あまり一般的ではないかもしれませんが、私はキノコの出るタイミングを「雨後5日」と言っています。キノコによってはもの凄く成長の早いものもあるので、必ずしもその通りではないのですが、一応の目安としています。今年は10月になって30度などという日が続いたので、地温が高くいつまでたっても秋のキノコの本命、信州では時候坊というハナイグチが出ませんでした。まず先にシロヌメリイグチとヌメリイグチが出ますが、それも皆無。これは不作だった昨年のように時候坊なしでムラサキシメジの季節になってしまうかなと思いました。ところが、ここに来て雨が続き、最低気温も下がったので森に入ってみることにしました。

まずは、ムキタケを探しに谷に下りました。ムキタケの大きなシロは三つ程知っているのですが、最初のシロは前日に他の人が入っていました。しかし、出始めだったようで、ほとんど採れなかった模様。そこで二つ目、三つ目のシロへ行くと、まずまずの収穫。ムキタケは、水分を含むので重いのです。2キロぐらいになりました。つるんとした食感が絶妙で、うどんや鍋に合います。

そして本命の時候坊(ジコボウ・ジコウボウ)のシロへ。時候坊というのは、この時期採れるイグチ科のキノコの総称で、シロヌメリイグチやヌメリイグチも含まれますが、主にハナイグチのことです。強いぬめりがあり、甘い香りと、旨い出汁がでるのが特徴です。これで作る鍋や豆腐との煮物(醤油でも味噌でもOK)、手打ちうどんで鍋焼きうどんなどにすると最高です。落葉松と共生関係をもつ菌根菌なので、セシウムを貯め易いため、高汚染地のものは食べるべきではないし、そうでない場所のものも塩水に浸けてから茹でこぼして除染すべきです。西日本も例外ではない。チェルノブイリの例を見れば、マイクロ・ホット・スポットは、日本全国どこにあってもおかしくはないのです。常食にすることはないので、汚染地の魚介類や農産物を常食するよりは遥かに安全でしょうけれど。ショウゲンジやチャナメツムタケより、松茸や時候坊の方が、同じ菌根菌でもセシウムの移行係数が低いのは、興味深いところです。

結局、ポイントを入念に回って、大きなバケツ一杯分ほどが採れました。200本位はあるでしょう。出始めのクリタケも二株ほど。細胞が球形なので壊れにくいため、一度冷凍するとよく出汁がでます。近くには猛毒のニガクリタケも出ていました。見分けが出来ないときは、軽く咬んでみることです。ニガクリタケは、本当に嫌な苦みがあります。すぐに吐き出せば大丈夫です。間違って食べて死亡例もあるので、目視だけでの確認は危険です。

ムキタケの谷から登って来る途中の杉の倒木に、ニカワハリタケが大量に出ていました。前日に入った人が一応採ってみたものの、捨てて行った跡がありました。食べられるかどうか分からなかったのでしょう。これは別名を「猫の舌」という食菌です。なんか猫が小さな舌をペロッと出したように見えませんか。表面がちょっとザラザラしています。味は特になく、茹でて黒蜜をかけたり、みつ豆に寒天代わりで入れるといいそうです。ムキタケの倒木に小さなキノコがありましたが、未同定です。つばがあるような。しかし、ナラタケとも違う様です。

雨が多く、霜も降りていないので、粘菌(変形菌)も出ていました。マメホコリと赤いのは1ミリもないような、これはアカフクロホコリでしょうか。粘菌については、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】の変形菌(粘菌)をご覧ください。エリック・サティをBGMに使ったスライドショー【【信州の里山】妻女山の変形菌(粘菌)その1 Japanese Myxomycetes vol.1 】も粘菌好きにはおすすめです。世界中からアクセスがあります。その2と、日本の里山 森の変形菌もあります。怪しく美しい粘菌の世界に、必ず魅了されると思います。

