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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

鮫ヶ尾城跡・斐太遺跡。ユウシュンラン・ミチノクエンゴサク・タニウツギ。妙高山・米山(妻女山里山通信)

2021-05-05 | アウトドア・ネイチャーフォト
 天候不順のGWですが、4日はもっともいい天気の予報。妙高市の鮫ヶ尾城跡・斐太遺跡へ行きました。4月上旬にコシノコバイモの撮影に訪れて以来の訪問です。午後は、これも妙高市の斑尾高原にある沼の原湿原へ。トイレ休憩で道の駅あらいに寄りましたが、激混み。とっとと鮫ヶ尾城跡へ。8台ほど車がありましたが、時間差で登っているので三密にはなりません。色々な植物を撮影できました。

 国指定史跡の斐太遺跡。看板にもある様に、弥生時代の終わり頃、魏志倭人伝に記述がある「倭国大乱」の時に、緊急避難的に作られた集落の跡です。私は、春秋戦国時代に越に滅ぼされて来日した呉と、後に滅びて来日した越の戦いではなかったかと考えています。そうでなければ、当時の日本の人口はたかだか60万人。その様な激しい大乱が起きた理由が見つかりません。もうひとつ別の説では、高句麗の襲来によって倭国大乱が起きたというものもあります。

(左)その当時の住居の再現。(右)御館の乱で知られる、こちらも国指定史跡の鮫ヶ尾城跡。まず案内所へ。咲いている花の情報を聞きました。なんと珍しいユウシュンランが咲いているとの情報。咲いている場所も詳しく教えていただきました。

 ユウシュンラン(祐舜蘭)。ラン科キンラン属の地生の多年草です。ある種の菌と共生関係にあるため、移植や栽培は不可能です。絶滅危惧Ⅱ類。

(左)渓流沿いに4月上旬に咲いていたコシノコバイモは、結実していました。(右)オオイワカガミの残花。

(左)ハナイカダ(花筏)。ミズキ科ハナイカダ属 の落葉低木。葉の中心にあるのは花。(右)ハコベ(繁縷)。ナデシコ科ハコベ属で、春の七草の一つ。

(左)ショウジョウバカマは結実していました。(右)エンレイソウ(延齢草)。シュロソウ科エンレイソウ属の多年草。別名は、タチアオイ。

(左)マムシグサ(蝮草)。サトイモ科テンナンショウ属の多年草。有毒です。(右)ジュウニヒトエ(十二単)。シソ科キランソウ属の多年草。

(左)チゴユリ(稚児百合)。イヌサフラン科チゴユリ属の多年草。俯いて咲く可愛い野草です。(右)4月上旬にも咲いていたトキワイカリソウ(常盤碇草)。メギ科 イカリソウ属の多年草。

 湿原から登って鮫ヶ尾城跡へ登ります。尾根道は、両側がカタクリの大群生地。4月上旬に訪れた時には満開でしたが、皆結実しています。小鳥のさえずりが聞こえる爽やかな森を緩やかに登っていきます。

(左)ウワミズザクラの残花。(右)数は多くありませんが、ヤマツツジも咲いていました。

 鮫ヶ尾城の本郭。山頂からは、日本海や妙高山、米山などが望め、見晴らしは抜群です。ギフチョウを見かけましたが、カタクリが咲き終わったので止まる花がないので撮影できませんでした。

 妙高山の眺め。標高2,454mの成層火山で、北信五岳の一つ。妙高戸隠連山国立公園に属し、火打山、焼山と共に頸城三山を形成しています。フォッサマグナ(糸魚川ー静岡構造線)の東に位置する二重式火山で、火打山、焼山と共に頸城(くびき)三山を形成しています。

米山(よねやま)。標高992.5m。別名、越後富士。民謡「三階節」や三河(愛知県)の鳳来寺薬師、日向(宮崎県)の法華嶽薬師と並んで日本三薬師の一つとして知られています。

(左)帰路は、谷筋の道へ。日陰にはまだカタクリが咲いていました。(右)ミチノクエンゴサク(陸奥延胡索)。ケシ科キケマン属の多年草。別名は、ヒメヤマエンゴサクといい、妻女山に咲くヤマエンゴサクより全体に小型です。

 タニウツギ(谷空木)。タニウツギ科タニウツギ属の落葉小高木。華やかな花が咲き乱れています。若芽を茹でて塩もみしてご飯に混ぜて食べる地方もあるそうです。どんな味でしょう。
 昼は、道の駅あらいは大混雑なので避けて妙高市新井駅の近くで探しました。寿司割烹やまとを発見。私は、海老穴子天丼を。大変美味でした。その後は、長野県の野尻湖経由で斑尾高原へ。下って何度も訪れている妙高市の沼の原湿原へ。その模様は、次の記事で紹介します。水芭蕉と龍金花が満開でした。この辺りは、新潟県と長野県の県境が複雑で、どちらにいるのかわからなくなることが度々です。

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