むらぎものロココ

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ヨハネス・オケゲム

2005-06-07 01:19:45 | 音楽史
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Requiem, Missa Mi-Mi


The Hilliard Ensemble

ヨハネス・オケゲム(1410頃?-1497)は、フランス王室礼拝堂の歌手として、パリ・ノートルダム大聖堂の参事会員として、フランスの三代の王に仕え、晩年はサン・マルタン修道院の財務官となった。

彼はブルゴーニュ楽派を継承したフランドル楽派の最初期の巨匠であり、その作品は高度な技法を駆使し、ポリフォニーのそれぞれの声部が対等で、独自の旋律とリズムを持っているのが特徴で、各声部は癒着することなく、くっきりと浮かび上がるよう緻密に計算されている。濁りがなく透明感のあるその音楽は極めて美しいが、四声のポリフォニーで、それぞれの声部が独立して動くというのは、情報量としてはいささか過剰であり、聴き分けることが容易ではないため、主流にはならなかった。主流となったのは、その後ジョスカンによって確立された通模倣様式である。

オケゲムの「レクイエム」は現存する「レクイエム」としては最も古いものとして有名である。ヒリアード・アンサンブルは精密な演奏で各声部を際立たせ、音楽の構造を明確に示している。