妻女山の紅葉は、まだ始まったばかりで、山桜やヌルデが色付いています。林道が耕耘されたように掘り返されていました。猪の仕業です。先日、なんと140キロのオスが罠にかかったそうです。140キロと言ったら関取ですよ。こんなものに山中で出逢わなくてよかったと思います。
信州で中毒の多いキノコは、クサウラベニタケ、カキシメジ、ツキヨタケ、ドクヤマドリ、ネズミシメジなどで、いずれも毒キノコです。また、人によっては中毒を起こすキノコもあるので、基本的に天然キノコはそのキノコを食べた事のない人にあげることはしません。チチアワタケ、ハエトリシメジ、シロノハイイロシメジ、ミネシメジ、オシロイシメジ、コガネタケなどです。食べてもなんともない人もいます。食菌のアミタケもあたる人がいますし、信州では一番人気の時候坊(ジコボウ)、ハナイグチも人によってはお腹をくだす人もいます。また、老菌も食べるべきではありません。採って来て不安に思ったら保健所で同定してもらうことです。
キノコ屋の言葉に「どんなキノコも一度は食べられる」というのがあります。しかし、猛毒のキノコを食べたら二度目はありません。ご注意を。

麓では、長芋畑のつる壊しが始まりました。乾燥させて燃やします。その壮大な白煙が晩秋の風物詩となっています。これがダイオキシンの原因とか騒がれた時代もありましたが、放射能に比べればダイオキシン等蚤の屁の様なものです。あの青酸カリの2000倍の毒性があるともいわれるセシウムですが、比較にならない程強力な、魚介類に溜まり白血病の原因となるストロンチウムが、汚染水とともに大量に太平洋に流れ出し続けているのですから。昼頃、作業場の照明を替えるべくホームセンターに行ったのですが、一皿90円の回転寿しが満車でした。彼らは自分がなにを食べているのか知らずに、病気になり死んで行くのでしょう。パンデミックは静かに始まっています。日本中、いや地球上で放射能汚染されていないところは、一カ所もありません。気にしない、気にしてもしょうがないと言っている人から、チェルノブイリでは病気になり苦しみながら死んで行きました。信州の秋の長閑な風景を見ていると、つい何事もなかったかのような錯覚に陥りますが、確実に汚染されているのです。
■【信州の里山】キノコの汚染と除染について
菌根性のキノコと腐性性のキノコに分けて解説しています。文章が長くて読みきれないときは、ポーズボタンをクリックしてください。文字が小さい時はフルスクリーンで。

まずは、ムキタケを探しに谷に下りました。ムキタケの大きなシロは三つ程知っているのですが、最初のシロは前日に他の人が入っていました。しかし、出始めだったようで、ほとんど採れなかった模様。そこで二つ目、三つ目のシロへ行くと、まずまずの収穫。ムキタケは、水分を含むので重いのです。2キロぐらいになりました。つるんとした食感が絶妙で、うどんや鍋に合います。

そして本命の時候坊(ジコボウ・ジコウボウ)のシロへ。時候坊というのは、この時期採れるイグチ科のキノコの総称で、シロヌメリイグチやヌメリイグチも含まれますが、主にハナイグチのことです。強いぬめりがあり、甘い香りと、旨い出汁がでるのが特徴です。これで作る鍋や豆腐との煮物(醤油でも味噌でもOK)、手打ちうどんで鍋焼きうどんなどにすると最高です。落葉松と共生関係をもつ菌根菌なので、セシウムを貯め易いため、高汚染地のものは食べるべきではないし、そうでない場所のものも塩水に浸けてから茹でこぼして除染すべきです。西日本も例外ではない。チェルノブイリの例を見れば、マイクロ・ホット・スポットは、日本全国どこにあってもおかしくはないのです。常食にすることはないので、汚染地の魚介類や農産物を常食するよりは遥かに安全でしょうけれど。ショウゲンジやチャナメツムタケより、松茸や時候坊の方が、同じ菌根菌でもセシウムの移行係数が低いのは、興味深いところです。

