久しぶりに晴れたので、妻女山の陣馬平へ登りました、結構雨が降ったので徒歩で。倒木や落枝もありました。ウスバシロチョウがあちこちで乱舞していました。山登りの人も何人か来ました。いい季節です。ウスバシロチョウは、ギフチョウやヒメギフチョウと共に、氷河期の生き残りといわれる蝶です。
ハルジオンで吸蜜するウスバシロチョウ。ハルジオンは、環境庁の有害帰化植物100選ですが、この時期ウスバシロチョウが吸蜜できる花はこれぐらいなので、陣場平下のものはある程度残しています。ただ、貝母群生地のものはすべて抜きます。悩ましいところです。
ハルジオンのどこの部分を吸うのか、このカットでよく分かります。6月になるとアザミが咲くので、仲間を集めてハルジオンは除草します。今日はブタクサも引き抜きました。里山で帰化植物の問題は、非常に重要なのです。松枯れ病の農薬空中散布は、生態系の破壊です。人的被害も出ています。絶対に許してはいけません。松枯れ病の真の原因は、排気ガスです。当ブログでも何度も記事にしています。
陣場平の貝母(編笠百合)は枯れ始めていますが倒れてはいません。倒れているのは、私が周囲から移植した株です。サンコウチョウの鳴き声がします。まだ、月日星だけですね。最後のホイホイホイがありません。ハルゼミとエゾハルゼミが鳴いています。結構な雨が降った割には湿度が低くて快適です。今日は、カッコウの鳴き声はなかったですね。
(左)貝母の実はずいぶんと大きくなりました。(右)ハナヤスリの胞子嚢も随分と大きくなっています。
(左)貝母の群生地の中央にあるクマノミズキの蕾(つぼみ)。(右)ミヤマウグイスカグラの実。甘くて美味。子供の頃の山でのおやつでした。
(左)ギンラン(銀襴)の残花。ほとんどは既に散っています。(右)絶滅したと思っていたオオアマナ(大甘菜)の花が咲いていました。明治時代に入った帰化植物が野生化したものの様です。別名は、ベツレヘムの星。毒草です。
休憩は堂平大塚古墳のログハウスで。篠山が見えます。ふと足元を見ると、羽蟻でしょうか、大量に羽化しています。渓流釣りをする方なら分かると思いますが、スーパーハッチです。物凄い数の羽虫が沸き立つように飛び去っていきます。
(左)長坂峠のエノキ(榎)。オオムラサキの幼虫の食草です。昨年は発生が極わずかでした。今年は大発生を期待します。(右)クサフジ(草藤)。田んぼの畦道や畑にあると雑草ですが、里山ではウスバシロチョウが吸蜜する野草です。
(左)山椒の実。まだ摘むには小さいですね。6月上旬になったら摘んで、縮緬山椒を作ります。私はコウナゴ(小女子)と薄味で煮物にします。馬鹿旨です。(右)ガマズミも実が成り始め。今年こそ秋にルビー色のガマズミ酒を作ろうと思います。抗酸化作用が強く、老化防止になります。ザラメや氷砂糖は体に悪いので使わず、飲む時に蜂蜜を加えます。料理にも砂糖や三温糖は使いません。サトウキビ100%のきび砂糖を使います。
長坂峠から下る途中にコナラの倒木。ミツバアケビ(三葉木通)のつるで、かろうじて落下していません。これの処理は非常に困難です。林業関係のプロの息子に相談してみようと思います。
(左)落葉松の松ぼっくり。緑の松ぼっくりは見ることは稀ですね。豪雨と風で落枝したのでしょう。(右)リョウメンシダに桐の花が。自然が作ったフラワー・アレンジメント。
(左)林道のあちこちで散見されるナルコユリ(鳴子百合)。根を乾燥させたものを黄精(おうせい)といい、滋養強壮としての生薬です。小林一茶がこの酒を愛飲していたことでも有名です。(右)え! これウスバサイシンですか!? 妻女山にはないと思っていたのですが。ならヒメギフチョウも? でも違う気がします。よく見るとつる植物でした。違いますね。
(左)タケニグサ(竹似草)。毒草です。黄色い液に触れるとかぶれます。江戸時代は、これを便所の除虫に使ったとか。(右)クサノオウ(瘡の王)。これも毒草です。妻女山には、近隣の小学生が遠足に来るのですが、道すがらこれに触っている児童を見たので、先生に助言したことがあります。その時に拙書を見せたら子供達にお話をと言われて拙書の写真を見せながらお話したことがあります。
