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世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

イザナミ

2013-12-05 08:58:44 | 詩集・空の切り絵

伊耶那美の命まづ「あなにやし、えをとこを」とのりたまひ、後に伊耶那岐の命「あなにやし、えをとめを」とのりたまひき。おのもおのものりたまひ竟へて後に、その妹に告りたまひしく、「をみな先立ち言へるはふさはず」とのりたまひき。
    (「古事記」より)

イザナミの命がまず、「ああ、なんてすばらしいお方」とおっしゃり、後でイザナギの命が、「おお、なんと美しいひとだ」とおっしゃいました。それぞれがおっしゃったあとに、おっとが妻に「女が先に言うのはよくない」とおっしゃいました。

    ***

結局は
人間は
いちばん好きな女が
いちばんいやで
いちばん好きな女を
いちばんいじめて

いちばん好きな
女ばっかり
追いかけてきたんだよ



コメント (1)
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ベアタ・ベアトリクス

2013-12-05 04:32:36 | 虹のコレクション・本館
No,25
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ、「ベアタ・ベアトリクス」、19世紀イギリス、ラファエル前派。

ラファエル前派は、目の付け所はよかったが、芸術運動としては、イギリス的趣味に流れて、絵画としてあまりよいものは生まれなかった。おもしろい作品はあるがね、絵画本来の使命を果たせるものと言えば、かろうじてこれくらいしか思い浮かばない。まあ、全部を見たわけではないのだが。

この絵のモデルのエリザベス・シダルは、不幸の匂いのする美女だった。よくいるね。美しいが、どこかさみしい影がある。男はこういう美女に興味を持つが、妻にしたいとは思わない。自分も不幸になるような気がするからだ。

そのとおり、シダルはやがて、ロセッティの心を、ジェインという女に奪われる。ロセッティは自分に尽くしてくれたシダルに答えるために彼女を妻にするが、ジェインに惹かれる自分の心を抑えることはできず、結局妻を、自殺かと思われる変死においやるのである。

この絵は、そういう妻に対するロセッティの呵責が描かせたものだ。

ジェイン・モリスは、ポーカーフェイスを決め込んで、かなり痛いことを平気でやれる女だった。男をとりこにし、他の女を破滅させることなど、何とも思わない。シダルのような女は、こういう女に苦しめられるのである。

ロセッティは、勉強不足から、不器用さをつかれる画家だが、ラファエル前派においては、もっともおもしろい画家である。この、ふたりの女に引き裂かれた男の描いた絵が、男の馬鹿さ加減を、絶妙に表現している。




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