結局、ポイントを入念に回って、大きなバケツ一杯分ほどが採れました。200本位はあるでしょう。出始めのクリタケも二株ほど。細胞が球形なので壊れにくいため、一度冷凍するとよく出汁がでます。近くには猛毒のニガクリタケも出ていました。見分けが出来ないときは、軽く咬んでみることです。ニガクリタケは、本当に嫌な苦みがあります。すぐに吐き出せば大丈夫です。間違って食べて死亡例もあるので、目視だけでの確認は危険です。

ムキタケの谷から登って来る途中の杉の倒木に、ニカワハリタケが大量に出ていました。前日に入った人が一応採ってみたものの、捨てて行った跡がありました。食べられるかどうか分からなかったのでしょう。これは別名を「猫の舌」という食菌です。なんか猫が小さな舌をペロッと出したように見えませんか。表面がちょっとザラザラしています。味は特になく、茹でて黒蜜をかけたり、みつ豆に寒天代わりで入れるといいそうです。ムキタケの倒木に小さなキノコがありましたが、未同定です。つばがあるような。しかし、ナラタケとも違う様です。

雨が多く、霜も降りていないので、粘菌(変形菌)も出ていました。マメホコリと赤いのは1ミリもないような、これはアカフクロホコリでしょうか。粘菌については、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】の変形菌(粘菌)をご覧ください。エリック・サティをBGMに使ったスライドショー【【信州の里山】妻女山の変形菌(粘菌)その1 Japanese Myxomycetes vol.1 】も粘菌好きにはおすすめです。世界中からアクセスがあります。その2と、日本の里山 森の変形菌もあります。怪しく美しい粘菌の世界に、必ず魅了されると思います。

妻女山の紅葉は、まだ始まったばかりで、山桜やヌルデが色付いています。林道が耕耘されたように掘り返されていました。猪の仕業です。先日、なんと140キロのオスが罠にかかったそうです。140キロと言ったら関取ですよ。こんなものに山中で出逢わなくてよかったと思います。
信州で中毒の多いキノコは、クサウラベニタケ、カキシメジ、ツキヨタケ、ドクヤマドリ、ネズミシメジなどで、いずれも毒キノコです。また、人によっては中毒を起こすキノコもあるので、基本的に天然キノコはそのキノコを食べた事のない人にあげることはしません。チチアワタケ、ハエトリシメジ、シロノハイイロシメジ、ミネシメジ、オシロイシメジ、コガネタケなどです。食べてもなんともない人もいます。食菌のアミタケもあたる人がいますし、信州では一番人気の時候坊(ジコボウ)、ハナイグチも人によってはお腹をくだす人もいます。また、老菌も食べるべきではありません。採って来て不安に思ったら保健所で同定してもらうことです。
キノコ屋の言葉に「どんなキノコも一度は食べられる」というのがあります。しかし、猛毒のキノコを食べたら二度目はありません。ご注意を。

麓では、長芋畑のつる壊しが始まりました。乾燥させて燃やします。その壮大な白煙が晩秋の風物詩となっています。これがダイオキシンの原因とか騒がれた時代もありましたが、放射能に比べればダイオキシン等蚤の屁の様なものです。あの青酸カリの2000倍の毒性があるともいわれるセシウムですが、比較にならない程強力な、魚介類に溜まり白血病の原因となるストロンチウムが、汚染水とともに大量に太平洋に流れ出し続けているのですから。昼頃、作業場の照明を替えるべくホームセンターに行ったのですが、一皿90円の回転寿しが満車でした。彼らは自分がなにを食べているのか知らずに、病気になり死んで行くのでしょう。パンデミックは静かに始まっています。日本中、いや地球上で放射能汚染されていないところは、一カ所もありません。気にしない、気にしてもしょうがないと言っている人から、チェルノブイリでは病気になり苦しみながら死んで行きました。信州の秋の長閑な風景を見ていると、つい何事もなかったかのような錯覚に陥りますが、確実に汚染されているのです。
■【信州の里山】キノコの汚染と除染について
菌根性のキノコと腐性性のキノコに分けて解説しています。文章が長くて読みきれないときは、ポーズボタンをクリックしてください。文字が小さい時はフルスクリーンで。





