むらぎものロココ

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ピエール・ド・ラ・リュー

2005-06-11 11:20:50 | 音楽史
la_ruepierre de la rue
messe"L'homme arme"・requiem

dominique visse
ensemble clement janequin

ピエール・ド・ラ・リュー(1460-1518)は、マクシミリアン一世、その息子フィリップ・ル・ボーらに仕え、ハプスブルク家の宮廷でテノール歌手として、あるいは作曲家として活動した。彼もまたフランドル楽派の代表的な音楽家であるが、ジョスカンの影にかくれてしまったせいか、研究も遅れていて、その生涯や音楽にはまだまだ謎が多いようだ。
ラ・リューの音楽は低音域が拡張され、深みが増している。また、技巧的にはカノンにすぐれ、「カノンの王」と称されていたジョスカンを多分に意識し、「ミサ・ロム・アルメ」ではジョスカンを超えるべくその技巧を見せつけた。また、1506年にフィリップ・ル・ボーの死に際して「レクイエム」を作曲したが、これはラ・リューの名曲として多くの録音がある。

アンサンブル・クレマン・ジャヌカンのアルバムは現在は廃盤のようだ。ドミニク・ヴィスのエキセントリックな技巧は世俗シャンソンでは効果的でも宗教曲には違和感が生じるとして、好き嫌いの分かれる演奏ではあるが、敬虔さを求めないのであれば特に問題はないと思われる。