No,21
オディロン・ルドン、「オフェリア」、20世紀フランス、象徴主義。
象徴主義の絵は淋しい。苦しい。人間が、人間の魂の故郷を失い、心の世界をさまよっているという感じがする。
オフェリアは、男世界の現実に殺された女である。花と水で美しく描かれるが、その向こうにあるのは、腐乱水死体だ。もっとも恐ろしい死である。
その恐ろしくも、激しく惨い死に方を、あまりにも美しく描くのは、現実世界から魂が遊離し始めていることを教えている。
現実世界が、魂の世界と決別したのである。その中で、芸術家の魂は、激しく痛みながら、そこに夢幻の劇薬を塗って麻痺させつつ、表現していたのである。
19世紀から、20世紀に向かって、人間は文明を進歩させながら、魂の世界では、奈落に落ち続けていたのである。