター、jazzシンガーナターシャのブログです

太陽政策

2008-11-12 | Weblog
またチキンねたです。

紀伊国屋に乱丁本のチキンスープの本を交換してもらいに行きました。といってもかなり前に買ったので(ずっと置きっぱなしだった)レシートも無し。変えてもらえるかどうか分からないけど、聞いてみないと分からないし・・しかし、本屋さんに近づくにつれて心が重い。ああ、このままではおなかが痛くなりそう・・なんなんや、これ?なんで?

この謎は本の交換後、歩いているときに分かりました。

紀伊国屋さん(交換してくれたから「さん」づけ)では、若いおにいちゃんが先輩に聞きまくって色々調べて交換してくれました。丁寧にお礼を述べた後、なんでおなかが痛くなりそうだったのか、ピ~ンときたのでした。

頭では「レシート無いし無理だったらいいや」と思いつつ、どこかでダメといわれたらごねないといけないと思っているのです。自分の主張を通さないとって。それは海外からの経験から来ているんだけど、例えばこの本の交換でも自分達が面倒だというだけで海外(私が関わった国々)では、ほとんどの場合、こんなことしてくれません。でも、強く主張すれば交換してくれることがほとんど。そのクセがしみこんでいるのです。

20代で居たアメリカは大人になって初めての体験をたくさんしたところ。店員と話していても埒明かないと思えば、あからさまにデカイ態度を取り「スーパーバイザー(上の人)だして!」という切り札を出しまくってました。どうみても子供にしか見えない私ががんばってがんばって闘っていたと思えば、笑いや愛しさも今ではこみあげるくらいですが、その頃はこんな「ええかげんな地」に住むのに態度で示すことは必要なことだし、当たり前だと思ってました。アメリカ人にも「ちゃんと主張したのか?」といわれるし。ちなみに後に住んだフランスでは「ああ、なんてアメリカはきっちりした所だったんだろう」と思う羽目になりましたが。

フランスで全ての荷物、16個の箱を郵便局になくされ、1ヶ月の間、パリの郵便局を歩き回り郊外の集荷所やセンターに毎日電話をかけていたときも、きっと何が嫌だったって自分の怒りを表現しなくてはいけないことだったのかなって今は思います。

本当なら私も心穏やかに人と交流したい。でも、「強い態度で出ないといけない」というクセが私の中にあるんですよね。でもそれって怒りで人をコントロールするってこと。自分の欲求が通っても店員も私も気分が悪くなるなら、本代は浮いてもエネルギーの観点から言えば、むちゃくちゃ勿体ないこと。本なんて1000円くらいなんだから、お互い気分が悪くなるくらいなら、もう一冊買えばいい。

フランスの郵便局事件も、ストレスで体にかなり影響を与えたし、考えれば全ての荷物の合計金額がいくら高くても、あれだけ嫌な気分の一ヶ月、おまけに体にも変調をきたしたことを考慮したら、最初からあきらめて楽しく過ごした方がずっとお得だったんだと今思いました。北欧旅行もキャンセルしたけど、荷物のことは忘れて行くくらいでちょうどよかったんだ。

荷物で一番気になっていたのは母が「これなら寒いパリでも大丈夫。パリで着なさいね。」と以前買ってくれたコート。私がフランスに行きたいと思っているのを知って、あるとき買ってくれました。だから、「あれだけは取り返さなくっちゃ」って思っていたら、面白いことに一番最後まででてこなかったのがこの箱。執着とは面白いものです。執着すればするほど手に入らない。

「北風と太陽」じゃないけど、「自分の欲求を通す」「自分を主張する」にもできるだけ太陽でいたいなって思います。ほんまにここぞ!っていうときは、強い態度も必要だけど1000円くらいのためにそんなことはするのはもうやめよう。特に日本ではみんなある程度ちゃんとやってくれるんだからねえ。

そして、目に見える「いくら損した」とか「得した」とかそんなことより、見えないけどもっと大事なエネルギーレベルで損得を考える人になろうって思いました。目に見えることなんて氷山の一角なんですからね。

さすが、チキンスープ、付随する体験でも素晴らしい気づきを与えてくれました。