むらぎものロココ

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ルネサンスの音楽

2005-06-03 00:57:25 | 音楽史
cd08-01MOTETS OF THE RENAISSANCE ERA
 
 
Bruno Turner
Pro Cantione Antiqua

ルネサンスの音楽は、ジョン・ダンスタブルがベッドフォード公ジョンに仕え、1422年から1435年までの間、ブルゴーニュに滞在したことから始まる。
ダンスタブルは大陸にイギリス音楽の特徴である3度、6度の響きを伝え、当時繁栄を極め、ヨーロッパ文化の中心であったフィリップ善良公治世下のブルゴーニュ公国に集まっていた音楽家たちに大きな影響を与えた。影響を受けた音楽家たちのなかには、ブルゴーニュ楽派のギョ-ム・デュファイやジル・バンショワがいた。とりわけデュファイはそれまでの様々な音楽の様式を統合し、新たな道を切り開いた音楽家である。
デュファイの、簡潔にして明瞭で、調和の取れたその様式は、オケゲムやジョスカン・デ・プレ、オルランド・ディ・ラッソらのフランドル楽派に継承され成熟し、頂点に達した。ジョスカンはルネサンス期最大の巨匠である。
この新しい様式はヨーロッパ各地にひろがり、「教会音楽の父」と呼ばれたパレストリーナに代表されるローマ楽派、タリスやバードに代表されるイギリス楽派、モラーレスやヴィクトリアに代表されるスペイン楽派、そして、ヴィーラルトやG.ガブリエーリに代表される、ルネサンスの古典的な均衡を破った、音楽上のマニエリスムとしてのヴェネツィア楽派など、様々な楽派の隆盛をみることになる。
このアルバムはルネサンス期の代表的な音楽家たちのモテトゥスを収録したもの。プロ・カンティオーネ・アンティクヮの演奏は柔かく暖かく、とても心地よい。