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21世紀における新興再興感染症の脅威

2015-05-17 | Tropical Medicine トピックス

Weekly epidemiological record
15 MAY 2015, 90th YEAR / No. 20, 2015, 90, 217–252

近代における国際的な感染症予防の取り組みは、最初に国際衛生会議がパリで1851年に開催され、2回のコレラの大流行により多くの欧州各国でこのような活動が推進された。
このような会議はPAHOでも1902年に設立され、1907年には事務局 the Office International d’Hygiène Publiqueができた。
順に1948年にはWHOが設立され、1951年にはWHO加盟国はInternational Sanitary Regulations(ISR)を制定し、これが1969年に改定されInternational Health Regulations(IHR)となった。
1970-80年代には、1973年、1981年と定期的にIHRの改定が行われ、続いて2005年に大改訂が行われた。
IHRの目的と範囲は、国際交通及び取引に対する不要な阻害を回避し、公衆の保健上の危険に応じた制限的な仕方で、疾病の国際的拡大を防止し、防護し、管理し、及びそのための公衆保健対策を提供することである(IHR第2条)。

1970年代には、公衆衛生に大きな進歩がみられ、新たなワクチンと抗菌薬による人類の微生物に対する勝利が予測されるようになり、多くの専門家は感染症は書物の中だけの話になると考えた。そして、次に国際的な健康も問題となる慢性の非感染症疾患に関心は移っていった。 
しかし、その夜明けは偽りであり、これらの予期は新興再興感染症によって根本的に変更された。

1976年にエボラウイルスが発見され、次いでHIVが1983年に発見された。
1970年から2007年にかけて、1420の新たな病原体が発見され、その70%が動物を起源としているものである。
この記事では21世紀になって始まった現代の疫学的流行である、SARS(2009年)、インフルエンザ(H1N1 in 2009, H5N1 in 2003 and H7N9 in 2013)、ハイチでのコレラ(2010年)、西アフリカでのエボラ出血熱をまとめる。

 

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