蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演「ISHIN version.2024」

NPO法人劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演
タイトル 『ISHIN ~狼たちは最果てに~ version.2024』
脚本・演出 青木由里
出演 青木賢治/栗生みな/村松沙理亜/清水まなぶ/井田亜彩実/導星ゆな 他

日時 2022年9月8日(日)11:00~/15:30~
会場 飯山市文化交流館 なちゅら 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/ishin2024

皆さまへ感謝を込めて晴れやかに開催‼
どうぞお楽しみに‼

小布施北斎ホールシアター2021 WS最終日❣

2021年06月20日 23時43分14秒 | 日記

昨日の表現&剣劇WSの様子が
「たつの新聞」に掲載されました~

取材してくださった記者さん、ありがとうございました(*^▽^*)

 

さて・・・

今日は小布施北斎ホールシアター2021のワークショップ3回目。

これでワークショップは最後。

来月から作品創作がスタートとなる。

なので、思いっきり楽しんでいただきたい・・・

プログラムを再考して、いざ稽古場へ。

今日の稽古場は体育館。

広くて良き💛

最初はウォーキングでウォーミングアップ。

広いおかげで、今日は早歩きも出来たよー

手拍子、足拍子でリズム遊び。

身体と心がほぐれてきたところでストレッチ♪

スクワット、筋トレ、発声、活舌と続く。

次はスローモーション。

スロー歩きを少しだけ練習して
2チームに分かれ、お互いに見学。

スローの身体から放たれるエネルギーは強い。

数人ずつの家族設定だけだったが
色々なドラマが生まれて面白かった💛

最後は4チームに分かれてエチュード発表。

山田今次さんの「あめ」という詩をもとに
各チームで5W1Hを話し合い即興劇を創作。

この詩、擬声語が面白くて深い意味を感じるんだよねー


  あめ    山田今次

あめ あめ あめ あめ
あめ あめ あめ あめ 
あめはぼくらを ざんざか たたく
ざんざか ざんざか
ざんざん ざかざか 
あめは ざんざん ざかざか ざかざか
ほったてごやを ねらって たたく
ぼくらの くらしを びしびし たたく
さびが ざりざり はげてる やねを
やすむことなく しきりに たたく
ふる ふる ふる ふる
ふる ふる ふる ふる
あめは ざんざん ざかざん ざかざん 
ざかざん ざかざん
ざんざん ざかざか
つぎから つぎへと ざかざか ざかざか
みみにも むねにも しみこむ ほどに
ぼくらの くらしを かこんで たたく


「ざんざか」「ふるふる」が繰り返されて
雨の擬声語なんだけど、色々な情景が浮かんでくる。

この詩の背景を調べてみた。

飯塚書店編集部編『詩作ノート』(飯塚書店 1968)所収、山田今次「擬声
語(オノマトペ)の詩」論文・p46~p48より引用

●リズム調子のよさ
●同数の音節の繰り返しは、強烈に降る雨のイメージを増幅させる
●この雨は、慈雨とは反対の、生活の展望のない
 暗黒の寒空から降ってくる生活を脅かす冷雨であり寒雨であり氷雨
●1947年にできた詩
 つまり第二次世界大戦が敗戦となった2年後
 アメリカから運ばれた占領軍の物資は
 港を埋めつくしていたが、市民の暮らしは苦しく
 食物にも仕事にも容易にありつけなかった。
 その頃の家々は、半地下の壕か、掘立小屋であった。
 激しい雨や風は恐ろしいものの一つだった。
 「あめ」は、このような焼け跡から生まれた。

(山田今次氏の論文「擬声語(オノマトペ)の詩」(飯塚書店)より)

真壁仁さんの『詩の中にめざめる日本』(岩波新書、1966)に
こんな記述があるそうだ。

●この詩の「ざんざか ざんざか」「ざんざんざかざか」という擬音は
 雨ではなく、作者の怒り、憎しみ、抵抗の精神の擬音になっている。

以上、『詩「あめ」「貨車」の音読授業をデザインする』から抜粋させていただいた。

なるほど・・・

ただの「雨」ではない別の何かを感じる詩だったが
このような背景があったのか・・・

やはり作者を知り、背景を知ることは大事だと思いつつ
知らなくても感じることができる「詩」という表現手法は
奥が深いなあと改めて思った。

 

さあ、来月から小布施のほうも作品創作が始まる。

2つの市民劇を並行して創作するという初の試み・・・

どこまで出来るか、自分自身への挑戦でもある。