モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

初冬の陣場平へ。緑のセリバオウレン、クマノミズキの珊瑚色の実、信濃柿、ハチノスタケ。妻女山展望台(妻女山里山通信)

2021-11-26 | アウトドア・ネイチャーフォト
 あちこちから降雪の便りが届き始めました。白馬ではけっこうな積雪があったようです。来週は仲間を集めて山仕事をするので、その下調べも兼ねて妻女山山系に登りました。林道は枯葉が降り積もって非常に滑りやすくなっています。スタッドレスは雪には有効ですが、積もった枯葉にはまったく効きません。特に舗装路に積もった枯葉のカーブは慎重に。雪ではシャーベット状態、ミラーバーンにブラックアイスバーンは信州では普通にあります。最も怖いのは、春先の溶けて氷結した路面に薄雪の状態。どんなスタッドレスも全く効きません。
 それと、県外からスキーなどに来た車に見られますが、車の屋根に雪を積んだまま走ること。これは法律違反であり非常に危険です。後ろに落ちると後続車が事故る可能性があり、責任を問われます。また、ブレーキ時にフロントグラスに落ちて視界がまったくなくなり事故る可能性。絶対にやってはいけません。スタッドレスはもちろん、雪かきスコップ、窓の雪を落とすスクレーパー、融雪スプレー、−30度対応のウィンドウウォッシャー液は常備を。私は深雪や凍結の林道の急斜面を登るためのスパイクアタッチメント(スウェーデン製:麓の公道は走れません)も積んでいます。冬期のイノシシ狩りのハンターは、スタッドレスの上にチェーンを履いて登ってきます。

 妻女山里山デザイン・プロジェクトで貝母(編笠百合)の保護活動をしている陣場平。第四次川中島の戦いで、上杉謙信が七棟の陣小屋を建てたところと伝わる場所でもあります。完全に落葉すると樹間から海津城(松代城)が見えます。紅葉というより枯葉ですね。閑寂とした風景を突き破るように何か鳥の群れが樹冠で騒いでいたのですが、正体は分かりませんでした。冬の漂鳥や渡り鳥もそろそろ見られる頃です。
 毎年の4月の記事をご覧いただくと分かりますが、貝母が満開になると何百人もの方が花見に登って来ます。毎年メンバーで整備をして、球根を移植しているので群生地は少しずつですが広がっています。私が発見して保護活動をしていた頃と比べると数倍の面積になっています。来春を楽しみにしていてください。

 一角に我々が植えたセリバオウレンがあります。葉が緑色で艶艶しています。来春の3月中旬以降に花が咲きます。その頃に貝母が芽吹きます。ロゼットで冬越しする植物も散見されます。中央のクマノミズキもほとんど落葉しました。
可憐なセリバオウレン。北信濃の春を告げる花の群生地を探しに上杉謙信の山城がある髻山へ(妻女山里山通信):清楚で可憐です。動画も二本。

 足元にそのクマノミズキの実が落ちていました。これを見ると私が「森の珊瑚」という理由が分かると思います。一緒に落ちた実も、いずれ鳥や昆虫などに食べられてしまいます。

 信濃柿(豆柿)。渋柿ですが木になったまま甘い干し柿になります。雪が降る頃に落ちるとタヌキの大切な餌になるのです。雪の上にタヌキが歩き回った足跡があるので分かります。

 倒木にハチノスタケ。有毒ではありませんが食べられません。傘の裏が蜂の巣状です。数日前にかなり雨が降ったので、ムラサキシメジのシロにも行きましたが出ていませんでした。今年は結局2本採っただけ。例年なら100〜200本は採れます。フランスではピエブルーという高級キノコ。和風にも洋風にも合うとても美味しいキノコです。

 ヤマコウバシの木にからみつくミツバアケビ。冬になっても緑なので、ニホンカモシカの餌にもなります。ミツバアケビの実は大きく食用になります。
アケビのブルーチーズ入りミソバーグ:オリジナルレシピですが、東京のヌーベルキュイジーヌのレストランで食べたら3000円ぐらいしそうです。味噌風味にブルーチーズを合わせたところが、まさにミソです。ミソとブルーチーズのはんなりとしたコクのある香りが漂ってきて食欲をそそります。