妻女山松代招魂社の境内には、ニガナ(苦菜)の群生地があります。その名の通り苦い植物です。薬草ですが毒草です。
松代方面の眺め。左に拙書でも紹介の奇妙山。右奥に、左に根子岳、右に四阿山。両山とも拙書で紹介しています。里山ではなく亜高山ですが、真田とも深い関係にある山です。
西に茶臼山。中腹に茶臼山自然植物園とレッサーパンダで有名になった茶臼山動物園が。右奥には、これも拙書で紹介の神話の山、虫倉山。神城断層地震で山頂が4割ほど崩壊してしまいました。北アルプスは雲の中でした。最高気温は23度ですが、思いの外湿度が高くなかったので快適な山歩きでした。出会った人達には、淡竹の筍を食べに親子連れの熊が鏡台山から来ているのを目撃されているので、手を叩いたり大声を出してくださいと知らせました。基本的に熊は臆病で警戒心が強いので、遠くからこれからそっちへ行くよと知らせてあげることが大事なのです。
妻女山里山デザイン・プロジェクトのメンバーのN氏が作ってくれた登山ノートのボックスの根本が腐って倒れてしまいました。もちろん防腐剤を塗ってあるのですが、沢筋なので駄目だったみたいです。早急に対応策を練らないといけませんね。
二日後、ウスバシロチョウは更に増えました。妻女山山系のあちこちで舞っています。交尾をせがむオスの姿も見られました。交尾をするとオスはメスの腹部にフクラギスというラベンダー色の貞操帯を付けます。
(左)例年より早く実山椒が成りました。実山椒は一度だけ茹でこぼし、水、酒、本味醂、醤油で、苦味のある小女子と煮物にします。ビリビリとする痺れ感がたまりません。アツアツご飯に乗せると馬鹿旨です。(右)山蕗は、身欠き鰊と煮物に。これも一度だけ茹でこぼします。やや固くなってきましたが、毎日煮込むと柔らかくなります。両方とも山と海の恵み。市販品のように食品添加物は一切使わず、自然の滋味を堪能します。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
ハルジオンで吸蜜するウスバシロチョウ。ハルジオンは、環境庁の有害帰化植物100選ですが、この時期ウスバシロチョウが吸蜜できる花はこれぐらいなので、陣場平下のものはある程度残しています。ただ、貝母群生地のものはすべて抜きます。悩ましいところです。
ハルジオンのどこの部分を吸うのか、このカットでよく分かります。6月になるとアザミが咲くので、仲間を集めてハルジオンは除草します。今日はブタクサも引き抜きました。里山で帰化植物の問題は、非常に重要なのです。松枯れ病の農薬空中散布は、生態系の破壊です。人的被害も出ています。絶対に許してはいけません。松枯れ病の真の原因は、排気ガスです。当ブログでも何度も記事にしています。
陣場平の貝母(編笠百合)は枯れ始めていますが倒れてはいません。倒れているのは、私が周囲から移植した株です。サンコウチョウの鳴き声がします。まだ、月日星だけですね。最後のホイホイホイがありません。ハルゼミとエゾハルゼミが鳴いています。結構な雨が降った割には湿度が低くて快適です。今日は、カッコウの鳴き声はなかったですね。
(左)貝母の実はずいぶんと大きくなりました。(右)ハナヤスリの胞子嚢も随分と大きくなっています。
(左)貝母の群生地の中央にあるクマノミズキの蕾(つぼみ)。(右)ミヤマウグイスカグラの実。甘くて美味。子供の頃の山でのおやつでした。
(左)ギンラン(銀襴)の残花。ほとんどは既に散っています。(右)絶滅したと思っていたオオアマナ(大甘菜)の花が咲いていました。明治時代に入った帰化植物が野生化したものの様です。別名は、ベツレヘムの星。毒草です。
休憩は堂平大塚古墳のログハウスで。篠山が見えます。ふと足元を見ると、羽蟻でしょうか、大量に羽化しています。渓流釣りをする方なら分かると思いますが、スーパーハッチです。物凄い数の羽虫が沸き立つように飛び去っていきます。
