蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

ポドテキスト&ミザンスツェーナ

2014年02月14日 15時18分32秒 | 日記
昨日の昼間は、賛助会員さんの会社とお宅へ公演のご案内へ。
賛助会員さんには既に郵送でご優待席券が届いているが
更にプラスして前売券をご購入いただき、感謝です。

夕方は、舞台に使用する声の録音。

長野舞台の音響部Kさんに機材ご持参で
稽古場にて録音をしていただいた。

全部で4シーン分。

キッズのユウキ君に、登場人物の幼少期の台詞を
練習してもらい録音した。

19:20頃、録音終了。
効果音製作は、来週昼間にKさんと一緒に行う予定。
Kさん、ありがとうございました。
ユウキ君、お疲れさま!

なっちゃんが製作した小道具を届けに来てくれた。
きれいに出来ている~♪
ありがとう!

その後、稽古開始。

役者陣は当然「ポドテキスト」を洗い出しているはず…

ポドテキストとは…

簡単に言うと、台本の行間を埋めるためのテキスト
登場人物の行為や台詞を発する理由
考え、感情、目的を表現するヴィジョンである。
役者はこのポドテキストを自分で創造する必要がある。

案外陥りやすいのが、台詞から見える表層だけで結論づけて演じてしまうこと。

台本上に書かれている台詞とポドテキストは
矛盾してくることが多いのに。
言葉は、本当の思惑や志向を隠したり
カモフラージュするために発せられることが少なくないのに。

この矛盾を内包して表出した台詞や行動は
秀逸な演技になり得るのに…

もう一つ大切なのが、舞台上でのグループわけと
登場人物たちの行動軌跡。
これを「ミザンスツェーナ」と言うが
私は行動線、立ち位置、グループ、距離、対立等
そのシーンに必要な具体的な言葉に変えて
役者陣に伝えているので
うちの団員は、この言葉を認識していなかも…

気になったら自分で調べてね。

舞台上で起こることはすべて観客に見える必要があるし
かつ、理解される必要がある。
役者は集中していても、同時に客席とのつながりを感じ続け
自分の創造を客観的に(第三の目;はたの目)で観察し
コントロールする必要がある。

ミザンスツェーナとは配置だけではなく
舞台空間内の登場人物の移動(行動の軌跡)も含む。

このミザンスツェーナを捉え違えする人がいる。

演出は、観客目線で舞台空間全体から見た
役同士の関係性(融合や対立)が見える構図を考える。
役者は演じることに夢中になりがち。
第三者的目線や客観性を持って
自分の演技を俯瞰して見れるようになると良いのだが
一朝一夕にできることではない。
演出は、一番の観客だということを忘れないで欲しい。

つまり、位置取りの指示は
相手との距離や舞台空間における位置を考えたものであって
多少ずれたとしても、役者同士が適切な距離感や
お客様から見えるか否かを察知できれば
必ずしも指示通りでなくて良いのだ。

が、ポドテキストをきちんと創造していない役者は
当然演技に不安がある。
その不安から抜け出すために
行動を拠り所にしてしまう。

 こう動けばいいんだ。

ってね。

これは全くの誤りであることを理解してほしい

なぜ行動するのか?
目的は?感情は?
観客に何を伝えたいのか?

この登場人物は
今、何を思い
今、何を感じ
今、何をしたいのか?

これを洗い出すことが一番重要なのに
多忙さを理由に、曖昧なまま稽古に臨んでいるのではないか…
と、ちょっとだけ振り返ってもらいたい。

ただいくら一生懸命ポドテキストを考え洗い出しても
表出した表情や台詞や行動が、そのように見えなければ
観客に、せっかく考えたポドテキストは伝わらない。

どう見えているのかを検証し
内面の情動の変化を一つ一つ丁寧に演じて欲しい。

長くなりました…

そうそう!

今回の舞台挿入曲は、某音楽ユニットさんの
演奏曲を使わせ頂く予定でいる。
その関係で、現在JASRACさんとやり取りをしながら
著作権使用料に関する申請をしているところ。

これまで舞台音楽は、作曲していただいた曲か
著作権フリーの曲を購入して使ったり
著作権が切れた曲を生で演奏していただいたりして来た。

今回も牧さんと波田野さんに演奏していただくことになっている。
それとは別に、雅楽系楽器の音色が欲しくて
フリー音楽で探したけど、しっくり来る曲がなく…
そんな時に出会ったのが○○○○さんの音楽だった。
一目惚れならぬ一耳惚れ!
著作権料について、早速調査。
使用料は高価!というイメージがあったけど
音楽の予算内でおさまりそうな金額で、ホッ!

手続きは、以前より便利になった感じ。
登録が完了すれば、ネットで申し込めるしね。

登録は面倒だけどね。

ステージで使用する音楽と
DVD化で使用する音楽では
申請先が違うのです。
なので、登録を別々に行わなければならず
やっと先程、両方の登録が済んだところ。

もっと手続きが簡単になれば
利用する人や団体が増えるんじゃないかな。
イメージに合う楽曲と出会えれば…だけど。

今回は偶然にも出会えてラッキーでした!
皆さん、生演奏はもちろんのこと
挿入曲も楽しみにしていてください。


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