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世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

ヘレネー

2013-12-17 08:53:53 | 詩集・空の切り絵

最初にアテナが来たが
パリスはその知性と力に驚いて
彼女を殺してしまった

次にアフロディテがやって来て
彼に美しい薔薇を与えたが
パリスはそれを馬鹿にして
彼女とともに海に捨ててしまった

最後にとうとう
アルテミスがやってきて
パリスに言った

アポロンはダフネーを追いかけて去った
待っていても来はしない

おまえには ヘレネーのような
きつい女がお似合いだ

二度と 愛の園に
帰って来るでない



コメント (1)
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奏楽の天使

2013-12-17 05:13:09 | 虹のコレクション・本館
No,37
メロッツォ・ダ・フォルリ、「奏楽の天使」、15世紀イタリア、初期ルネサンス。

これは美しい天使の絵である。過去にもとりあげたことがあるが、コレクションに加えないわけにはいかない。

明るい色彩は天国の香りを思わせる。邪心のない瞳が美しい。これは、人間存在が、天使に対して思い描く一般的イメージを抽出したものだ。純真で、善良で、まぶしいほど美しく、かわいらしい。

わたしもこの絵はたいそうよいと思う。実に美しい。
だが、こういうのが天使だと思うと、大きく間違うぞ。甘い。

われわれは、もっと大人のきびしい顔をしている。人間にとっては、親の親の親のようなものだ。
男ばかりだ。

こういう女性のようなかわいらしい顔をした天使は、ごくごくごく、まれだ。




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