(左)長坂峠のエノキ(榎)。オオムラサキの幼虫の食草です。昨年は発生が極わずかでした。今年は大発生を期待します。(右)クサフジ(草藤)。田んぼの畦道や畑にあると雑草ですが、里山ではウスバシロチョウが吸蜜する野草です。
(左)山椒の実。まだ摘むには小さいですね。6月上旬になったら摘んで、縮緬山椒を作ります。私はコウナゴ(小女子)と薄味で煮物にします。馬鹿旨です。(右)ガマズミも実が成り始め。今年こそ秋にルビー色のガマズミ酒を作ろうと思います。抗酸化作用が強く、老化防止になります。ザラメや氷砂糖は体に悪いので使わず、飲む時に蜂蜜を加えます。料理にも砂糖や三温糖は使いません。サトウキビ100%のきび砂糖を使います。
長坂峠から下る途中にコナラの倒木。ミツバアケビ(三葉木通)のつるで、かろうじて落下していません。これの処理は非常に困難です。林業関係のプロの息子に相談してみようと思います。
(左)落葉松の松ぼっくり。緑の松ぼっくりは見ることは稀ですね。豪雨と風で落枝したのでしょう。(右)リョウメンシダに桐の花が。自然が作ったフラワー・アレンジメント。
(左)林道のあちこちで散見されるナルコユリ(鳴子百合)。根を乾燥させたものを黄精(おうせい)といい、滋養強壮としての生薬です。小林一茶がこの酒を愛飲していたことでも有名です。(右)え! これウスバサイシンですか!? 妻女山にはないと思っていたのですが。ならヒメギフチョウも? でも違う気がします。よく見るとつる植物でした。違いますね。
(左)タケニグサ(竹似草)。毒草です。黄色い液に触れるとかぶれます。江戸時代は、これを便所の除虫に使ったとか。(右)クサノオウ(瘡の王)。これも毒草です。妻女山には、近隣の小学生が遠足に来るのですが、道すがらこれに触っている児童を見たので、先生に助言したことがあります。その時に拙書を見せたら子供達にお話をと言われて拙書の写真を見せながらお話したことがあります。
妻女山松代招魂社の境内には、ニガナ(苦菜)の群生地があります。その名の通り苦い植物です。薬草ですが毒草です。
松代方面の眺め。左に拙書でも紹介の奇妙山。右奥に、左に根子岳、右に四阿山。両山とも拙書で紹介しています。里山ではなく亜高山ですが、真田とも深い関係にある山です。
西に茶臼山。中腹に茶臼山自然植物園とレッサーパンダで有名になった茶臼山動物園が。右奥には、これも拙書で紹介の神話の山、虫倉山。神城断層地震で山頂が4割ほど崩壊してしまいました。北アルプスは雲の中でした。最高気温は23度ですが、思いの外湿度が高くなかったので快適な山歩きでした。出会った人達には、淡竹の筍を食べに親子連れの熊が鏡台山から来ているのを目撃されているので、手を叩いたり大声を出してくださいと知らせました。基本的に熊は臆病で警戒心が強いので、遠くからこれからそっちへ行くよと知らせてあげることが大事なのです。
妻女山里山デザイン・プロジェクトのメンバーのN氏が作ってくれた登山ノートのボックスの根本が腐って倒れてしまいました。もちろん防腐剤を塗ってあるのですが、沢筋なので駄目だったみたいです。早急に対応策を練らないといけませんね。
二日後、ウスバシロチョウは更に増えました。妻女山山系のあちこちで舞っています。交尾をせがむオスの姿も見られました。交尾をするとオスはメスの腹部にフクラギスというラベンダー色の貞操帯を付けます。
(左)例年より早く実山椒が成りました。実山椒は一度だけ茹でこぼし、水、酒、本味醂、醤油で、苦味のある小女子と煮物にします。ビリビリとする痺れ感がたまりません。アツアツご飯に乗せると馬鹿旨です。(右)山蕗は、身欠き鰊と煮物に。これも一度だけ茹でこぼします。やや固くなってきましたが、毎日煮込むと柔らかくなります。両方とも山と海の恵み。市販品のように食品添加物は一切使わず、自然の滋味を堪能します。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。