 林道から陣場平への小道。オニグルミの木がたくさんあります。撮影機材や山仕事の道具を積んでここまで車で来ますが、オススメしません。林道が豪雨で激しくえぐれているので、車が傷つくか壊れます。私は何十回と登っているのでどこにタイヤを置けばいいか熟知しているのでなんとか登れるのです。

 その分岐から。左に登ると天城山(てしろやま)を経て鞍骨城跡のある鞍骨山へ約60分弱。右下に下ると5分弱で堂平大塚古墳。3つ前のブログで、その歴史や驚愕のエピソードを記しています。冬の日が作る樹木の影が美しい。

 堂平大塚古墳から西の眺め。篠山が見えます。山頂直下は、長野市の森林公園で車で行けて眺めもよく非常にいいところなのですが、人に出会ったことがありません。中腹にはウィーゴカントリークラブ、麓には長谷観音があります。麓に白く靄(もや)が見えます。気温は8度。

(左)堂平大塚古墳入り口の紅葉。(右)入り口の足元には紅葉の絨毯。

 長坂峠から北の眺め。落葉して千曲川や長野方面の山々も見えるようになりました。

 長坂峠のクヌギの黄葉。そのすぐ奥に斎場山(伝上杉謙信の本陣)がそびえます。日向と日陰では体感気温がまったく違います。冬を感じます。

 少し下って千曲川。対岸にAC長野パルセイロのホームスタジアムも見えます。

 妻女山駐車場から東の眺め。松代方面。左に大きな奇妙山。右奥に雲に隠れた根子岳と四阿山。畑では、降雨や降雪の前に剪定した枝や枯葉を燃やす作業があちこちで行われています。

 妻女山展望台から西方の眺め。茶臼山の右奥に神話の山、虫倉山。神城断層地震で山頂の4割が崩壊してしまいました。左奥には白馬三山が見えるのですが、ピーカンの日以外は雪雲がかかっていて見られません。白馬村では積雪もありました。五竜のスキー場はもう滑れる様です。在京の次男は胸を躍らせている様ですが、私はウィンタースポーツはやりません。子供の頃嫌というほどスキーやソリやスケートをしたせいでしょうか(笑)。小学校の頃は、冬は午前中は全て前の広い田んぼでスケート三昧でした。帰って友達と妻女山へスキーに。満月の夜は帰るのも忘れて滑りました。帰って怒られましたが。

 北方の眺め。飯縄山もやっと積雪がありました。冬の訪れは遅いのですが、12月から1月上旬は厳冬とか。気になるのは上雪が多いかもという予報。2014年の大豪雪を思い出します。あのときはブログでも記事にしていますが、本当に大変でした。今週末にはいよいよ長野市でも降雪がありそうです。どんな冬になるでしょう。

 妻女山里山デザイン・プロジェクトのメンバーと作った黒大豆が山のようにあります。とりあえずきな粉を作ったら馬鹿旨だったので、黒大豆100%のハンバーグを作ってみました。黒大豆を茹でて粒が残るくらいに潰し、玉葱のみじん切りを炒め、卵、パン粉、片栗粉を加えます。味付けはコンソメパウダー、ケイジャンスパイス、マジックソルト、コショウ。黒大豆の煮汁でご飯を炊きました。大豆ハンバーグ、これは予想以上に美味しいです。味付けを中華風、和風と変えてもいいでしょう。ヴィーガンではありませんが、これは癖になりそう。

 翌々日の日曜日の朝、斎場山に初冠雪がありました。標高513mなのでこの程度ですが、善光寺平を囲む800m以上の里山は真っ白です。日中は晴れたのでほとんど溶けましたが。あちこちのスキー場からはオープンの知らせが届いています。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 3年ぶりに開催の「長野えびす... | トップ | ピーカンの妻女山展望台へ。... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

アウトドア・ネイチャーフォト」カテゴリの最新記事