むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦山何連歌(巻78、令和3年12月17日満尾)

2021年12月17日 | 作品集

(南天寫)

初折表    
発句 木枯しも惜しみて残すひと葉かな 可矢  
間なくも置ける霜の冬草 典子  
第三 水鳥の遠音や旅を誘ふらむ 和雄  
第四 山の端映ゆる波静かなり 純一  
第五 文にうみしばしと庭に佇みて 直人  
第六 移ろふ空にせまる夕やみ 弓子  
第七 玉響に月の光ぞまさりつる 路光  
第八 尋め行く道は袖の露けし  
初折裏    
第一 飛ぶ雁に言伝てやらむ雲の色 典子  
第二 池辺を染めて柳散りにき 和雄  
第三 我老いぬ帰るふるさと朽ちぬらむ 純一  
第四 過ぎにし方も今はまぼろし 直人  
第五 恋文のおくる術なく褪せしまま 弓子  
第六 こころもとなの女子の片思ひ 路光 めこ
第七 深山路に涼しき風も吹きは来で  
第八 幾こゑ唱へこもるひと夏 初瀬  
第九 大原の里の川水むすびつつ 可矢  
第十 汀に霞む月ぞ幽けき 典子  
第十一 北のそら雲入る鳥をうち眺め 和雄  
第十二 なべてのどけしよもぎふの野辺 純一  
第十三 花の下またのつどひはいつなれや 直人  
第十四 問ふ旅人をぬらす春雨 弓子  
名残折表    
第一 あづま路のくがの八衢分けがたし 路光 やちまた
第二 歩み半ばにしばし息はむ  
第三 君こふる袖に涙か汐の香か 初瀬  
第四 あら磯かげのみるめなき身ぞ 可矢  
第五 浦風にたゆたふ心知るらめや 典子  
第六 永久に共にはいつの虚言 和雄  
第七 もみぢばはしぐるるうちに散り果てて 純一  
第八 ゆ庭掃く巫女手も寒げなり 直人  
第九 鈴の音の何処ともなく聞こゆらむ 弓子  
第十 うかがふほどに異しき岩室 路光  
第十一 世を捨てて棲む奥山ぞ侘しかる  
第十二 野分のあとのたそがれの空 初瀬  
第十三 さやけしな竹の下みち月洩れて 南天  
第十四 撓む小萩のいとほしげなり 典子 たわむ
名残折裏    
第一 やや寒み機織りいそぐ虫の声 可矢  
第二 遠ざかりゆく秋の白雲 純一  
第三 このたびは鄙の別れも晴れらかに 和雄  
第四 歌ひ踊らむ領巾を振りつつ 弓子  
第五 つらねたる山をおほひし雪消えて 直人  
第六 池の氷もとけわたる頃  
第七 日の本の花は咲くべし匂ふべし 初瀬  
挙句 むべひんがしに立つやかぎろひ 路光  

 



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