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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

初冬の妻女山陣場平と堂平大塚古墳へ。里山の恵み、最後のムキタケとホダ木の椎茸。長野えびす講煙火大会(妻女山里山通信)

2022-11-25 | アウトドア・ネイチャーフォト
 前の記事から1周間が経ち、前回以上に小春日和の好日になりました。最低気温は4度、最高気温は14度ですがほぼ無風。来週、妻女山里山デザイン・プロジェクトの里山保全作業と納会があるので、妻女山陣場平やログハウスを回りました。

 まず堂平大塚古墳へ。まだ緑が少し残る楓の黄葉。

 前回真っ赤に紅葉していた楓はほとんど散りました。ドウダンツツジの葉も色づき始めています。左の杉にはナツヅタが色づいていました。

 ログハウスの裏山の落葉松もかなり落葉しています。

 前回小さいので残してきたムキタケが大きくなっていました。もっと大きなものも。6枚ぐらい採れました。氷点下になったらもう大きくなりません。

 陣場平もかなり枯野になってきました。ヒヨドリの甲高い鳴き声が響きます。日本の里山でここにしかない貝母(編笠百合)の群生地の保護活動をして13年。毎年4月の満開の季節には、大勢の方が訪れてくれます。保護活動でいちばん大変なのは帰化植物の除去です。オオブタクサやハルジオンは毎年何百本と抜いています。それでも絶滅しません。ベトナム戦争の枯葉剤とほぼ同じ成分のラウンドアップは絶対に使えません。ここでは使いませんが、除草剤を使うならアルテア根エキスが原料の安全な「アルテア」をお勧めします。
松代夢空間主催の「妻女山 花と歴史のハイキング2022」。斎場山や堂平大塚古墳、貝母満開の陣場平を案内しました。楽しんでいただけた様です(妻女山里山通信):今年の満開の様子です。

 長坂峠の旧東風超えあたりからの斎場山。ここが地元では江戸時代から妻女山と呼んでいた山です。斎場山は本名で、妻女山は江戸時代につけられた俗名です。『信濃宝鑑』中巻には、下のように記されています。
【妻女山】
 まことは斎場山なるべし、上古県主及び郡司(或は田村将軍東夷征伐の際とも云ふ)などの天神地祗を祭れる壇上の意ならん。今岩野・清野・土ロの三村に跨りて峠立せり、即ち、岩野は、斎野(いはひの)・清野は須賀野にて清く須賀須賀しき野の意なるべし、然して土ロは祭壇への登りロの意ならん。現今、古墳やうのもの多きは、皆祭壇にてこれ穿てば祭器古鏃*を出だすを以ても上古の斎場たる事知る可きなり、後永禄年中甲越合戦の際上杉謙信の陣を張れる処たり。

 クヌギはほとんど落葉。春の芽吹きまで枯れ葉が残っているのは、ヤマコウバシ。散らない落ちないということで受験生のお守りになったりします。
妻女山の真実「妻女山は往古赤坂山であった! 本当の妻女山は斎場山である」:長野郷土史研究会に載せていただいた小論文の元となった記事です。

 長坂峠から善光寺平方面の眺め。落葉して戸隠富士と呼ばれる高妻山(左)と右の飯縄山も見えるようになりました。手前は千曲川。

 山を下って仲間と椎茸のホダ木栽培をしている場所へ。前回残してきた椎茸が大きくなっています。来週の納会で焼いて食べようと思います。向こう側のホダ木は今年菌を打ち込んだので、発生するのは来年の秋からです。

 わりと雨が降ったので割れてどんこにはならず上にめくれています。かなり肉厚です。酒蒸しやバター醤油炒めがお勧めです。ひき肉や海老と長芋のシンジョを詰めてフライや天ぷら、蒸し物も美味です。

 四阿から観る北アルプスの白馬三山の雄姿。先週と比べると白さが増しました。

 温泉へ向かう途中で仁科三山。白いススキの穂。大きな木はドロヤナギやハリエンジュ(ニセアカシア)です。

 右奥にはチュウサギか。手前には十数羽のマガモでしょうか。次は望遠レンズを持ってきましょう。

 三週間干していた干し柿ができあがりました。渋柿ではないので白い粉はふいていませんが充分に甘く仕上がりました。野沢菜の溜まり漬けも美味しくなりました。野沢菜に加えて大根と青大根、人参、白菜も入れました。野沢菜の収穫と野沢菜漬けの繁忙期です。私は少し早めに漬けました。乳酸発酵したものとか古漬けが好きだからです。野沢菜のじゃこ炒め、おやき、炊き込みご飯、福建炒飯など、絶品の料理が作れます。水上勉原作、沢田研二さん主演の映画『土を喰らう十二ヵ月』の様な暮らしです。信州の小谷村が舞台の四季の映像が美しい染み染みといい映画でした。「沢田研二さん演じる主人公の暮らしや食べ物は、まんま私と同じ。自分の毎日を観ているみたいだった。違うのは私には犬と松たか子さん演じるまちこさんがいないことかな。」とツイートしたら、映画の公式ツイートからリツイートとライクが。そしてライクが55も続きました。

 23日は「長野えびす講煙火大会」でした。あいにくの雨だったので写真は滲んでいます。これが終わると信州には冬が来ます。初雪もまもなくでしょう。
3年ぶりに開催の「長野えびす講煙火大会」。「遠花火 人妻の手が わが肩に」寺山修司(妻女山里山通信):昨年の3年ぶりの花火大会の記事です。

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